JPOUG> SET EVENTS 20120721 開催レポート

2012年7月21日(土)に、Japan Oracle User Group(JPOUG)が青山オラクルセンターにて開催した⁠オラクルという単語を中心とした共通のコンテキストで話せる みんなが交流するイベント⁠JPOUG> SET EVENTS 20120721の模様をお届けします。

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はじめに

JPOUG> SET EVENTS 20120721は「どんなことでもいい、みんなが集まれば、何か新しいことができるんじゃないだろうか」との思いで設立したJPOUGがはじめて主催したイベントです。約180名の方が参加されました。

タイムテーブルをご覧になるとわかるように、3つのセミナールームを使って6つのセミナーと6+1のアンカンファレンスが行われました。その後、2つのセミナールームの壁を取り払い、座席を宴会場形式へ変更後、参加者全員でのパネルディスカッション、そして8つのライトニングトークと懇親会が行われました。

行われたセッションの中から、JPOUGのボードメンバーの関口裕士と諸橋 渉、そして小田圭二の3人が、それぞれ自らの担当セッションをレポートします。

[セミナー](続)いん!イン!Index 大人の事情縛りでSQLチューニング

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Mac De Oracleの中の人、関口です。トップバッターとして「(続)いん!イン!Index 大人の事情縛りでSQLチューニング」というセッションのオーガナイザーを担当させていただきました。

これは、春に行ったOracle OpenWorld Unconference presented by JPOUG中のセッションいん!イン!Index どっぷり Inde Only Access生活wの続編で、先のセッションはIndex Only Accessの基礎編、今回のセッションは応用編という位置づけになります。

とはいえ、"(続)"というタイトルは前回のセッションを聞いてない方々には壁になるのではないか? という不安はありました。そのため、前回のセッションを聞いていない皆さん向けに「Index Only Accessの復習」という前回のセッション内容の主要部分をそのまま再演したのですが、これは効果的だったようです(アンケート結果より⁠⁠。

セッションの冒頭で前回のセッションへ参加した方が何人いるか質問したところ、挙手された方は多くなかったと記憶しています(ほぼ予想通りでした⁠⁠。

さて、今回の内容の要約です。

SQLチューニングを実施する際、プロジェクトがどのようなフェーズかによってチューニング方法への制約(大人の事情)の多さが異なります。そのような状況下であっても、SQLヒントやSPMといった方法以外で予想以上の効果を得られる可能性を秘めたIndex Only Access。ピンチの時には思い出してください。

これはMySQL/DB2でも利用できますし、PostgreSQL9.2ではじめて利用できるようになるというニュースもありましたね。今回のセッションでは触れていませんが、ぜひどなたかお試しになって次回のJPOUGセッションで披露してください ;-)

最後に、満席で、椅子を追加するほど多くの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。壇上から見る皆さんの沢山の笑顔、とても励まされました(人生3回目のセッションにして満員御礼でした。感無量!⁠⁠。

[セミナー]効率良く問題解決するための現場の工夫 ~サポートとうまく連携しよう~

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前島さんと「効率良く問題解決するための現場の工夫 ~サポートとうまく連携しよう~」と題した共同セッションのオーガナイザーを担当した諸橋です。

このセッションでは、システムで生じる問題解決をする上で、ユーザから開発部門までの間にいる いわゆるシステムに直接関わる現場とサポートの人たちが各々で効率的に行動しやすくなる工夫をお話しました。

私自身が長年サポートエンジニアをしていた経験から、こういったお話をしたいなと思うことがしばしばありました。似たような思いを持つ前島さんに出会い、いろいろな方々が集まるこの機会に「立場の異なる二人で一緒にセッションをしたい」とお伝えし、打ち合わせを重ねました。ふたりの資料作りのやり取りの中で当日にカメオ出演したスピーカーが一人(?)加わることになりました。

こんな経緯を経て行ったセッションに とても多くの方が耳を傾けて聴いてくださいました。どうもありがとうございました。

会場のみなさんの笑みあり苦笑ありの率直な反応と記入していただいたアンケートの結果から、お話は「生の情報」として みなさんへ伝わっていたと感じています。セッションとは少し異なる内容への質問がいくつかあったことも、そういう質問が生じる⁠オラクルという単語を中心とした共通のコンテキストで話せる みんなが交流するイベント⁠らしいセッションになったことを うれしく思っています。

パネルディスカッション

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長年、Oracleに関してコンサルティングをしている、そして書籍もいくつか書いている小田 圭二です。

「DBエンジニアのスキルとキャリアパス」と題して、パネルディスカッションのモデレーターを担当させていただきました。

実は、DBエンジニアに求められるスキルの⁠理想と現実⁠というタイトルで、3回に渡ってDBエンジニアのスキルを調査・分析した結果の記事を事前に公開していました。当日は、この内容を最初に説明してウォーミングアップしてから、パネルディスカッションに入りました。

「主役は参加した皆さんだ」という思いがあり、私の発表時間は短く、皆さんにしゃべってもらうことを心がけました。これがよかったと思っています。

DBエンジニアは、必要とされている半面、孤独だったり、スキルアップが難しかったり、派遣の場合にはやっぱり不安定だったり、運用側から開発側に異動しづらかったり、DBスペシャリストとして続けられるか不安だったり、いろいろと悩みを持っているものだと思います。その悩みを共有し、いくつかの成功事例を基に、こういうスキルアップやキャリアアップができるのではないか? と議論することは、これまでなかなか無い場だったと思います。今後も続けたいですね。

詳しくは、ディスカッション内容をまとめた資料を参照していただきたいのですが、その中でも私が「へえー」と思った会場からの意見を載せます。

  • 「トラブルを片付けているうちに、実力が身についた。それが構築や運用設計でも役に立った。」
  • 「情報発信をする。すると、引く手あまたなはず。」
  • 「⁠⁠DBエンジニアとして活躍したら)役員から抜擢された。役員から名前を覚えられた。」
  • 「DBエンジニアはたこ足配線ができる(周辺のスキルを身につけやすい。関係をもちやすい⁠⁠。DBはシステムの中心だ」
  • 「⁠⁠次のキャリアとして)DBとディスク装置が近い関係なので、ストレージの仕事がよい。それとBCP(災害対策⁠⁠。これもストレージが出てくる。これらはDBと関わりがある。」

最後にお伝えしたいのは、先の連載記事の終わりにも書いた「成長していくぞ」という思いが大事だということです。理想を高く掲げ、努力を忘れずにがんばりましょう。私が教えてきたエンジニアを見てきていても、そういう人が最終的には成長しています。また、こういう機会で交流して、お互い良い刺激になればと思います。

最後に

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行われたセミナー、アンカンファレンスそしてライトニングトークの すべてが活況で、みなさんの笑顔にあふれるイベントとなりました。JPOUGは このような鼓動を体感できるイベントを開催していきます。次回もお楽しみに。

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