はじめに ─Qt Developer Daysとは
ベルリンで開催されたQt Developer Days 2014 Europeに参加してきました。
Qt Developer DaysはQtの開発者やユーザが集まるカンファレンスです。Qtの最新情報に関するセッションやトレーニング、
例年、
今回の会場はBerlin Congress Centreという会議施設で、
トレーニングデー
我々は、
- Intro to QML
- Intro to Testing Qt applications with Squish
- Model/
View programming in Qt - Intro to Multithreaded Programming with Qt
- Intro to Modern OpenGl with Qt
- What’s new in C++11/
C++14 - Developing with Qt for QNX platforms
- Qt for Mobile Platforms
セッションのうち半分はビギナー向け、
私はその中で
このセッションでは、
セッションはもちろん英語で行われますが、
最後に修了書が受講者全員に配布され、
キーノート
10月7日からキーノートを皮切りに本格的なカンファレンスがスタートします。トレーニングデーにも多くの人が参加していましたが、
キーノートの前にKDABのCEOであるKalle Dalheimer氏によるウェルカムスピーチがあり、
続いてキーノートが始まります。メインのキーノートはThe Qt Company の Lars Knoll氏による
最初に、
ダウンロード数について、
本題は、
- Indie Mobileライセンス
主に個人ユーザをターゲットとしたモバイル環境で使用可能なライセンスとして、
Indie Mobileライセンスの紹介がありました。対象となるプラットフォームはWindows RT/ Android/ iOSとなっています。月額サブスクリプションで提供され、 カード決済で購入する形態です。 - 各種プラットフォーム対応状況
現在サポートしているプラットフォームについての紹介がありました。デスクトップのMac OS X 10.
10やWindows 10対応、 モバイル環境のiOS/ Androidでの対応状況について説明がありました。Qt 5. 5以降になるとのことですが、 アプリ内課金にも対応予定とのことです。 - 商用ライセンスで提供される機能
商用ライセンスにおいて利用可能な機能追加や改善点についても紹介されました。Qt Quick 2D Rendererが発表されました。こちらの機能を用いることで、
現状実行にOpenGLが必須となっているQt Quick 2アプリケーションを、 OpenGL無しの環境で実行できるようになります。描画は2Dでレンダリングされるため ソフトウェアレンダリングが可能になりますが、 DirectFb (Linux) やDirect2D (Windows) による2Dのハードウェアアクセラレーションも利用できます。
また、
その他、
Qt 5.4 情報
目前にリリースが迫っているQt 5.
- Bluetooth LE APIのサポート
BlueZ 4/
5を利用したBluetooth LE APIがTechnology Previewとして新たに追加されます。BlueZがLinuxを対象としたライブラリであるため、 対応するプラットフォームはLinuxやAndroidのみとなります。Windows RTやiOSのサポートは今後の予定として考えられているとのことでした。 - すべてのプラットフォームにおけるHigh-DPIサポート
OS XのRetinaディスプレイ対応で培った高精細なディスプレイ環境に対する表示が汎用的に実装され全てのプラットフォーム向けにサポートされます。
- WindowsのGL描画の動的な切り替え
これまでWindowsでは、
使用するOpenGLについてANGLEまたはOpenGL Desktopのどちらを使用するかどうかをconfigure時に決定する必要があり、 不便な状況になっていましたが、 どちらを使用するかを実行時に動的に決定できるようになります。 - Windows Runtimeのサポート
Windows 8.
1, Windows Phone 8. 1以降のプラットフォームが新たに正式にサポートされます。 - Qt WebEngineの正式リリース
今までTechnology Previewで提供されていたQt WebEngineが正式リリースされます。これまで提供されていたQt WebKitの提供も行われますが、
置き換わっていくとのことです。 - Qt WebViewのTechnology Previewリリース
Android/
iOS上で、 軽量なネイティブの部品を使ってWebページを表示するQt WebViewをTechnology Previewで利用できるようになります。 - Qt Canvas3DのTechnology Previewリリース
WebGLをQt Quickで利用するQt Canvas3DがTechnology Previewでリリースされます。Qt Quickのみでウィジェットは非サポートとなっています。
- その他
Wayland向けのQPAプラグインや、
マウントされたストレージの情報を取得するクラスQStorageInfoが追加されています。
今後のリリーススケジュールは以下のようになると発表がありました。
- 2014/
11…Qt 5. 4リリース (※現時点で12月に延期) - 2014/
12…Qt Creator 3. 3リリース - 2015第一四半期…Qt 4.
8.7リリース - 2015/
04…Qt 5. 5 Qt Creator 3. 4リリース
今年から新たに始まったQt Championsの発表も注目を集めました。Qt Championsとは1年間でQtコミュニティに大きな貢献残した人に与えられるタイトルになります。第1回目のチャンピオンに選ばれたのはSamuel Gaist氏です。コミュニティにおける彼の前向きな回答が主な受賞理由です。彼にはTシャツとキャップ、
なお、
議論が深まるカンファレンス
カンファレンス期間中、
私が参加した中から、
TableViewやTabViewを使用し、
デモブース
会場には、
最後に
今年のQt Developer Days 2014 Europeではおよそ650名の参加者があったそうです。年内予定の新バージョン5.
今回のイベントでの各セッションの資料などは、
SRAのQt関連サービスご紹介
- Qtの国内販売代理店として2003年からQtの普及・
促進に貢献 - Qtのライセンス販売だけでなく、
コンサルティングから開発、 サポートサービスまでをトータルに提供 - 多くのQtエンジニアが在籍しており、
Qt開発受託の実績豊富 - 3名のQtコンサルタントにより、
導入のご支援、 パフォーマンスチューニング、 Qt自身のカスタマイズ等のサービスを提供 - Qtの導入を検討する顧客向けに、
Qtプログラミング体験セミナーを隔月で無償で開催 - より実践的なプログラミングスキルを学べる有償トレーニングも毎月開催
- 詳細はSRAのQtサイト参照