グーグルは10月25日、Android 4.0(開発コード: Ice Cream Sandwitch)を搭載したSumsung製スマートフォン「Galaxy Nexus」が年内にもNTTドコモから発売される旨を発表した。
Galaxy Nexusは19日に香港で発売が発表されたばかりで、Googleのリードデバイスが日本で本格的に展開されるのは今回が初となる。会見を行ったグーグル Androidグローバルパートナーシップ ディレクターのジョン・ラーゲリン氏は「誰もが気持ちよく使えるパワフルな次世代スマートフォン。Google主導のリードデバイスをようやく日本でも展開できることをとても嬉しく思う」と語る。
Galaxy Nexusの特徴をひとことで言えば「細部を磨き上げた切れ味の良いOSとデバイスでホリスティックな出来に仕上がった」とラーゲリン氏。2008年10月にリリースされた最初のAndroidリードデバイス「G1」(日本未発売)を引き合いに出し、「Android端末の原点はすべてここにある。G1からNexus One、Nexus Sと進化し、いまここにGalaxy Nexusを日本でも展開できるようになった。一度使い始めると、ほかのスマートフォンにはなかなか戻れないはず」とその仕上がりに自信を見せる。
会見で語られたAndrodi 4.0およびGalaxy Nexusの主な特徴は以下になる。
- コンセプトは"Simple, beautiful, beyond smart(シンプルに、美しく、よりスマートに)"
- 日本向けローカライズで最も注目してほしいのはフォントの改善。日本人が見ても違和感のない表示
- デバイス上にボタンはなく、すべてソフトキーに
- パワーボタンを2秒押すことでスクリーンショットがキャプチャ可能
- 顔認識による精度の高いロック/アンロック(フェイスロック)
- タッチインターフェースの大幅改善、操作感の向上
- Gmailなど主要アプリケーションがより使いやすく
- バックグラウンドアプリケーションなどのデータ使用量の見える化
- シャッターを切った瞬間に撮影、連写も可能、写真の編集機能も拡充
- 電話がかかってきたときの各種ホールドメッセージ
- サービスごとではなく友人ごとにつながることができる"People app" … その人に紐つくSNSでコンタクト可能
- ローカルごとにエリアメールを実装。日本の場合、地震が発生するとエリアメールが送信される
- プロセッサにはTexas InstrumentsのOMAP 4を搭載
- タブレット専用だったHoney Combとは異なり、ICSは1つのSDKですべてのデバイス(スマートフォン、タブレット、TVサイズのデバイス)に対応
- Nexus Sに世代的/機能的に近いAndrod端末であれば、Android 4.0は動作する。ハードウェアボタンがある機種でも問題ない
また、Googleが買収したMotorolaのデバイスが今後リードデバイスになる可能性が高いのではないかという質問に対し、ラーゲリン氏は「その可能性はむしろ少ない。Motorolaが他のベンダに優先されることは絶対にない。逆にAndroidエコシステムを守るため、Motorolaが採用されない可能性のほうが高いかもしれない」と回答している。
日本でのキャリアとなるNTTドコモとの関係については「Galaxy Nexusに非常に力を入れていくことを宣言されており、とても力強く思っている」と謝意を表明する一方、「Android 4.0/Galaxy Nexusがもっている本来の性質や機能(SIMフリー、テザリングなど)をドコモがオフにして発売することはあるのか」という質問に対しては「技術的には可能だが、ポリシー上、機能を搭載できないということは、できるだけないほうが理想」としており、発売時の利用可能な機能が注目される。なお、"おサイフケータイ"はGalaxy Nexusには搭載されないとのこと。
「Androidは毎日、世界のどこかで日々50万台がアクティベートされている。すでに2億台近いデバイスが新規登録された。Androidが徐々に主流になりつつあるというこれらの指標が、Googleの開発者にとってものすごく大きなモチベーションとなっている」とラーゲリン氏。新たなリードデバイスのGalaxy Nexusでどこまでその裾野を拡げることができるのか、期待がかかる。