「Adobe MAX Japan 2009」詳細レポート

2日目(その2)ActionScript 3.0におけるパフォーマンス向上のヒント,コミッタ全員集合?SparkProjectライトニングセッション,EDGE Now ! of the Year

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コミッタ全員集合?SparkProjectライトニングセッション

最終日最後のセッションでは,現在国内外のActionScript界隈で急上昇しているSparkProjectのセッションに参加した。

SparkProjectは新藤愛大氏が運営している,Flash/ActionScript開発のためのオープンソースコミュニティで,⁠皆でソースコードやノウハウを共有して幸せになろうよ」とう思いのもとで運営されていることが語られた。

写真4 新藤愛大氏

写真4 新藤愛大氏

このセッションでは,そんなSparkProjectで紹介されているライブラリを公開しているコミッタ8名が,自身のプロジェクトについて,5分間ずつトークするという形で行われた。

sazameki

sazamekiは,山崎貴明氏が開発し,ActionScript3.0でダイナミックサウンドの生成や,操作を行うためのライブラリである。デモのSWFでは,マウス操作によるインタラクティブな音の操作や,ダイナミックサウンドを生成し,ミキサーのような効果を得ていた。

動画1 sazamekiを利用したSWFのデモ

ニコニコ動画:https://www.nicovideo.jp/watch/sm6043783

TeraFire,TeraClock

TeraFireを開発した寺井周平氏によれば,ライブラリは"必殺技"であるという。とっつきやすさ,手軽さがキモであるとした。自身が開発したTeraFireは,手軽にパーティクルによる炎の効果を出すライブラリである。パラメータによって色や形を様々に変更できるとしている。

TeraClockでは,同じく非常に簡単に時計を開発でき,便利なメソッドを使うことで様々な表現が可能だという。

また,この日のために開発したというTeraHinodeの発表もあった。

写真5 TeraHinode

写真5 TeraHinode

FLARToolKit

小山智彦氏によると,ARToolKitという拡張現実(Argumented Reality)を実現するライブラリとし,ARtoolKitはもともとC言語のライブラリだったが,Javaのライブラリから移植したと語られた。デモでは,プリントされたマーカーをカメラで読み取り,そこに3Dオブジェクトがリアルタイムで描画されていた。

写真6 FLARToolKitを利用したARを利用して,トークが行われた

写真6 FLARToolKitを利用したARを利用して,トークが行われた

GetFrameActionScript/JSFL

Flashの拡張言語JSFLを精力的にコミットしている齊藤栄二氏は,⁠SparkProjectにコミットされているのはActionScriptだけではない」とし,⁠SparkProjectは全てのFlasherのためにある」と述べた。そして,自身や他のコミッターが公開しているJSFLについて紹介した。

齊藤氏がコミットしたGetFrameActionScriptは,フレーム・ライブラリ内に記述されているActionScriptの一覧を出力するコマンドとして紹介された。

写真7 GetFrameActionScript

写真7 GetFrameActionScript

SWFWheel

イズカワタカノブ氏が公開しているSWFWheelは,現在のActionScriptにおけるマウスホイールイベントの扱いは非常に曖昧で,環境において動作にばらつきがあった。しかし,このライブラリを使うことで,Win/Mac,ブラウザの環境に依存することなくFlashでのマウスホイールイベントを実現する物だとしている。

写真8 SWFWheelを利用すれば,マウスホイールイベントが環境に依存しなくなる

写真8 SWFWheelを利用すれば,マウスホイールイベントが環境に依存しなくなる

Frocessing

ASでProcessing⁠をテーマにFrocessingを開発した高輪知明氏は,ActionScript3.0でグラフィック系のプログラム環境であるProcessingライクに使う描画系ライブラリだとしている。これによれば,Processingに似たコードで,ActionScriptネイティブAPIのGraphicsよりも複雑なグラフィック描画処理を簡単に素早く描画することが可能だとしている。デモでは,FLAToolKitで動作するFrocessingのSWFが紹介されていた。

写真9 Frocessingを利用することで,複雑なグラフィックを簡単に作成できる

写真9 Frocessingを利用することで,複雑なグラフィックを簡単に作成できる

SpecialButtonコンポーネント

ActionScriptの初級者から上級者まで幅広くサポートした汎用ライブラリとして,SpecialButtonコンポーネントを開発した松野規親氏は,非常に細かい設定をコンポーネントのGUIを使って,コードを一切書かずにボタンを作成できるコンポーネントとして紹介。

AS1,AS2にも互換性があるとし,上級者にも嬉しいとして,イベントハンドラの自動生成機能やインターバル処理が不要になるボタン押しっぱなし時ハンドラの連続発行など,細かい機能が満載と紹介した。

写真10 SpecialButtonコンポーネント

写真10 SpecialButtonコンポーネント

Thred 1.0(そうめん)

Thred1.0(そうめん)は,"addEventListenerにさようなら"をテーマに,非同期処理やリアルタイム処理を分かり易くスマートに書くためのライブラリとして,SparkProject運営の新藤愛大氏によって開発された。

Thred 1.0(そうめん)を利用することでaddEventListenerとremoveEventListenerをなくすことのでき,擬似的にスレッド処理ができることで有名なこのライブラリ。トークではjoin()/next()の解説,ネイティブにやる場合には非常に面倒な複数XMLの同時読み込みや,エラー処理を簡単にできる例を紹介した。

写真11 On More Thingとして,現在開発中のトゥイーン系ライブラリ「BetweenAS3」が簡単に紹介された。春の公開を目指しているとのこと

写真11 On More Thingとして,現在開発中のトゥイーン系ライブラリ「BetweenAS3」が簡単に紹介された

最後に,お知らせとして,コミッタは随時募集しており,SparkProjectへの意見・要望・提案をいつでも受け付けていることが語られた。なお,SparkProject勉強会も毎月Adobeで行われているという。勉強会の告知は公式ブログで行われるので,興味があればチェックしてみるとよいだろう。

著者プロフィール

加茂雄亮(かもゆうすけ)

株式会社ロクナナにて,ActionScriptを伴うFlashコンテンツや,AjaxコンテンツなどRIA開発に従事するフロントエンドエンジニア。テクニカルライターとしての一面を持ち,WEB・雑誌・書籍、媒体問わず執筆。また,イベントやセミナーでの講演など,精力的に活動している。

URLhttp://log.xingxx.com/
URLhttp://rokunana.com/