ET2008(組込み総合技術展)Photoレポート

ET2008(組込み総合技術展)Photoレポート(2日目)

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

NECグループ/NECエレクトロニクス

NECグループおよびNECエレクトロニクスでは,低消費電力All Flashマイコンの最新ラインアップや新統合開発環境「CubeSuite(キューブスイート⁠⁠」など多彩なソリューションが紹介されていました。なかでも個人的におもしろいなと思ったのは,エリアを限定した「ワンセグ送信ソリューション」です。これはNECソフト,NECエレクトロニクス,シマフジ電機などが共同で開発したOFDM変調モジュールで実現したもの。⁠世の中にワンセグ受信機がたくさん出てくる時代になったのだから,ワンセグ送信機があってもいいじゃないかと思って開発した」とNECエレクトロニクスの根木勝彦さんは語りました。

写真4 エリアを限定したワンセグ送信ソリューション

写真4 エリアを限定したワンセグ送信ソリューション

会場には微弱な電波を発する小さなパネルが何枚か用意されており,動物園の入口という設定で,入園券を購入したり,園内の動物園情報やスタンプラリーの案内を携帯電話で受信したりするデモや,警備員さん向けに警備のチェックポイント通過管理をするデモが行われていました。あるいは企業内に設置して,その前を通過すると携帯電話で業務連絡のための電子メールを受け取るといったことも可能なようです。特定エリア向けの情報発信ポータルという発想がユニークでした。

QNXソフトウエアシステムズ

QNXソフトウエアシステムズは,今月の3日に発表した最新版のバージョン6.4.0の展示のほかに,QNXミドルウェアのデモを通してリアルタイム性と信頼性を両立さえるQNXの技術を紹介していました。QNXデジタル計器クラスタのデモでは,スピードメーターやタコメーターなどの情報をナビゲーションディスプレイやバック用カメラ,車線逸脱警告,携帯電話などのデジタルコンテンツと統合する技術です。なお,同社では最終日(21日)にオープンプレゼンテーションとして,15時から「QNXコア技術:複雑なシステムをベースから支えるマイクロカーネル⁠⁠,16時から「自動車向けQNX OSおよびミドルウエアの概要」が予定されています。

写真5 QNXデジタル計器クラスタのデモ(右)

写真5 QNXデジタル計器クラスタのデモ(右)

富士通ソフトウェアテクノロジーズ

組込みLinuxや組込み開発支援ソリューションで定評のある富士通ソフトウェアテクノロジーズですが,今回目をひいたのは,既存の商用アプリケーションを,Androidの利用により拡張可能というソリューションです。具体的にはAndroid応用例として紹介されていたのですが,すでにLinux上で稼働している1枚の静止画から動画像を生成するというモーションポートレートのMotion Portraitを,通常ならLinuxとAndroidの間で発生してしまう入力処理や描画処理の競合を,調停しながらスムーズに動かすというデモが披露されていました。

写真6 車載向けAndroidのデモ

写真6 車載向けAndroidのデモ

富士通ソフトウェアテクノロジーズの山本英雄さんからは,⁠われわれはAndroidを競合としてみるのではなく可能性を広げる選択肢として考えています。既存のアプリケーションにAndroidのメニューやネットワーク機能だけ使いたいというようなときに便利にお使いいただけます」というコメントが得られました。

横河ディジタルコンピュータ

横河ディジタルコンピュータは,今回の展示会のタイミングで3件のプレスリリースを発表しました。その中の1つとして披露されていたのが,LCD 一体型組込み機器向けプラットフォーム「Armadillo―500 FX液晶モデル」をベースにしたWindows Embedded CE 6.0デベロッパーズキット「WA5501FX-D00Z-60」です。これは「Armadillo―500 FX 液晶モデル 開発セット」「専用BSP(Board Support Package⁠⁠」と「Windows Embedded CE 6.0評価版」「ユーザサポート」がすべてセットになった製品およびサービス。オプションでアットマークテクノ製の無線LANカードも提供されます。今回の会場でも,Armadilloは至るところで見られる人気端末。⁠WA5501FX-D00Z-60」を利用することにより,この端末を活用した組込み製品や試作機の開発を迅速かつ容易に行えるようになります』と,横河ディジタルコンピュータの北村晃さんは説明してくれました。実際,タッチスクリーンで画面を切り替えたり,地図を動かしたりするデモも紹介。iPhoneライクな画面操作はもはや組込み機器でも主流になっていくのかもしれません。

写真7 ⁠Armadillo―500 FX液晶モデル」をベースにしたWindows Embedded CE 6.0デベロッパーズキット

写真7 「Armadillo―500 FX液晶モデル」をベースにしたWindows Embedded CE 6.0デベロッパーズキット

著者プロフィール

吉田育代(よしだいくよ)

1962年,大阪市出身。関西大学社会学部卒。阪急百貨店宣伝部,広告制作プロダクションを経て,IT分野をカバーするライターに転身。企業情報システムを主な守備範囲として,幅広く執筆活動を行う。着物を日常着としていることでも知られている。

バックナンバー

ET2008(組込み総合技術展)Photoレポート