PyCon JP 2019 カンファレンスレポート

2日目:農業もライブも! ますます広がるPythonの可能性

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ライトニングトーク

1日目と同様に,2日目のクロージングでも7枠の発表がありましたが,その中から2つのライトニングトークを紹介します。

「Python製シェルXonshの紹介」―Shunsuke Kawai

(nikkie)

日本人で一番Xonsh(コンシュ)にコントリビュートしていると自負するKawai氏によるXonshの紹介ライトニングトークです。

Xonshとは,Pythonとシェルスクリプトを扱えるシェル環境です。pip install xonshで導入できます。

書き慣れたPythonの構文やモジュールを使ってシェルを扱えるため,敷居が低いシェルという紹介でした。

Pythonの構文でシェルのコマンドを作れる例として,

  • pickleで保存したpandasのDataFrameを整形してシェル上に表示する
  • matplotlibで描画したグラフをシェル上に表示する

が紹介されました。

コマンドとしてまとめられるのはipythonより便利かもと感じました。Xonsh試してみたいです。

Xonshのコマンド例について話すKawai氏

Xonshのコマンド例について話すKawai氏

「PyConJP2018で勇気をもらってPythonエンジニアになった話」― Mizuki Sato

(横山直敬)

2日目の当日LT,Mizuki Sato氏による「PyConJP2018で勇気をもらってPythonエンジニアになった話」を紹介します。

現在,Mizuki氏はDjangoやVue.jsを使ってWeb開発をするPythonエンジニアとして働いています。去年のPyCon JP 2018の時点では,HR系システムのヘルプデスクで働いていました。手を動かしてものづくりをしたいと思って入社したMizuki氏は,少しSQLを書いたりトラブルシューティングのためにJavaやCOBOLのソースコードを読むくらいしか技術的なことができない環境に悩みながらもプログラミングの独学を続けていました。

独学していてもどこか自信が持てなかったMizuki氏は,初めて参加したPyCon JPで似たような境遇にあった@__yumechi氏のLT「PyCon JPで転職してみた人のホンネ」を聴いて「自分にでもできるかも」と思えるようになりました。そこから,Pythonエンジニアになるという目標を立て,⁠DjangoでWebアプリケーションを作って公開する」⁠ブログに学習記録を書く」という2つのことに挑戦し始めました。そして,その結果としてPythonエンジニアになることができ,さらに今ではDjango Girlsでプログラミング初学者にプログラミングを教える活動も行っています。

最後にMizuki氏は,2018年の自分のような境遇にいる人に対して,自分の経験を見て「できるかも」と感じてほしいというメッセージを伝えて発表を終えました。

「今年はPythonエンジニアとしてここに立っています!」という言葉に胸を熱くした参加者の方は多いのではないでしょうか。私もその一人で,PyCon JPはカンファレンスを通じて知識や技術を共有する場所というだけでなく,Mizuki氏や@__yumechi氏のように自分のキャリアを大きく変えるチャンスがある場所でもあることを強く認識することができました。

Mizuki Sato氏

Mizuki Sato氏氏

ライトニングトーク一覧

今回ご紹介しきれなかったものも含め,ライトニングトークの一覧はこちらです。また,PyCon JPの公式アカウントにライトニングトークの動画がアップロードされています。

  • Python製シェルXonshの紹介:Shunsuke Kawai
  • pythonで,処理をより効率化するためのTips集:長谷川大耀
  • Python in the Belle II experiment:Huang Kunxian
  • 1000人のっても大丈夫!!なWi-Fiを建てるお仕事:PyCon 2019 NOC Team
  • PyConJP2018で勇気をもらってPythonエンジニアになった話:Mizuki Sato
  • PyCon JP スタッフをして思うこと:nikkie
  • ZAPPA悲哀物語:IOSIF TAKAKURA

クロージング

スライド:PYCON JP 2019 COMMITTEE report

参加者報告

座長の吉田氏から今年の来場者数の発表がありました。9/14のスプリントには103名,9/15のチュートリアルには106名,9/16, 17のカンファレンスには951名が参加し,トータルで1,160名の参加者となり,今年も1,000人を超える大きなイベントとなりました。

参加者アンケート結果

PyCon JP 2019終了時に参加者の方に回答頂いたアンケートでは,ベストトークに池田大志さんの「Pythonによる日本語自然言語処理 〜系列ラベリングによる実世界テキスト分析〜」が選ばれました(詳しくはアンケート結果発表Blogに掲載⁠⁠。

一般社団法人PyCon JPおよび米Pythonソフトウエア財団からの報告

1つ目に一般社団法人PyCon JPから商標権の報告がありました。⁠Python」を商標登録している会社に対し,米Pythonソフトウエア財団(PSF)と一緒に行動するとのことでした。

2つ目に一般社団法人PyCon JPは,2019年は4つのPythonカンファレンスを支援し,10回のPython Boot Campを開催・計画したという報告がありました。また新しい試みとしてOSCにPyCamp Caravanとして参加することや,PyLadies Caravan,Python Boot Campの参加者にPyCon JPへの遠方参加支援を始めたとのことです。PyCon JP 2019でも金銭的なサポートや運営の相談に乗ってもらっており,一般社団法人PyCon JPはコミュニティを支える,なくてはならない存在となっています。

セッションの裏側ではコミュニティのミートアップも行われ,盛況だったとのことです。東京のPyCon JPだけではなく,ぜひタイミングがありましたら地方のPyConにも参加してみてください。

来年のPyCon JP開催予定

2020年度のPyCon JPの日程が8/28(金⁠⁠,8/29(土)と発表されました。場所は2019年と一緒の大田区産業プラザPioです。座長はまだ未定です。クロージングでは3年間座長を務めた吉田さんへ花束が贈呈されました。

来年のPyCon JPも楽しみですね。

追記:2020の座長が決定しました!PyCon JP ブログ

著者プロフィール

牛窪翔(うしくぼしょう)

事務局チームでメディアスポンサーを主に担当。PyCon JPにはPyCon JP 2019で初めてスタッフとして参加。Pythonに関しては,大学院にて機械学習,社会人にてDjangoでのシステム開発経験があり,プログラミング言語の中で一番好き。

前職はAndroidアプリエンジニア,現在は株式会社サポーターズにてエンジニア専門の中途エージェントとして転職支援やキャリア相談をしている。また,自社勉強会プラットフォームのサポーターズCoLabでマネージャーとして勉強会やハッカソンの企画・運営・自身の登壇を行っている。

ポートフォリオ:Ussy's portfolio
Twitter:@shoushi12


横山直敬(よこやまなおたか)

コンテンツチームでレビューとポスターセッション(コミュニティ)及びオープニング・クロージングとLTの司会進行を担当。PyCon JP 2017から3年間スタッフとして参加している。

また,毎月開催されている「みんなのPython勉強会」に企画スタッフとして関わり,登壇者の推薦や企画の主催を行っている。

普段は株式会社ビープラウドでPythonエンジニアとして受託開発のプロジェクトに参加する他,オンラインPython学習プラットフォームPyQの問題作成にも携わっている。

Twitter:@NaoY_py


平尾元紀(ひらおもとき)

コンテンツチームでトーク周りのレビューや連絡を担当。PyCon JPにはPyCon JP 2016に初めて一般参加し,2019年は初めてスタッフとして参加。2018年はLT,2019年はポスターで発表と,スタッフとして活動する傍ら発表者としても活動しています。

現在は株式会社いい生活でPythonエンジニアとして日々WebAPIの開発に携わる一方で,外部へのアウトプットを増やすべく技術広報としての活動もしています。ちなみにPyCon JP経由でPythonを書く仕事に転職できたという経歴を持っているため,人々が繋がる場所としてPyCon JPが発展していくよう活動しています。

Twitter:@__yumechi


nikkie(にっきー)

コンテンツチームでトークのレビューやビギナーセッションの企画,会場チームで託児室の準備・運営と,初スタッフながら精力的に活動。株式会社ユーザベース所属のデータサイエンティスト。自然言語処理の研究開発に従事している。

プライベートでは,締め切り駆動で積極的に勉強会で登壇している。また,新橋で毎月開かれる「みんなのPython勉強会」のスタッフをしたり,Django Girls Tutorialの翻訳に参加したりWorkshopでコーチとして教えたりして,Pythonコミュニティへの感謝を表している。

Twitter:@ftnext

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