第4回 戦略的Webマーケティングセミナーレポート

セッション3「Webサイト総合監査ツール「Policy Tester」導入したコンバージョンの向上」

リンク切れから始まる信頼性の崩壊

Webサイトに多く見られる「リンク切れ」ですが、これらを放置しておくと企業としては大変な損失を被るといわれています。ユーザに不安を与えることにより、PVがあってもCVに繋がらないケースや、広告を出しているにも関わらず、他社サイトで購入される結果となり、会社にとって多重の損益を与えるケースもあるのです。⁠今回のセミナーではCV向上がテーマとなっていますが、CVの外側にも着目して欲しいと思います」と語りかけたのは、バーチャルコミュニケーションズ株式会社インターネットテクノロジー部、サービスグループマネージャー、上濱直樹氏です。

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CVを俯瞰的に眺めた場合、気をつけなければならないのが、ユーザが離脱した理由です。次の商機に「繋がる離脱」「続かない離脱」があり、商材比較や時間が無いからという理由での離脱は次に繋がると見なして良いのですが「検索ワードで見つからない」⁠サイト内で迷った」⁠セキュリティーが不安⁠⁠、そして「リンク切れ」などの理由で離脱があった場合は「次に繋がらないので、非常に危険です」と上濱氏は警鐘を鳴らします。しかし、日本のサイトを調査してみると、主要ページにリンク切れが存在する企業数は、上場企業のトップ企業の300社中244件という驚異的な数に上っているのです。その理由について「数万ページにもなっている現代のサイト群を一個一個、目視確認していくことは、事実上不可能であり、フリーウェアなどでチェックしても、全てを網羅することは不可能」との実情を説明しました。

そこで提案されたのが、同社のWebサイト総合監査ツール「Policy Tester」です。⁠リンク切れはもちろん、コンテンツの欠陥や、検索とナビゲーション、ページ効率などのWebクオリティ・Webプライバシー・ウェブアクセシビリティの各調査を実施することが出来ます。システム上にのみ残存している不必要なタグなどもチェック出来るので、オールマイティーなミス改善に繋がります」と導入後のメリットを訴えました。

現在、広告やメルマガ、テスティングやターゲティングなどさまざまなCV向上の手法が市場に出回っていますが「そのほとんどが『攻め』に重きを置き過ぎているように感じます。信用を担保して売上げを伸ばすための『守り』のスタンスも大切ではないでしょうか。販路拡大など『攻め』の部分だけでなく、リンク切れチェックなどのリスクヘッジ部分を『守り』と捉え、バランス良く運営していくことが肝要」と上濱氏は指摘していました。

同社のシステムは大手・中小を問わずに導入出来ることが特徴の一つですが、今回のセッションではみずほファイナンシャルグループが挙げられ「当初はユーザビリティやアクシビリティ不在のデザイン偏重型サイトでしたが、まず、ガイドラインを導入し、品質を保持し向上することに成功。クオリティフローも実施し、リンク切れなどに即応体制をとりました」との事例を語りました。また、導入後に一度問題を修正すると、週一回の回覧体制で対応できることから「運用担当者の負荷軽減にも繋がり、業務推進の効率が上がる」こともメリットになると強調し「webサイトの『守り』を固めることは、企業ブランドを守ることにもなる」と締めくくりました。

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