日本の商習慣にマッチするECサイト構築システムを題材にした、株式会社ロックオンの梶原直樹氏による「EC-CUBE+Windowsプラットフォームで加速するECの変革」のセッションの模様をお伝えします。
Windowsと重なっていくことで、「おもてなし」できるECサイトの実現へ
2001年に設立された株式会社ロックオンは大阪に本社、東京およびシリコンバレーに支社を持つ社員50名のITベンチャー。広告効果測定システム「AD EBiS」やリスティング自動入札ツール「AD EBiS AutoBid」、マーケティング活動におけるデータ分析を行う「マーケティングメトリックス研究所」といった製品やサービスを提供しています。
「EC-CUBE」は、「こだわりのECサイトを、自分の手で。」を合い言葉に開発、提供されている日本発のオープンソースECサイト構築システム。「EC-CUBE」で構築されたECサイトは推定1万2,000店舗と、ECオープンソースとして国内No.1の実績があり、日本の商習慣に合ったUIを採用していることが特徴です。
またパートナー制度により、EC制作会社であるインテグレートパートナー約100社、レンタルサーバ会社であるホスティングパートナー7社、EC関連サービス会社であるアライアンスパートナー14社と、サードパーティ・ビジネス環境が充実しているほか、公式サービスも幅広く提供しています。開発コミュニティの参加者は5千名以上と非常に活発であるといいます。
「EC-CUBE」の最新バージョンは「2.11.0」3月23日にリリースする予定。現在のバージョンが「2.4.4」であることからもわかるように、大幅なバージョンアップを行います。新バージョンでは、データベースの構造を見直すことによって大幅な高速化を実現し、デザインも一新しています。さらに新機能としてスマートフォンへの標準対応、ダウンロード商品の販売機能、複数配送先指定機能、管理画面のXHTML化など、約150の機能修正や機能追加を行ったといいます。なお、「2.11.0」というバージョンは2011年にかけているそうです。
続いて梶原氏は、EC-CUBEが目指す世界は「個々のECサイトがオリジナルの『おもてなし』を提供できる」ことであり、そのためにオープンソースとしてカスタマイズを可能にしていると述べました。ECサイトの現状は、見た目が同じサイトが増加していることで、結局は価格競争が激化していると指摘し、それはここ4年間くらい変わっていないといいます。価格競争の波に呑まれずに「買い物をして楽しく、また来たくなるECサイト」が増加するよう、「EC-CUBE」の普及に精力を注いでいるのです。
そして、Windows Serverといった基幹サーバと連携することは、個人情報を扱うECサイトにおいて非常に重要。また「Web Platform Installer」や「WebMatrix」により、これまで高い障壁であった導入を大幅に容易になります。Windowsと重なっていくことでECの変革も進んでいき、「EC-CUBE」も広がっていくことが期待できます。「EC-CUBE」の広がりはECサイトやオープンソースの広がりにもなるので、今後もマイクロソフトと一緒にECを変えていきたいとして、セッションを締めくくりました。