(株)ソラコムは、2018年7月に行われた同社のイベントでアナウンスのあったセルラーLPWA「LTE-M(Cat.M1)」への対応を、9月26日から開始することを発表した。新しいサービス名は「plan-KM1」。
LTE-Mは、既存の4G LTEの携帯電話通信網を利用しながら低消費電力を特徴とするLTE標準規格。乾電池でも対応デバイスをある程度の期間、駆動させ続けることができる。これによりより広範囲で安定した通信が期待でき、ゲートウェイを設置せずに広いエリアでのIoTシステム運用が可能となる。
料金体系は、SIMカード1枚あたり初期費用1,500円、月額100円(101回線から月額90円)の基本使用料+データ通信料0.5円/KB(MBではない)。また、同社のAir SIMと同様に、在庫期間やデータ通信を行わない間、基本料金が無料となる「利用開始待ち」ステータス(最長1年間)を利用できる。
また、7月に発売が予告されていたLTE-M搭載、「AWS IoT 1-Click」サポートのプログラム可能なボタンデバイス「SORACOM LTE-M Button powered by AWS」のデモも行われた。年度内発売予定で予価は1台約8,000円。初回キャンペーン価格3.980円(個数、期間限定)、事前登録サイトから申し込む。
さらに、「plan-KM1」のリリースに合わせて、これまでSORACOMのSigfox、LoRaWANで提供していた「バイナリパーサー機能」がplan-KM1、plan-D、グローバルSIM(plan01s)で利用できるようになった。これはデバイスから送信されたバイナリデータにSORACOMプラットフォーム内でパース/デコード等の簡単なデータ処理を行い、カスタムフォーマットを付与して変換したデータを後処理に送信する機能。デバイスからの送信データのサイズを小さくすることができる。セルラーからの利用は年内は無料となっている。
発表の場で玉川氏は、同社のサービス開始から3年、その間2週に1回のペースで新たな開発、リリースを行い、リリースされた新機能は100個以上となったことを挙げ、同社の提供するものが「かなり完成形に近づいてきた」と語った。とはいえ、利用ユーザが増え事例の蓄積も増える中、インフラ面でまだまだ取り組みたいテーマは出てくるとも予測している。現時点では想像がつかない展開が、案外近いうちに訪れるかも知れない。