書籍『ピタゴラスの定理でわかる相対性理論』の補講
第1回 ガウス・ボンネの定理から底辺×高さ÷2の公式へ
本書
球面三角形の面積を求めるものに,
球面三角形の面積はガウス・
S = (A+B+C-π)r2 ……(1)
によって与えられる。ここでは内角をα,
三角形が小さいときには平面三角形の底辺×高さ÷2になることを証明する道筋を紹介しよう。
まず,
cosA = -cosB・
これはさらに次式になる。
cosA = -cosB・
ここで図1のように∠Aが直角の場合を考えることにしよう。一般の三角形は図(b)のように2つの直角三角形に分解して扱えばよい。つまりここでは,
∠Aが直角のときには(3)式の左辺が0となるので次式がえられる。
cos(B+C) = -2sinB・
(1)式において∠Aを直角(π/2)とすると
S = (B+C-π/2)R2 ……(5)
となるが,
B+C-π/2 ≈ sin(B+C-π/2) = -cos(B+C) ……(6)
さらに
B+C-π/2 ≈ 2sinB・
さらにここではaが1に比べて十分に小さいのでsin(a/
B+C-π/2 ≈ (a2sinB・
よって面積は
S ≈ (a2R2sinB・
となるが,
b =aRsinB
c =aRsinC ……(10)
であるから,
S ≈ bc/
となる。このように,
記事中で紹介した書籍
-
ピタゴラスの定理でわかる相対性理論 ―時空の謎を解く双曲幾何―
ピタゴラスの定理がわかれば,球面幾何学の意味がすっきりし,双曲幾何学が手に取るようにわかります。さらに ピタゴラスの定理見方を変えて再度吟味してみると,球面...
バックナンバー
書籍『ピタゴラスの定理でわかる相対性理論』の補講
- 第16回 宇宙存在の理由と地球環境の保全~本書「ピタゴラスの定理でわかる相対性理論」の意味は何だったか?
- 第15回 ライバル同士の対話
- 第14回 相対論から量子力学への展開と日本の時代
- 第13回 ピタゴラスの定理に宿される秘儀―エネルギーと運動量に関係する法則
- 第12回 光量子仮説と相対性理論―アインシュタインはどのように考えただろうか?ー
- 第11回 電磁界のエネルギーについてアインシュタインはこう考えた
- 第10回 アインシュタインの論文の原文に挑戦!物体の慣性はそのエネルギー量に関係するか? Ist die Trägheit eines Körpers von seinem Energieinhalt abhängig?
- 第9回 独創性の原点,アインシュタインの第一論文
- 第8回 双曲ピタゴラスの定理の計算プログラムで,実際に計算してみよう!
- 第7回 不思議な波動,移動縞