SafeNetという企業をご存じだろうか? 幅広い情報セキュリティソリューションを提供する1983年設立の企業で、同社の製品は現在では世界100ヵ国以上、2万5,000を超える企業や政府機関で採用されている。顧客である企業や組織にとって重要なIDやトランザクション、通信、データ、ソフトウェアライセンスをITセキュリティの視点から情報ライフサイクル全般にわたって保護している。
国内では2001年に日本法人(現在は日本セーフネット(株) )が設立され、ネットワークやアプリケーションのセキュリティ製品の国内販売、マーケティング、サポートを提供している。
コーポレートバイスプレジデントで日本担当のRuss Hubbard氏は、2004年3月から同社のソフトウェアライセンシング&マネージメントソリューションを含むSRM(Software Rights Management)製品のグローバルセールスチームを率いてきたという。
Russ Hubbard氏
同社のビジネスについてHubbard氏は、次のように説明する。
「弊社は2つのセグメントにフォーカスしています。1つは『Data Protection』です。商用の顧客に対してサービスやソリューションを提供しています。銀行から米国政府まで、重要なデータを暗号化したうえで保管されています。世界で発行されているパスポートを例にすると、その半数に我々の暗号化技術が施されています。
もう1つが『SRM(Software Rights Management) 』です。SRMでは単純にソフトウェアだけを扱っているのではなく、たとえばハードウェアにも組み込まれているデバイスを扱っているメーカでは、ソフトウェアをフィーチャとして扱っています。そのようなところでも弊社の製品が利用されています」 。
また、昨今では周知のとおりクラウドベースのアプリケーションの柔軟性が注目を集めている。それを利用するユーザにとって、SaaSアプリケーションを導入するということは、導入期間の短縮や低予算で始められることによるリスク低減などメリットが大きいのは言うまでもない。
同社が進める「Sentinel Cloud Services」は、ソフトウェアライセンシングおよびエンタイトルメント管理で培われた同社のこれまでの実績をクラウドに適応させたものだ。おもな機能として「高度なサービスカタログ定義」「 サービス契約のプロビジョニングの自動化」などがある。企業は契約の作成や有効化、変更に伴うプロビジョニングとサービス管理を単純化でき、サービス契約のプロビジョニングを自動化することで、精密性の向上と運用コストの削減が可能になり、拡張性の高いライセンスソリューションが提供できるようになるという。
そのほかには、「 サービスカタログと価格設定モデルの再設定でのプログラム修正が不要」や「詳細なサービス利用状況の追跡とレポート作成」「 機能レベルの権限付与」「 SaaSおよびオンプロミスアプリケーションの集中管理」ができる。
日本でのクラウド市場についてHubbard氏は次のように見通す。「 より成熟期に入っていると思います。また、我々のソリューションは世界のクラウド動向に影響を与えられると考えています。つまり、データがきちんと暗号化されることで、ソフトウェアやストレージを購入するというアクションに変化が見られるのです。今後はクラウドのほうがセキュリティや可用性が高いと言える状況になっていくのではないでしょうか」 。
また、現場で開発やシステム管理を行う読者にメッセージをもらった。「 今後はさらにハイレベルな戦略が重要になってくると思います。( 新しい仕組みは)今すぐには必要ないかもしれませんが、( 現在、開発や運用しているシステムが)5年後には違った形になっているということを意識しておくことが大切です」 。
同社が提供する「Sentinel Cloud Services」