第4回 戦略的Webマーケティングセミナーレポート

トークセッション~事例から読み解く~顧客基点のWebマーケティングとは?」

トークセッションにはパネラーとして、大前創希氏(株式会社クリエイティブホープ⁠⁠、三間淳吉氏WWFジャパン⁠、塚崎秀雄氏WillVii株式会社⁠、福田博一氏(株式会社ロックオン)を迎え、白熱したディスカッションが行われました。モデレータはWeb Site Expert編集長の馮富久が務めました。

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当事者とパートナー企業が課題共有を

大前創希氏
大前創希氏

本セミナーの締めくくりとなるこのパートでは、講演に立った大前氏、福田氏に共に新たに三間氏と塚崎氏が加わり、2氏の自己紹介が最初に行われました。三間氏は環境保全団体のWWFの広報担当としてWeb編集や制作などの運営を行い、昨年10月に行われたサイトリニューアルを株式会社クリエイティブホープの大前氏らと共に担当した経験から、CV向上などについての実体験を語りました。塚崎氏はカルフォルニア大学卒業後にA.T. カーニー、ソニーを経て、大手家電やPC、カメラ、ゲームメーカーなどの新商品プロモーションを主な業務とするWillVii株式会社を起業しました。ヤラセ・ステルスの無いプロモーションをモットーとして、業界の注目を集めている企業です。

三間淳吉氏
三間淳吉氏

冒頭で馮が「具体的なCV向上について、お話を伺いたい」と問いかけたところ、三間氏が「WWFのサイトはリニューアル前、こちら側の情報の押し付けになっていたように思うが、専門家に入ってもらったことで、課題を共有しながら正しい答えを共に考えることができました。パートナー企業があることは心強いと思う」と当事者としての経験を応えました。大前氏は「WWF の場合、コンテンツが多く、数年前に作ったものと最近作ったものの連鎖を手作業で進めていた。それでは膨大な量を捌き切れないと感じ、システムに切り替えていきました」とマンパワーを、システムで補うことの必要性に言及し「サイト内だけ見ると『寄付を募っているのがわかりづらい』⁠動物保護のみに特化されて認知されている』といったような課題があった。これを、コンテンツの充実と共にユーザビリティーにこだわって大胆に変革」と述懐しました。更に「山場だったのは、グルーピング作業。例えば『マグロ』をサイト内検索すると、関連記事が出てくるようにしたことが、今回大変でした」と振り返りました。三間氏は「リニューアル後、CVは200%を増える月もあります。サイト以外で広報も行っているので、リニューアルのみで純増したと判断するのは早計ではあるが、確かな手ごたえは感じている」と語ります。

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福田博一氏
福田博一氏

福田氏は豊富な運用コンサルの経験から「WWFさんのケースはECサイトにも当てはまります。クライアントと制作側が共通認識を持ちながら、作業を進めていくことが必要なシーンは多い」と強調しました。

塚崎秀雄氏
塚崎秀雄氏

塚崎氏は「現在の企業HPはマスユーザ向けに作られていることが多い。ソーシャルメディアの伝播力大幅上昇という状況を踏まえて、情報発信層への対応が不可欠となる。この部分の乖離を埋めなければならない」と語ると共に、実行する上では、PDCAサイクルの中で、⁠評価することを評価するシステムづくりが急務だ」と訴えました。

馮富久
馮富久

最後にモデレータの馮は、来場者から質問を受けました。その中で「CVを伸ばすことが出来たとして、ユーザが退会するなど『ネガティブなCV』もあると思うが、どのような対応が求められるか?」との質問が上がりました。大前氏は「購入後のお客様、入会後のお客様にアプローチをするために、ワントゥーワンのページを作成するなどの必要性がある。⁠辞める』ということのリスクを取り除いていくことが必要で、中長期にわたってお客様との関係を築いていくことが必要ですね」と答え、盛況の内にセミナーは幕を閉じました。

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