「HTML5プロフェッショナル認定試験」2014年1月より開始
特定非営利活動法人エルピーアイジャパンは、「HTML5プロフェッショナル認定試験」を2013年12月3日から予約開始した。2014年1月1日(実質は正月明け)から試験を配信する。同団体は少なく見積もって初年度の受験者は1,000名、3年目は1万名を目標としている。
「HTML5プロフェッショナル認定試験」記者発表会
特定非営利活動法人エルピーアイジャパンは2013年12月3日(火)、新試験「HTML5プロフェッショナル認定試験」を2014年1月より開始することを発表した。同日、東京都港区のコンラッド東京で記者発表会が行われた。
登壇者は以下。
- 理事長 成井弦氏
- 理事 鈴木敦夫氏(NECソフト(株))
- 理事 高橋千恵子氏(日本電気(株))
- 理事 橋本尚氏((株)日立製作所)
- 理事 福地正夫氏(富士通(株))
- 理事 中野正彦氏(ミラクル・リナックス(株))
- 理事 丸茂晴晃氏(横河電機(株))
- 理事 池田秀一氏(アイティメーカーズ(株))
「HTML5が作り出す新たな世界」
まず理事長、成井弦氏が「HTML5が作り出す新たな世界」と題して講演を行った。
同氏は、HTML5は大勢の人にIT+クリエイティブの世界で圧倒的な優位性を築ける言語ではないか、同法人の認定制度によってそのような優位性、差別化を築けるクリエイター、IT技術者を養成するのに貢献できるのではないかと語った。
現在はWebデザイナーとWebプログラマー、サーバエンジニアと分かれているが、HTML5が目指すのはこれらを融合することと語った。
また、「Webデザイナー白書2013」(2013年12月)によると、取得したいと考えている資格として、未配信だが同試験が1位であると語った。
「HTML5プロフェッショナル認定試験のご案内」
次に同理事兼試験開発ワーキンググループリーダー、鈴木敦夫氏が同試験の理念と概要に関する講演を行った。
HTML5はオープンな規格、これを活かして開発環境のストレスを軽減し、よりクリエイティビティーなことに注力していけるのではと語った。
人材のニーズとして、indeed.comの求人トレンドによると、HTML5の求人トレンドがここ2年間で急速に増えている。「Webデザイナー白書2013」(2013年12月)によると、Webデザイナーが求めている技術の上位3位まではHTML5の領域であると語った。HMTL5はこれから必須の技術であり、誰がこの技術を持っているかを明確にするものが求められているとした。
開発のプロセスはLPICを踏襲している。オープンコミュニティで、あるときはバーチャルに、あるときはフェイストゥフェイスでいろいろな議論を行って制作した。
同試験のレベル1はおもに、HTML5のマークアップ言語、CSS3などのビジビリティ、レスポンシブWebデザイン、マルチメディア系を問う。開発系の知識はあまり問わない。
レベル1の人材像は、HTML5を使って静的なWebコンテンツを作成できる、ユーザビリティ・ビジビリティの高いWebコンテンツを設計・制作することができる、などとした。
レベル2の人材像は、レベル1の技術に加え、動的に動作して高いユーザビリティを実現するリッチユーザインターフェースアプリケーションを制作できる、などを想定しているとした。
企業にとってHTML5認定資格者がいるメリットとして、確実な人材評価基準を持っている、業界からの信頼、サービスや技術力の差別化・優位性の確立、と語った。
『各理事の挨拶』
各理事が本試験の期待などを語った。
高橋千恵子氏
LPICの試験はこれまではITの知識が必要なエンジニア向けの試験だった。本試験は今までにない方々が受けることができる可能性がある。HTML5はこれまでと層が異なる、Webという観点での資格試験。WebというキーワードでITに関連する資格試験が幅広く普及していくことが重要であると考える。このような資格試験が日本で始まることが喜ばしい。
橋本尚氏
HTML5と言うものがWebの標準プラットフォームとなると考える。マルチデバイス環境、カーオーディオなどでもHTML5が使われるという時代となっている。LinuxやOSS-DBだけでなく、サーバ、ネットワーク、Webデザインなどを統合して理解し、設計・開発できる人材か必要となってくる。LPIではこのような人材育成を援助できれば良いと考えている。
福地正夫氏
HTML5はWebプラットフォームの標準言語仕様としてWebブラウザはもちろん、モバイル機器、ビジネスアプリにも活用されてきている。どんどん活用の幅が広がっていると実感している。同試験をとおしてHTML5の技術者の育成はもちろん、HTML5の普及に貢献し、今後のITビジネスの発展に寄与していきたい。同試験に大変期待している。
中野正彦氏
HTML5は今後普及していくと考えている。HTML5の試験をリリースしたが、HTML5を中立的に明確に計る手段になると考えている。HTML5はLinuxやOSS-DBと違って対象者が増える。中立的なLPI-Japanが資格試験を行うことが意義があると思う。HTML5の普及に貢献したいと考えている。
丸茂晴晃氏
同試験に関してオープンな環境で生まれてくる技術、その技術に入り込もうとしていく方々、同試験はその方々に良い試験と考えている。同試験をうまく利用して自分を売り込もうとすることもできる。日本のIT業界全体に元気と、さらなる発展に貢献できれば良いと活動を進めていく。
池田秀一氏
海外ベンダーはCIOからCMOにターゲットを移している。海外ベンダーが行っていることは、業務系システムだけでなく、フロントのネットサービスというCMOか管理しているところに業務点を移してる。そこで必要なのが、基幹系業務系システムがわかりWebサービスと融合したシステム構築ができる人。HTML5の認定試験が日本発として2014年1月から開始できることに非常に期待している。
- 本試験の情報
- URL:http://www.html5exam.jp/
- 特定非営利活動法人エルピーアイジャパン
- URL:http://www.lpi.or.jp/