- プロフィール
馮富久(ふぉんとみひさ)
株式会社技術評論社デジタル事業部部長。
1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属、同誌編集長(2004年1月~2011年12月)や『Web Site Expert』編集長を歴任。その後、2007年、gihyo.jpの立ち上げなど、技術評論社のWeb・オンライン企画、イベント企画などを担当。現在は、2022年4月に設立したデジタル事業部にて、技術評論社の電子出版やEC、企業マーケティング、広告を中心に、デジタル・オンライン事業を取りまとめる。2021年5月より、電子書籍専門企業 株式会社GREEPの社外取締役に就任。社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター、TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ
Twitter ID:tomihisa
桜(ソメイヨシノ)の咲く季節を迎えました。今年はこれまでのところ平年より早めに咲き始めており、この傾向は4月下旬に開花すると予想されている東北地方にも現れそうです。東京では桜の開花の平年日は3月28日ですので、平年日に咲けば入学式の頃にちょうど満開の桜の下で式を迎えることになりますが、今年のように早く咲くと卒業式や異動の送別会と時期が重なり、お別れを言いながら桜を見ることになった人もいたでしょう。
昨年末から今年初めにかけては、全国的に記録的な低温・大雪となりましたので、今年の桜の開花は遅いのかとも思われました。ところが、桜の開花には、一定期間低温にさらされることが必要で、今年の寒さは桜の開花にとってちょうど良い条件だったようです。桜の潔い散り方などに美を見いだす日本人ですが、「厳しい季節を通り過ぎた方が早く綺麗に開花する」、桜のこんなところにも哲学的な意味を見いだして、好きになってしまうのかもしれません。
標本木でお花見?
桜の開花の観測には、毎年同じ木(標本木)を使うことは良く知られています。東京ですと靖国神社にあり、従来はどの木が標本木かは知らされていませんでしたが、昨年あたりから東京管区気象台技術課の担当者が開花の観測を行う際に報道機関が同行したために、どの木が標本木かが明らかになってしまいました。
標本木は気象台の敷地内にあることも多いのですが、東京がそうであるように、その地域のお花見の名所となっている公園内に植えてある木を使うこともあります。つぼみを電球で暖めたりするなど、自然とは異なる環境とならないようにお願いします。
さて、このWEBエッセイを始めて、ちょうど1年になりますが、こちらもお別れを言うことになりました。
1年間に書く内容を事前に用意して始めたわけではありませんでしたが、夏は猛暑に大雨、冬は大雪と気候にメリハリのある1年でしたので、毎月それほどテーマには困らずに書くことができました。ただ、ちょうど筆者の札幌への異動と重なったために、流氷の話など、北海道に偏った内容となったかもしれません。3月は花粉の季節で、私もひどい花粉症なのですが、札幌では全くスギ花粉が飛ばないために身近な話題と感じられず、ここで取り上げなかったことも北海道の影響のひとつです。
そう思うと、また別の季節変化のある地方でエッセイを書くとまた違うものが書けるのかも知れません。そんなことを考えながら筆を置くことにします(正確には「キーボードから手を離す」ですが)。
1年の間に読んでいただいた皆様、ありがとうございました。