「使う人にやさしいMovable Typeを考える~作り手が、使い手のためにすべきこと」開催

2009年3月26日、株式会社技術評論社主催、シックス・アパート株式会社/エフシーゼロ協賛のイベント「使う人にやさしいMovable Typeを考える~作り手が、使い手のためにすべきこと」が、パソナテック渋谷オフィスミーティングルームにて開催されました。

トークセッションの目的

写真1 約20名というこぢんまりとした中、イベントが催されました。
写真1 約20名というこぢんまりとした中、イベントが催されました。

今回のトークセッションは、これから始めるMovable Typeの本と連動したトークセッションで、この書籍を発行するに至った経緯や思いなどから、作り手(Web制作者)から使い手(お客様)に向けたメッセージを発信することを目的としたものです。スピーカーは、書籍執筆者のエフシーゼロやまもと・ふじかわ両氏が、モデレーターは監修のシックス・アパート上ノ郷谷太一氏が務めました。

お客様の実状→書籍化まで

写真2 左からモデレーターの上ノ郷谷氏、スピーカーのやまもといずみ氏、ふじかわまゆこ氏。
写真2 左からモデレーターの上ノ郷谷氏、スピーカーのやまもといずみ氏、ふじかわまゆこ氏。

3名の自己紹介のあと、書籍化に至った経緯について、エフシーゼロのお二人から、お客様の実状をふまえながらお話しいただきました。

まず、書籍誕生について上ノ郷谷氏は以下のように述べました。

「おかげさまで、Movable Typeに関する書籍はこれまでさまざまな内容・構成のものが発行されました。たとえば、実際に制作するときのノウハウだったり、リファレンスだったりさまざまなものがあります。しかし、今回の書籍のような内容は、これまでまったくありませんでした。この本が出たとき、まずそれを一番に感じました」⁠上ノ郷谷氏)

このような前段に引き続き、やまもと氏、ふじかわ氏が、それぞれがWeb制作時に体験したこと、経験などをふまえて、書籍を書くに至った経緯を語りました。

「これまで私たちが経験してきたWeb制作案件の中で、クライアント(お客様)の属性が中小企業や個人商店という方がたくさんおられました。そういったお客様の多くは、実際のところ予算が大きくなく、なるべくコストを抑えたいという方が多かったという背景があります」⁠ふじかわ氏)

「そういった方の多くは、パソコンやインターネットに慣れ親しんでいるわけではなく、当然ながら、スキルやリテラシーが必ずしも高いとは限りません。一方で、自分たちでホームページを更新したいという気持ちを強く持っているという特徴がありました。

そういう方たちと接する中で、⁠じゃあどうしよう⁠と考えたとき、HTMLのコーディングなど具体的な手順を教えるのは難しかったり、また、できあがったサイトの操作についてレクチャーをしたとしても繰り返し質問が来ることが多くありました。そこでよく耳にしたのが⁠何か良い本はないの?⁠という声でした。

そうであれば、自分たちでお客様自身が手元に置いておける本を作るのがいいのではないかと思ったのが、この本を書こうと思ったきっかけです」⁠やまもと氏)

そして、やまもと氏が以前執筆した書籍を担当した技術評論社の編集者に話を持っていたところ、話が進展し、発行するに至りました。

「今回の書籍は、⁠Movable Typeを)わかっている人が、わかっていない人に説明するときに使って欲しい本として作りました。これは私たち自身が考えていることにもつながっていて、ぜひとも初心者の方だけではなく、すでにMovable Typeを触ったり、採用している人にも読んでもらえると嬉しいです。

もちろん、企業の研修用だったり、これからWeb制作者を目指す新人といった方にも読んでもらえることを期待しています」⁠ふじかわ氏)

これまでのMT制作案件で思ったこと

このように、書籍発行に至った経緯について語られた後、今度は上ノ郷谷氏の巧みなモデレーティングのもと、Web制作やWebディレクションという括りの中で、お二人が経験したこと、そこから思ったことについて体験談を語っていただきました。

とくにMovable Typeを使っているからこそ気づいたこと、意識したことなどについて語られ、⁠大事なことはお客様の立場になって考えること」という点を強く強調していたのが印象的でした。

以下、そのときに挙がったテーマのまとめになります。

  • 「タイトルを入力します」では通じない
  • 実は、MovableTypeどころかブログもやったことない
  • クリックする場所
  • 入力して満足する
  • 実はパソコンスキルのある人も
  • 更新ストレスのない設計
  • 私たちの当たり前は、お客さんにとって当たり前じゃない
写真3 Q&Aでは、来場者を巻き込んだスタイルで行われました。
写真3 Q&Aでは、来場者を巻き込んだスタイルで行われました。

今回、来場者の多くがMovable Typeの案件を扱っている制作者が多かったこともあり、後半部分では、たくさんの方が共感したり、また、突っ込んだ質問をするなど、来場者を含めて一体感のある場になりました。

ニコニコ動画:https://www.nicovideo.jp/watch/sm6613763
ニコニコ動画:https://www.nicovideo.jp/watch/sm6613864

懇親会

トークセッションの後は、場所を移して、スピーカー・モデレーターの3名、聴講者、さらに途中から出張先のアメリカから帰国して、その足で駆けつけたシックス・アパート関信浩氏を含めた懇親会が開催されました。

写真4 懇親会開始にあたって、挨拶を述べるシックス・アパート関信浩氏。
写真4 懇親会開始にあたって、挨拶を述べるシックス・アパート関信浩氏。

懇親会では、それぞれがトークセッションで聞いてさらに気になったことを話し合ったり、会場内では書籍の臨時サイン会が始まったりと、参加者同士の積極的な交流が行われました。

写真5 会場内では、自分の書籍を持ってきた方が、執筆者にサインをねだる場面も。
写真5 会場内では、自分の書籍を持ってきた方が、執筆者にサインをねだる場面も。

最後に、シックス・アパートより、ロゴ入りオリジナルパーカーのプレゼント提供が行われ、とても和やかな雰囲気の中、イベントが終了しました。

写真4 シックス・アパート ロゴ入りオリジナルパーカーのプレゼント大会。同社高橋氏とのジャンケンで当選者が決まりました。
写真4 シックス・アパート ロゴ入りオリジナルパーカーのプレゼント大会。同社高橋氏とのジャンケンで当選者が決まりました。
使う人にやさしいMovable Typeを考える~作り手が、使い手のためにすべきこと
http://gihyo.jp/event/2009/mt

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