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第176回 Rosegardenで作曲する

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MIDIコントローラーの利用

ウィンドウ「MIDIバンクとプログラムの管理」の下部ではMIDI入力ポート/録音デバイスの設定をすることができます。こちらは,ハードウェアMIDIコントローラーからの入力や,他のMIDIシーケンサーからのMIDI出力を記録する場合に用います。筆者は今回,入力するためのツールとしてRoland/Edirol PCR-M30を接続しているため,⁠PCR-1」を指定しています。

各エディター上でメニュー「ツール」から「ステップ録音」を有効にすることで,こういったソフトウェア/ハードウェアMIDIコントローラーから受け取ったMIDI信号を記録することができます。

オーディオトラック

トラックに「シンセサイザープラグイン」「再生デバイス」ではなく「オーディオ」を指定することで,通常の音声データを扱うことができます。この場合,RosegardenとJACKサウンドサーバーを併用していることが必須条件です。

トラックを選択した上でメイン画面左の「再生パラメータ」のプルダウンリスト「デバイス」で,⁠オーディオ」を選択します。その下の「楽器」で16のチャンネルからひとつを指定します。このチャンネルは後述のミックスに関係します。

「インストゥルメントパラメータ」の項目「In」で,どの音声ポートから入力するかを選択できます。音声入力はJACKサウンドサーバーのポート管理で設定します。今回はpatchageというソフトウェアでポートを見てみましょう。

図15 patchageでポートを表示。緑はMIDI信号の経路を,紺は音声の経路を示す

図15 patchageでポートを表示。緑はMIDI信号の経路を,紺は音声の経路を示す

record in 1と2で左右別のポートが設けられていることがわかります。patchageの機能を利用するなどして出力ポートとつないであげると,録音ができます。録音の品質は,メイン画面のメニュー「編集」から選択できる項目「設定」で,⁠オーディオ」カテゴリーの項目「録音オーディオファイル」の設定に従います。

音声データをインポートし,トラックにセグメントとして配置することもできます。メイン画面のメニュー「ファイル」から項目「オーディオファイルの操作」と進み,ウィンドウ「オーディオファイルマネージャ」を開きます。このウィンドウから,メニュー「ファイル」から項目「オーディオファイルの追加」を開き,音声データをインポートします。

図16 オーディオファイルマネジャー

図16 オーディオファイルマネジャー

録音された音声データもこのオーディオマネジャーで管理することになります。ウィンドウからクリックアンドドラックすることでトラックに配置することができます。配置されたオーディオ・セグメントは自由にクリッピングをすることができるほか,システムにAudacityがインストールされていれば,ダブルクリックで波形編集をすることが可能となります。

拍子とテンポの編集

各エディターではさらに,拍子とテンポの編集を行うことができます。エディターの上部にある「テンポルーラー」を右クリックしてメニューを表示してください。

図17 テンポルーラーの右クリックメニュー

図17 テンポルーラーの右クリックメニュー

任意の位置にテンポや拍子の変化を設けることができます。⁠テンポを編集」あるいは「拍子の編集」をクリックするとウィンドウ「テンポ・拍子エディター」が開き,現在設定されている一覧をみることができます。

図18 テンポ・拍子エディター

図18 テンポ・拍子エディター

一度テンポルーラーに表示された変換点は,マウスのクリックアンドドラッグで左右に移動することができます。

サウンドのミックスとプラグインエフェクトの利用

ここまでで各トラックに音の元情報が配置できましたので,次は音のミックスをしてみましょう。メイン画面のメニュー「スタジオ」から項目「オーディオミキサー」を選択してください。

図19 オーディオミキサー

図19 オーディオミキサー

トラックにシンセサイザープラグインやオーディオを利用していると,その音声出力のミックスを調整することができます。あらかじめLADSPA/LV2のパッケージをインストールしておけば,画面下部でLADSPA/LV2のプラグインエフェクトを適用することができます。今回はRosegardenをインストールすると自動でインストールされるパッケージ「swh-plugins」に含まれる,⁠C* Plate2x2」というプレートリバーブをピアノ音源に適用しています。

図20 プラグインエフェクト

図20 プラグインエフェクト

標準ではマスターへの出力だけですが,メニュー「設定」の項目「サブマスターの数」からサブマスターを作成できます。複数の出力をまとめ,それにプラグインエフェクトを適用したい場合に使えます。設けたサブマスターへ入力するにはミキサー上で,各シンセサイザー/オーディオチャンネルの上部の出力先を変更します。サブマスターは何も設定せずともマスターへ入力されます。

図21 サブマスターを2つ追加した状態。シンセサイザー2と3の音声が「副1」で表されるサブマスターに流れているのがわかる

図21 サブマスターを2つ追加した状態。シンセサイザー2と3の音声が「副1」で表されるサブマスターに流れているのがわかる

メインウィンドウの設定メニューの「オーディオ」カテゴリーの項目「JACK出力の生成」「サブマスター用」を有効にすると,このサブマスターのJACK出力ポートを設けることができます。

図22 サブマスターが設けたJACK出力ポート。submasterで表示されている

図22 サブマスターが設けたJACK出力ポート。submasterで表示されている

また,チェックボックス「個々のオーディオインスゥトルメント」を有効にした場合は,個々のシンセサイザー/オーディオの音声出力を他のDAWに出力することができます。Ardourのプラグインオートメーションと連携するといった活用を考えることができます。

図23 シンセサイザー/オーディオが個々に設けたJACK出力ポート。設定可能なチャンネルがすべて表示されているため,画面に収まりきらない

図23 シンセサイザー/オーディオが個々に設けたJACK出力ポート。設定可能なチャンネルがすべて表示されているため,画面に収まりきらない

ミックスが終わったらレコーディングとなります。PatchageなどでRosegardenの出力を入力に回し,Rosegarden自体でレコーディングすることも可能ですが,余計なトラックを設ける必要があるため,Audacityなどのソフトウェアを別途利用したほうがよいでしょう。

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。