"品質は楽しむことから生まれる"と、ジョシュア氏は語る。「社風を楽しくポジティブにし、探索・実験・探求をしやすい環境にしなければ、いいものはつくれない。楽しむことができれば、気持ちを入れて仕事ができる。自分の誇りを、その仕事に反映できるからだ」とし、チーム事に積極的に実験的なプロジェクトをするように奨めているという。これによって、プロジェクト間に空いた時間を有効に使い、常に学習することで革新的なテクノロジーを自分のものにする。前例を作ることで、リスクを把握・解消した上でクライアントに紹介できるようになるそうだ。この実験的なプロジェクトのひとつとして、"Visual Table Soccer"が紹介された。テーブルサッカーにセンサーを取り付け、ゴールが入るたびにスクリーンのFlashアニメーションが変わる、というものだ。次に紹介されたのがPretty Loadedだ。これは日本でも話題になったサイトで、ローディング画面をまとめたもの。普段は煩わしいローディングだが、思わずずっと見てしまう。また、ネットと物理的な動きと連動した実験としてhope vs Despairを紹介。Twitterを30秒ごとに集計して、"hope vs Despair"に分類。いまのTwitterの顔を、現実の世界で表現した。また、ゲームの実験として"Perfect Monkey Tankpants"を紹介。氏曰く、"宇宙からやってきた戦車のパンツをはいているモンキーがカナダに墜落してしまい、死んでしまう。同乗していたロバの彼女(ドンキー)が、彼の着ていた戦車のパンツをはいて、ニューヨークにやってくる。そこで意気消沈のまま全ての人類を抹殺する"というストーリー。これには会場大受けとなり、笑いに包まれた。会場ではゲームの設定・制作過程が紹介され、実際にデモプレイが披露された。
ジョシュア氏は"デザイナーとデベロッパーのコラボレーション"のよい実例と述べた。最後に、映画監督ティムバートン氏のワークサイトとして制作したMoMA | Tim Burtonを紹介した。こちらも紙で制作した階段による、アナログ表現と奇抜な世界観そして高度なデジタル技術が融合した素晴らしいもので、思わず引き込まれそうになるサイトだ。紙で制作した階段をいかにティムバートン氏の世界観とマッチさせるために、照明や構図を何度も実験したという。