Ubuntu Weekly Recipe

第305回 2014年新春特別企画 Linuxデスクトップの2014年

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新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今回は新年最初ということもあり,いつもと志向を変えてLinuxデスクトップに関する現状と展望の記事を書かせていただきました。

また,本年はWindows XPのサポートが終了する年ともなり,Linuxデスクトップが脚光を浴びるかも知れませんし浴びないかも知れません。そのあたりは本文でご確認下さいませ。

Linuxデスクトップとは

まずは今回扱う⁠Linux デスクトップ⁠について定義しておきたいと思います。ここではデスクトップ環境を含んだLinuxディストリビューションのこととさせてください。デスクトップはPCの筐体のことではないので,ノートPCも含みます。デスクトップ環境やウィンドウマネージャーはたくさんありますが,ここではGNOME/KDE/Xfce/LXDEについてのみ扱います注1)⁠UbuntuのUnityは,今回は扱いません。今年のUbuntuに関しては今月18日発売のSoftwareDesign 2月号の特集2に書きましたので,そちらをご覧ください。また,厳密に言えばDebianはLinuxディストリビューションではありませんが注2)⁠今回は対象とします。

注1)
その他にはCinnamon,MATE,Trinityデスクトップ環境(TDE)などが思い浮かびます。
注2)
Linuxカーネル以外も使用できるからです。また今回は迷いましたが,Debian固有の話はありません。

2013年まとめ

2013年は,Linuxデスクトップ云々以前にAndroid/iOSがインストールされたスマートフォン/タブレット端末が普及し,そもそもPCの出荷台数が減る,という年でした。Windows 8/8.1もタブレット端末にインストールして販売されていますが,それには虎の子のMicrosoft Officeをオマケともいえる安価で供給しており,4万円ほどでMicrosoft Officeがインストールされたタブレット端末が購入できるようになりました。これはルールが変わったことを端的に示すエピソードだと思います。

あとは若干ゴシップ的ではありますが,GNOME創始者の1人であるMiguel de IcazaさんがGNOMEの使用をやめるということがありました。正確には使用をやめたのは去年ではなく,あくまで公表したのが去年というだけですが,ブログを読むとLinuxディストリビューションの断片化が気に入らず,テスト用に使用していたMacが気に入り,引っ越しを機に移行した,とのことです。

デスクトップ環境に関しては,偶然にも大きな変化の前の年,という感じになりました。詳しくは後述します。

日本語ユーザーにとって重要なインプットメソッドは,IBus 1.5が広く使われるようになりました。最初に採用した注3Fedora 18注4や19ではあまり混乱した様子は伝わってきませんでしたが,とくにUbuntuでは独自の理由もあって上を下への大騒ぎとなりました。詳しくはUbuntu Weekly Recipe第296回第297回をお読みいただければと思います。またFedora 19では,新しく変換エンジンが開発され,Anthyに代わってデフォルトになりました。

ディスプレイサーバーも興味深い出来事がありました。将来的にWaylandを採用すると見られていたUbuntuが,独自のディスプレイサーバーであるMirの開発を発表しました。そのあたりはUbuntu Weekly Topicsでも触れられていたのでここでは省略しますが,Waylandも開発が進み,バージョンアップを重ねています。GNOMEやKDEといったデスクトップ環境もWaylandで動作するように開発されていますし,Raspberry Piでは実際に動作させています。そればかりか,IBusとFcitxの2つのインプットメソッドがWaylandでも動作するように開発されました注5)⁠

注3)
採用も何も開発はRed Hatの社員によるのですが。
注4)
Fedora 17はIBus 1.5の開発版だったので,実態はちょっと違いますが。
注5)
FcitxのWaylandサポートはopenSUSEのGSoC(Google Summer of Code)で開発されました。ただ,どちらも現時点で動作するかどうかはよくわかりません。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

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