GMOあおぞらネット銀行株式会社は2018年7月17日、インターネット事業を開始したことを発表した。同銀行は、銀行経営ノウハウを持つあおぞら銀行と、インターネット/金融事業の技術力を持つGMOインターネットグループが共同出資する銀行。
このタイミングでの参入理由
今回の発表は2016年6月24日に発表したあおぞら銀行・あおぞら信託銀行・GMOインターネットによるインターネット銀行の共同運営に関する資本業務提携がきっかけとなっており、約2年が経過して事業開始に至った。
この背景について、冒頭に、GMOあおぞらネット銀行の代表取締役社長 山形昌樹氏が登壇し、今回、このタイミングでインターネット銀行事業に参入した理由を述べた。
山形氏は、述べたのは以下の3つのポイント。
- 外部環境の変化
- 後発だからこその強み
- 銀行とIT企業のタッグ
山形氏は、今の時勢について「インターネットを取り巻く環境、そして、今回の対象となる金融業界をはじめ、今、世の中では技術やトレンドが大きく変化しています。その変化スピードへの対応、さらに後発だからこそ有利となる、テクノロジーによる参入コストの低下といった点が、私たちにとって非常に優位に働くと考えています」と分析し、さらに、母体となる2社がタッグを組むことで銀行とITが融合した、これからのテクノロジーバンクが実現できると判断し、このタイミングでの参入となったと説明した。
さらに、母体である株式会社あおぞら銀行代表取締役社長兼最高経営責任者 馬場信輔氏、GMOインターネット株式会社代表取締役会長兼社長・グループ代表 熊谷正寿氏の両名が登壇し、GMOあおぞらネット銀行が目指す姿と、狙いについてそれぞれの立場から説明した。
目指す姿、提供サービス、ロードマップ
続いて、GMOあおぞらネット銀行株式会社代表取締役 金子岳人氏が登壇し、同銀行の事業戦略および提供サービスについて説明が行われた。
まず、同行は銀行決済分野でNo.1のシェアを目指すべく、100万口座開設、収益100億円の達成を目標と掲げているそう。
サービス開始時に準備されているのは、決済サービスとして振込入金口座(バーチャル口座)やデビッドカード、また、銀証連携サービスとして、証券コネクト口座(スイープ口座)や外貨預金が利用できる。
この他、円普通/定期預金、使い分け口座の利用、さらに、サポートとしてチャットボットの用意、セキュリティ対応として生体認証が基本サービスとして提供される。
またサービスイン時には間に合わなかったが、2017年のCESでも注目を集めた米Dynamics Inc.のキャッシュカードを採用し、2019年春から、ハイセキュリティデビット一体型キャッシュカードを発行する予定とのこと。
このカードはユーザ自身が設定したパスコードを入力することでATM、デビットカードの利用が可能となる仕組みとなっており、カード紛失時等の物理的セキュリティを担保できる。また、現状のATMでそのまま利用できるのも特徴の1つだ。
最後に、金子氏が改めて「No.1のテクノロジーバンクを目指します」とコメントし、今、そして、未来に向けたインターネット銀行が誕生した瞬間となった。