Ubuntu Weekly Recipe

第285回 機能が追加されたPiTiViで動画編集

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今回はPiTiViを取り上げます。本連載での登場は2度目となります。

PiTiViとは

PiTiViはビデオ編集ソフトウェアです。本連載の第180回で扱ったkdenliveと同じ用途のソフトウェアで,複数の画像や映像,音声ファイルを合成して1つの動画ファイルを出力することができます。

PiTiViを再度取り上げた理由ですが,バージョン0.13および当時の開発版に基づいて書かれた第104回と比べ,現在のUbuntuで利用可能なバージョン0.15には,より多くの機能が追加されているからです。

インストールの注意点

それではPiTiViをUbuntuソフトウェアセンターで検索し,インストールしましょう。

図1 UbuntuソフトウェアセンターでPiTiViを検索した結果

図1 UbuntuソフトウェアセンターでPiTiViを検索した結果

バージョン0.15は現在利用可能なUbuntuのバージョンのうち,12.04以降で利用可能です。ただし12.04のパッケージ(0.15.1-0ubuntu1)はレンダリングに失敗するバグ注1を持つため,updatesリポジトリにあるもの(0.15.2-0ubuntu1)を利用します。

お使いのシステムがupdatesリポジトリを利用しているかどうかを確認するには,デスクトップ右上の歯車アイコンをクリックして表示されるメニューから「システム設定」を選択し,同名のウィンドウを開きます。⁠システム」カテゴリーの項目「ソフトウェアソース」を選択し,同名のウィンドウを開きます。このウィンドウの「アップデート」タブを見て,⁠推奨アップデート」チェックボックスにチェックが入っているかどうかを確認してください。

また一緒に,⁠libavcodec-extra-53」「libgstreamer0.10-ffmpeg」もインストールすると良いでしょう。このパッケージの役割に関しては後述します。

注1)
PiTiVi fails to render

プロジェクトの設定

インストールを終えたら,UnityのDashでpitiviを検索し,起動します。

図2 起動直後の「ようこそ」ウィンドウ

図2 起動直後の「ようこそ」ウィンドウ

起動直後の時点でもう,前回とは異なっています。この「ようこそ」ウィンドウでは新規にプロジェクトを作成するか,既存のプロジェクトを再読み込みするかを選択します。今回は初めて起動するため,⁠新規」を選択します。

図3 ⁠プロジェクトの設定」ウィンドウ

図3 「プロジェクトの設定」ウィンドウ

続けて「プロジェクトの設定」ウィンドウで,プロジェクトの設定を行います。設定は映像に関するもの,音声に関するもの,プロジェクトのメタ情報の3つに大別され,それぞれタブでわかれています。

映像に関する設定では,映像の縦横サイズとフレームレートを指定します。縦横サイズは3つの要素からなり,⁠サイズ(ピクセル単位)」⁠⁠画面アスペクト比」⁠⁠ピクセルアスペクト比」です。これらは相互に関係しており,⁠サイズ」「画面アスペクト比」に合わせて「ピクセルアスペクト比」が調節されたり,⁠サイズ」「ピクセルアスペクト比」に合わせて「画面アスペクト比」が調節されます。どのような設定が良いかですが,大抵の場合,⁠サイズ」から計算される縦横比と「画面アスペクト比」が同一となるようにし,⁠ピクセルアスペクト比」が1:1に調整されるのが良いでしょう。

音声に関しては「チャンネル数」⁠⁠サンプルレート」⁠⁠量子化ビット」の3つの設定がありますが,大抵の場合はステレオ,44.1kHz,16bitとするのが良いでしょう。

メタ情報はお好みに合わせて入力してください。

編集操作の前バージョンからの変更点

プロジェクトの設定を決定すると,ビデオ編集画面を操作できます。

図4 メインウィンドウ

図4 メインウィンドウ

以前と比べると中央が3カラム構成となっています。左からメディアライブラリーとエフェクトライブラリー,クリップの設定,ビューアーです。エフェクトライブラリーの名前から推測できますが,映像クリップや音声クリップにエフェクトを適用することができるようになっています。また,ビューアーはメニューの[表示][ビューアーを本体から切り離す]で本体と別ウィンドウにし,中央を2カラムにすることもできます。

図5 2カラムの状態

図5 2カラムの状態

この画面の基本的な使い方は以下となります。

  1. メディアライブラリに映像や音声のクリップを追加
  2. ウィンドウ下部のタイムラインに配置
  3. トランジションや映像クリップの変形,エフェクトの適用

これらの操作性は,第104回とほぼ同じです。操作の仕方は第104回を参照するとして,ここから先は,編集操作における前バージョンからの変更点を見ていきましょう。

トランジション

以前は開発版でのみ使えたフェードイン・フェードアウトが標準で使えます。ビデオクリップを横たわる赤い線で示される表示率を調整することで適用します。一番上が表示率100%(透過度0%)⁠下が表示率0%(透過度100%)となります。この赤い線には,線上をダブルクリックして転換点(キーフレームといいます)を追加することができます。

たとえば,2つの映像クリップを重なりあうよう上下に配置し,重複している箇所を一方は表示度0%から100%へ,もう一方は100%から0%になるようキーフレームを打つことで,フェードイン・フェードアウトする映像を作ることができます。

図6 タイムライン上のクリップにキーフレームを追加したところ

図6 タイムライン上のクリップにキーフレームを追加したところ

kdenliveとは異なり,現在のところ,フェードイン・フェードアウト以外のトランジション効果は実装されていないようです。

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。

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