DeskTopLive.asイベントレポート、2回目はBeInteractive! 新藤愛大さんです。
なんといっても、トータル一時間のライブコーディングバトルは相当キツかったんじゃないかと想像しますが、そのあたりからお話を伺いました。
新藤さん
まずは当日の感想から
――どうでした?大変でしたか?
新藤さん(以降 新):そうですね。40分は想像以上にきつかったですね。40分をなめてました(笑)
――準備はどうでしたか?
新:準備はほぼ「何を作るのか」という部分でした。
――どのくらいかかりました?
新:大体4日前くらいまでですね。それまでに決めました。一応頭の中では素晴らしい完成形があって。それにしたくて音を用意したりしたんです。
――練習はしましたか?
新:練習はしてないです。さわりだけ、どんなもんかなとやってみて、結局見誤った感じなんですけど(笑)
――当日のコーディングスピードって普段と同じくらい出ました?
新:あーどうでしょうね…。でも、たぶんパニックになってるとこもあったかと。
――タイプミス増えました?
新:ミスが増えたというよりは、次に何をしたらいいかわからなくなるというか。
――どこかのコメントで「この人たち、(打ち込むコード)全部覚えてきたんだすげー」みたいな書き込みがあったのですが、無理ですよね、暗記のほうが大変ですよね。
新:暗記できないですね。手順だけ考えてきたという感じです。
――これは入れておきたかったのだけど、実装できなかったというものはありますか?
新:いっぱいありますよ。サウンドもそうですし。あとは、当日作ったものは、なんとなく色が変わっていたんですけど、あれも最後の最後で実装したのでバグが残ってて、クリックした瞬間に色が変わるようにしたかったんですけどなっていなくて…。そのへんも心残りです。
文字もちゃんと繋がってるようにみせたかったのですけど、回転がかかったままで、あんまりよくわかんない状態だったりとか。
新藤さんの作品
――当日はまさにぶっつけ本番だったのですが、そうするよりも三人であつまって練習しておいたほうがよかったんでしょうか?
新:どうなんでしょう。
でも終わったあとに思ったのが、僕はけっこう「ライブコーディング」というのを意識しすぎた感があって、その「ライブコーディング」というのも勉強会でのライブコーディングをけっこう意識しすぎたかな、と思いました。
イベントとしては、ズルじゃないですけど、ある程度考えて望んだほうがパフォーマンスとしてはおもしろいという気もします。
――livecoding.orgは「事前コーディング禁止」という記事を読んだのですが
技術者の方同士で楽しむ場では成り立つけれど、DTLのスーパーデラックスでの雰囲気だと、技術をまったくやらない方も多かったのでショーとしての楽しさも気になりますね。
新:そうですね。
――当日、困ったことはありますか?
新:困ったことだらけでした。バグってもいましたし、ゴールにたどりつけなくてどこまで妥協しておさめるか、というところをけっこう考えました。
絶対に「みせるもの」は作らないといけないので、完成系をめざしていると、絶対に中途半端なものになる。そこで何を切り捨てて、見せれるようにしていくかというところが、見せるようにいくか、というところなどです。
最初に結構、”ちゃんとした完成系”に向けるために書いたクラスとかがあったんですけど、最終的に全然使ってないんです。
――今、完成したら別物だったりします?
新:完成したら別物になると思います。
――-Thread使ってましたね。
新:Threadを使っていたんですけれど、あれは、音楽の読み込みまでいくととても効果を発揮したんですが、今のところまだ「使わなくていいじゃん」というレベルに留まっています。
――準備とかにしか使ってない?
新:そうですね。
――Betweenは使ってますか?
新:使ってないです。それはちょっと間に合わなくて。
BeatTimerは使おうと思っていて一応ライブラリにはいれていたんですけれど、結局newすることもなく。
――自分のなかでの縛りって設定したりしました?
新:やる前に思っていたのは、完成系よりも、やっているところを見て楽しいものがいいと思っていました。
――開発環境は普段使われているのと同じセットですか?
新:そうです、普段はiMacなので、もうちょっと画面が大きかったり、違う部分もあるんですが、ほぼ再現しました。
――キーボードももっていらしてましたよね。やる気だなと(笑)
新:キーボードも一緒です(笑)
普段のデスクトップ
デスクトップのキャプチャ(左)
デスクトップのキャプチャ(右)
今後もDTLでライブコーディングバトルをやるとしたら?
――(初回はなにかと大変だったとは思いますが)ライブコーディングって、今後もショーにしていけると思いますか?
新:十分なるとおもいます。
――普段のweb制作で、「お客さん(ユーザー)から2000円をいただいてswf作る」ということはほぼないですよね。その2000円のプレッシャーは想像以上に凄かったですね。
そのうち、DTL.asのライブコーディング部分が仮に1000円だったとして、もしご自分が観客として来る場合、1000円払って見たいと思われますか?
新:僕ははらいますね。
――この人のライブコーディング、もしくは制作風景がみたい、というのはありますか?
新:僕はやってる途中、両脇でなにがおこっているのかわからなかったので、とりあえず深津さんは見たいですね。あとはだれだろうな…(しばらく悩む)
――(個人的に)さくーしゃさん見たいです(笑)
新:さくーしゃさんは見たいですね!
あと、.JSでいうと、amachangさんは見たいですね、サイボウズラボの。
今後について
――仕事以外の時間って何をされていますか?
新:あんまりそれ以外の時間はないかもしれません。ずっとコード書いているわけではないんですけれど。
――Spark projectなどが忙しいんですか?
新:それもありますし、興味持ったことがあったらそれをずっと調べていたりするんです。結構ソースコードを読むのが好きなんですよ。
ちょっと気になったライブラリとかがあると、ブラウザでずっとソースコードを見てニヤニヤしてます(笑)
――最近興味のあること、これにチャレンジしたいことってなんですか?
新:Betweenは完成させたいです。
―― tweenライブラリはどうして作ろうと思ったんですか?
新:tweenライブラリが話題になったときがあって、Tweenerしか使ってなかったのですが
TweenMax、GTweenなどある中、実際のところどうなの、というのを調べ始めたら、自分でも作らなきゃなと(笑)
元々考えていたtweenライブラリをつくるにあたっての高速化手法があって、それをしばらくあっためていたんですけど、そこにTweensyがでてきて、ソースコードをよんでみたら、だいたいいっしょだった。
逆にTweensyがやってて速いということが実証されたので、じゃあやるかと。
考えていた「プログラミング言語を作る」というネタ
新:DTLのネタでやろうかなと考えていたことの一つとして、「その場でプログラミング言語を作る」というのがあります。
――あーかっこいいですね。インタプリターを。
新:インタープリターを。
Processingのように、それをつかってお絵かきができるような感じだと、後でデモがやりやすいとおもっていました。
さらにネタにはしると、HQ9+というプログラミング言語があって、例えば「H」とかくと、”Hello, world!”がでてくる。ありがちな命令でよく出題される問題がとける。けど、それしかできない、みたいな。
――Brainfuckとかありますよね。
新:Brainfuckはチューリング完全なので、そうじゃないメタ言語が。
――特化言語ですね。おたんじょうび言語(笑)
新:おたんじょうび言語(笑)ハッピーバースデーと書くとケーキが出てくるみたいな。
――ううーむ。おもしろいですね。じゃ、やっぱり、.asの五回目くらいで再出演をお願いします(笑)
新:はい(笑)
お話を伺っていて、当日の緊張感が改めて思い出されてきました。作品swf/ソースコードをいただき、公開していますので是非ご覧ください。
そして、当日の様子がニコニコ動画にアップされています。
- gihyo.jpの高橋さんの記事
- http://gihyo.jp/news/report/2009/04/0201
- 新藤さんのライブコーディング
- http://www.nicovideo.jp/watch/sm6523731
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6523949
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6524352
まだご覧になっていない方はあわせてどうぞ。
次回のDeskTopLive.asイベントレポートは一週間後を予定しています。お楽しみに!
(この取材は3月26日に行われました)