shibuya meets techレポート

#0エンジニアとクリエイターのワークスタイルをイノベーションする「渋谷Lab」

粟生万琴氏
粟生万琴氏

IT分野における人材サービス・アウトソーシング事業を行うパソナテックが6月1日、渋谷のコワーキングスペースLightningspot内に「渋谷Lab(ラボ⁠⁠」をオープンしました。シェアオフィス感覚が特徴の「渋谷Lab」は、Web制作やスマホアプリ開発、ソーシャルマーケティング事業を展開していくといいます。そこで「渋谷Lab」オープン当日、責任者であるパソナテックの執行役員、粟生万琴氏に設立の理由から今後の展開までをうかがいました。

スマートフォン・ソーシャル事業の集う街、渋谷にフラッグシップ拠点を

─⁠─「渋谷Lab」設立の目的と、渋谷を選んだ理由を教えてください。

粟生氏: ⁠渋谷Lab」は、スマートフォンやソーシャル事業を展開していく新しい拠点です。実は2010年に社内ベンチャー事業として岐阜県に「Social Solution Company」という拠点を立ち上げました。ここでは岐阜県から様々な雇用創出事業を受託し、人材の育成・輩出を中心に行っています。受託事業がスマートフォン・ソーシャル系スキルを保持した人材の育成というものも多く、卒業生の一部で組織した開発ラボを抱え、いち早くスマートフォンやソーシャル関連の事業を手がけてきました。今期いよいよ本格的に事業化するために、⁠渋谷Lab」を開設に至ったのです。

PCからスマートデバイスの時代に変わりつつあり、インターネットコンテンツがよりソーシャル性を帯びてくるという「次の潮目」にある今、この転換期にパソナテックが本事業のフラッグシップとなる拠点を置くなら渋谷しかないと思いました。渋谷はコワーキングで盛り上がっている街ですし、ヒカリエがオープンするなど再開発でよりいっそう人が集う場所になっていきます。また、スマートフォン、ソーシャル事業を手掛ける企業の集積地でもあります。エンジニア、クリエイターが集う新しい街に出てみようという思いもありました。

─⁠─どのようなオフィスなのか、工夫した点などありますか?

粟生氏: 今回の「渋谷Lab」は、ソーシャルネットワークを意識するためにフリーに集っていただける場所をコンセプトとしました。そこで、もともとシェアオフィスを展開されていたコワーキングスペースのLightningspotを見学して、⁠相乗効果を狙って一緒にやらせていただけないか」と相談しました。

最初は最小限のスペースとメンバーも少数精鋭でスモールスタートします。シェアオフィスというスタイルも、パソナテックとして新しい試みです。具体的には6名でのスタートとなり、フロアの1/3を利用させていただいています。インターネット環境はシェアオフィスに併設されているWi-Fiを利用し、什器もシェアさせていただいています。

─⁠─予定されているプロジェクトなどあれば教えてください。

粟生氏: まず、グループ会社であり、福利厚生のアウトソーシング業界最大手であるベネフィット・ワンとの共同開発で、アプリを一緒に作成します。また、音大生や芸大生の学生を集めてスマートフォンの勉強会を開催します。こういった学生は就職率が低いので、プロデュースしたいと考えています。

さらに、東大の「情報学環教育部」という研究生制度の学生に対し、毎週金曜日にスマートフォンアプリの授業を実施します。東大は今度、千葉県柏市に新キャンパスを開設するとのことですので、柏市の地域活性になるような観光振興アプリを作って、柏市に提供する計画です。

─⁠─現在、IT業界で求められている人材の傾向はいかがでしょう?

粟生氏: ひとつは圧倒的に、⁠スマートフォンアプリ開発ができる人材」ですね。特に、iPhoneだけでなくAndroidやWindows Phoneのアプリ開発もできる人材です。クライアントサイドの開発者だけでなくサーバサイドの開発者は常に求められており、LAMP系エンジニアの求人は多いですね。

昔と違って、スマートフォンでもWebでも、プログラムだけでなくクリエイティブが求められています。開発のほか企画、UI、UX、運用までこなせるようなデザイナーの仕事が増えており、求人も多くなっています。

それから、音楽や映像のクリエイターがIT業界に乗り入れてきている印象があります。個人的には動画に注目していますが、こういった人材も今後は需要が増えるかも知れません。

「渋谷Lab」のスタートアップメンバーは、半分がエンジニア、もう半分がディレクターと営業、デザイナーもプログラマも揃っています。これにより、企画から開発、運用までフルラインでお客様と共同開発できるスタイルが特徴となっています。

─⁠─「渋谷Lab」をどのような「場」にしていきたいですか?

粟生氏: わたしは「人と違うことをしろ」と言われて育ってきました。学校も個性を活かすカルチャーがあったんです。そのため、普通のシステム会社に就職してカルチャーショックを受けました。毎日同じスーツを着て、同じ時間に出社、退社するといったことがショックだったんです。その頃から、技術を面白くして世の中を変えたい。豊かにし続けていきたいと思っていました。もちろん、責任と自由の境界線はありますが、エンジニアやクリエイターなどは専門職だからこそ、さまざまなワークスタイルをイノベーションしていきたいと考えています。それもラボ設立の意義のひとつです。育成や研究、トライしていくという風土を保っていきたいですね。

「渋谷Lab」は秋をめどにスペースを拡張する予定です。シェアオフィス感覚は残して、新しい働き方を提案していきます。エンジニアやクリエイターが自由に集う場所、そして仕事を作れる場所にしていきたいと思っています。また、IT業界から女性が去らないように、女性のエンジニアやプロジェクトマネージャも育成していきたいですね。

─⁠─ありがとうございました。

取材の後、⁠渋谷Lab」のオープニングイベントが華々しく始まり、詰めかけた人たちの明るい話し声、笑い声に包まれていました。

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