New Context Conferenceは、例年デジタルガレージ社主催で2日間開催されているイベントです。しかし今年は震災により開催そのものを止めることも検討されていたと言います。それでも一日だけでもこの状況の中でソーシャルメディアと自分たちが何かを考えるイベントにしたいということで開催となりました。
Iospectra - International Medcomの創業者兼CEOであるダン氏は、35年間は放射能の計測の仕事をしてきており、スリーマイル島やチェルノブイリに関する仕事もしてきた大ベテランです。放射能の状況が日本では住人にパニックを起こすことも懸念され、慎重に行われているのが現状ですが、ダン氏は「火事が起こったときに人をパニックにさせたくはないが、火事があるということをきちんと知らせたい。人に必要とされる正確な情報を伝えたい」と言います。
デジタルガレージの共同創業者である伊藤穣一氏はRDTN.orgのようなサイトは、今だから、可能になったことだと話します。「今までであればお金がかかるから国に頼らざるおえなかったが、今は自分たちですぐに立ち上げてしまうことができる」。また、今回の震災をきっかけに日本でも『Less is More』の精神でお金をかけずに少人数で必要最低限の機能に絞ったサービスが増えていくのではないかとコメントしました。
震災後に、Google Person FinderやRDTN.orgをはじめ、多くのWebサービスが短時間にリリースされています。慶応義塾大学の学生である鶴田浩之氏もその一人で、地震発生の夜にprayforjapan.jpを立ち上げ、世界各国から寄せられる震災への声を即座に紹介してきました。少人数でのスピーディなアジャイル開発の流れは今までにもありましたが、今回の震災をきかっけにこうした動きで日本が変わっていくのとではないかという期待が会場に寄せられていました。