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第203回Ubuntu 11.10でGNOME Shellの拡張機能を使用する

今回は197回の続きとして、GNOME Shellの拡張機能を使用する方法をより詳細に紹介します。そのため、最低限gnome-shellとgnome-tweak-toolパッケージをインストールしていることを前提とします。

前回も軽く拡張機能には触れていますが、あまりにも軽すぎて具体的にどうしたらいいのかよくわからなかったと思います。そして拡張機能でカスタマイズできるというのは現状のUnityにはない特徴であることに疑いはないので、今回掘り下げることにしました。

gnome-shell-extensions

197回でも紹介したgnome-shell-extensionsは今回も使用します。まずはこのPPAを有効にしてください。もうすでにしてある場合は、この手順を省いてください。

$ sudo add-apt-repository ppa:ikuya-fruitsbasket/gnome3
$ sudo apt-get update

これらの拡張機能はGNOMEプロジェクトのgitでホスティングされているものであり、いわば「純正品」です(とはいえ動かないのもいくつかありますが⁠⁠。

すべての拡張機能のパッケージ名と機能は次のとおりです。

パッケージ名機能
gnome-shell-extensions-alternate-tab現在アプリケーション単位のウィンドウ管理を以前のウィンドウ単位のウィンドウ管理に戻す。今回は動作せず。
gnome-shell-extensions-alternative-status-menu画面右上のステータスメニューに[ハイバネート]と[電源オフ]を追加する。
gnome-shell-extensions-apps-menu[アクティビティ]の右にGNOME 2.xのようなアプリケーションメニューを追加する。
gnome-shell-extensions-auto-move-windowsアプリケーションを希望のワークスペースに割り当てる。dconf-toolをインストールし、dconf-editorを起動して[org]-[gnome]-[shell]-[extensions]-[auto-move-windows]の[application-list]に、アプリケーションの起動に使用するデスクトップファイル名:起動したいワークスペースの番号]の書式で記述し、⁠'⁠でくくる。複数指定する場合は⁠,⁠で区切る。
具体例: ['firefox.desktop:2','thunderbird.desktop:3']
入力後、エンターキーで確定する。
gnome-shell-extensions-commonこの表にある拡張機能に共通で使われるパッケージ。
gnome-shell-extensions-dock画面右にdockのようなタスク切換を表示する。今回は動作せず。
gnome-shell-extensions-drive-menu 右上の通知エリアにリムーバブルドライブを表示する。
gnome-shell-extensions-gajimJabberクライアントであるGajimのステータスを表示する。GajimはUbuntuデフォルトのアプリケーションではないため、今回は試さなかった。
gnome-shell-extensions-native-window-placementオーバービューモードにした場合、この拡張機能を有効にするとウィンドウを積極的に整理しない。
gnome-shell-extensions-places-menu右上の通知メニューにシステム状態メニュー(GNOME 2.xでいうところの[場所]メニュー)を追加する。
gnome-shell-extensions-system-monitor オーバービューモードで左下にシステムモニターを表示する。
gnome-shell-extensions-user-themeGNOME Shellのテーマを変更できるようにする。テーマのインストールや変更は高度な設定(gnome-teak-tool)の[テーマ]から行う。
テーマはGNOME-LOOK.ORGなどにある。
gnome-shell-extensions-windows-navigatorオーバービューモードでウィンドウとワークスペースをキーボードで切り替えられるようにする機能。今回は動作せず。
gnome-shell-extensions-workspace-indicator 右上の通知エリアに現在表示しているワークスペースを表示し、切り替えもできるインジケーターを追加する。
gnome-shell-extensions-xrandr-indicator 右上の通知エリアにxrandrインジケーターを追加する。今回は(VirtualBoxで試した故か)動作しなかった。

拡張機能のインストール後、ログアウトして再ログインするかAltキー+F2キーで表示されるプロンプトにrと入力してエンターキーを押すと、GNOME Shellが再起動します。そこで、[アプリケーション]-[その他]-[高度な設定]でgnome-tweak-toolを起動します。そして[GNOME Shell拡張機能]にインストールした拡張機能が追加されているので、[オン]にすると有効になります。

gnome-shell-classic-systray

前記のPPAにパッケージ版のgnome-shell-classic-systrayを置きました。必要であればこちらを使っていただいてもいいかと思いますが、やはり[gnome-shell-extensions-alternative-status-menu]と同時に有効にするとGNOME Shellが起動しなくなりますのでご注意ください。

extensions.gnome.org

12月1日にextensions.gnome.orgのパブリックアルファが公開されました。ここでは拡張機能を紹介しているばかりではなく、インストールや有効・無効の切り替えや管理まで行え、その便利さに驚きました。

gnome-shell-extensionsのDockは残念ながら動作しませんでしたが、こちらのDockは動作しましたので使ってみてください。

また、Fripperyから始まるいくつかの拡張機能がありますが、⁠未確認ではあるものの)すべてをインストールするとGNOME 2.xっぽくすることができるようです。

そのほか、Input-Method Status Indicatorは少なくともUbuntu 11.10では動作しなかったことを言及しておきます。おそらくですがIBusのバージョンが古すぎるものと思われます。

これらはインストールしたい拡張機能を表示し、左の[off]をクリックして[on]にすると、インストールして使用できるようになります。上部の[Installed extensions]をクリックすると現在インストールしてある拡張機能を表示し、オン/オフの切り替えや削除までできます。

筆者のお気に入り設定

今回いろいろ試してみた結果、⁠ようやくこれだ!」と思うお気に入りの設定を見つけることができたので、最後にこれを紹介します。

インストールするのはgnome-shell-extensions-user-themeとgnome-shell-classic-systrayとDockです。すべてインストール後有効にします。

gnome-shell-extensions-user-themeを有効にするためにはホームフォルダの直下に.themesというフォルダが必要なので、もしない場合は事前に作成します。そしてAmbiance Blue Theme Suiteからテーマをダウンロードします。解凍するとAmbiance Blue.zipというアーカイブがあるので、これを高度な設定の[テーマ]タブ-[Shell theme]のフォルダアイコンをクリックして読み込ませます。[無効なテーマ]というメッセージが表示されますが、これはおそらくZIPファイルにGNOME Shell以外のテーマも含んでいるからだと思います。高度な設定を再起動して[テーマ]タブを開くと、[Shell theme]を[標準]ではなく[Ambiance Blue]を選択します。

これで統一的なテーマとなり、またオーバービューモードを使用する頻度も下がってより快適に使えるようになると思いました。そのほか、高度な設定の[GNOME Shell]で[Show date in clock]を[オン]に、[Arrangement of bottons on the titlebar]を[All]にしました。

ぜひともいろいろ試してみて、手になじむGNOME Shellにカスタマイズしてください。

図1 今回カスタマイズしたGNOME Shell。右に表示されているのがDockだ
図1 今回カスタマイズしたGNOME Shell。右に表示されているのがDockだ
図2 今回カスタマイズしたGNOME Shellのオーバービューモード。 Ambianceテーマを適用し、デフォルトとは配色が異なる
図2 今回カスタマイズしたGNOME Shellのオーバービューモード。 Ambianceテーマを適用し、デフォルトとは配色が異なる

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