Ubuntu Weekly Recipe

第101回 玄柴(KURO-SHEEVA)ファーストインプレッション

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

玄柴(KURO-SHEEVA)とは

玄柴(KURO-SHEEVA)(以下,玄柴で「くろしば」と読む)は,玄人志向が2009年12月に発売した"CHIBI COMPUTER DEVELPMENT KIT"※1です。Webサイトには「本製品は,SheevaCPUコア搭載プロセッサを使った組込みLinux機の学習と探求を目的とした開発実験キットです」と記載されています。これが用途ということなのでしょう。

ベースは69回70回で取り上げたSheevaPlugで,以下の改良を加えたのがこの玄柴です。

  • eSATAポートを追加
  • Ubuntu 9.04インストール済み
  • uBootがアップグレード済み
  • 色が黒※2

逆に言えば,これぐらいしか違いがありません。

報道によると,今のところ(2009年12月中旬現在)50台しか市販されていないようです。筆者は今回運よく手に入れることができましたが,この記事の公開時点で手に入れるのはきわめて困難であるといわざるを得ません。2010年になればまた流通するようなので,欲しい方はこまめに情報をチェックしてみてください。

玄柴の設定には,接続元(以後,母艦と呼ぶ)となるPCが必要です。今回はUbuntu9 .10を使用しますが,9.04でも同様に動作するはずです。Windowsでも可能で,その方法は添付CD-ROMのマニュアルに記載されています。

※1
外箱とケースにそう書いてあります。
※2
改良でも何でもないですね。

購入前の注意点

せっかくUbuntu 9.10がリリースされているのでこれを使いたいところではあるのですが,玄柴(もちろんベースとなったSheevaPlugも)9.10非対応です。9.04のサポート期間が切れたら,Debianなど別のOSに入れ替える必要があるかもしれません。

今回の用途

せっかくeSATAポートが追加されたので,eSATAでHDDを外付けしてNASサーバに使うことを今回のRecipeで説明していきます。筆者は実際にその用途で購入し,KURO-BOX/PROをリプレイスしようと考えています。

初期セットアップ

だいたい69回の説明と一緒です。もちろんインストールの部分はまるまる飛ばせます。

箱から出して電源とLANケーブルとUSBケーブルを接続したら,母艦のUbuntuマシンで以下のコマンドを実行してください。

$ sudo modprobe ftdi_sio vendor=0x9e88 product=0x9e8f

次は,以下のコマンドを実行します。

$ screen /dev/ttyUSB0 115200

69回ではttyUSB1になっていましたが,筆者の環境ではttyUSB0でした。ttyUSB0で上手く接続できない場合は,ttyUSB1にしてみてください。

初期ユーザ名/パスワードはSheevaPlugと同じくroot/nosoup4uです。セットアップの部分を丸ごと飛ばせるので,非常に楽だということがわかかっていただけるかと思います。

なお,添付のUSBケーブルは非常に抜けやすく,もろいです。接触が悪いのでコネクタを頻繁にいじっていたら,壊れてしまいました。添付品と同じUSBケーブルをお持ちでない場合は,1本買っておいた方がいいかもしれません。

ネットワークの設定

せっかくLANケーブルを接続しても,初期設定のままではネットワークに接続することができません。ひとまずここではDHCPでIPアドレスを設定する方法を紹介します。

/etc/network/interfacesを次のように設定します。

/etc/network/interfaces

auto lo
iface lo inet loopback
#address 127.0.0.1
#netmask 255.0.0.0

auto eth0
iface eth0 inet dhcp
# /usr/share/doc/ifupdown/examples for more information.

#はコメントアウトなので,1行まるごと削除しても問題ありません。

次に/etc/dhcp3/dhclient.confを開き,以下の行をコメントアウトします。

/etc/dhcp3/dhclient.conf

supersede domain-name-servers 127.0.0.1

この設定を行わないと,DHCPでIPアドレスを取得してもDNSサーバが127.0.0.1(すなわち玄柴自身)になり,名前の解決ができません。

ここまでできたら,ネットワークを再起動します。

# /etc/init.d/networking restart

再起動後にifconfigを実行し,IPアドレスが正しく取得できているか確認してみてください。

apt-getを実行する

apt-getを実行してパッケージを最新版に更新したいところですが,事前にやるべきことがあります。

/etc/fstabを見ると,/var/cache/aptをtmpfsでマウントしていることがわかります。すなわち,再起動するたびに/var/cache/apt以下はクリアされます。NANDの容量が少ないことを考えると正しい設定といえますが,フォルダが足りずにapt-getに失敗します。apt-getを行う前に次のコマンドを実行してください。

# mkdir -p /var/cache/apt/archives/partial

あとは普通に,以下のコマンドを実行してください。

# apt-get update
# apt-get upgrade

再起動するたびにフォルダを作り直す必要がありますが,それほど頻繁に再起動する類のものではないことを考えると,自動的にフォルダを作るようなことをしなくてもいいのではないでしょうか。というわけで,今回はその方法を紹介しません。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

コメント

コメントの記入