Ubuntu Weekly Recipe

第297回 Ubuntu 13.10でインプットメソッドFcitxを活用する

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Fcitxと日本語

Fcitxに関しては,すでに第274回で紹介しました。Ubuntu 13.10での変更とその備えをお知らせしたつもりでしたが,時期尚早だったのかあまり浸透しなかったように思います。それはさておき,Fcitxとは何かというのはすでに述べたので,Fcitxを日本語環境でも常用できるまでに至った経緯をおさらいすることにします。

Fcitx自体は以前より日本語でも使用できる状態になっていました。fcitx-anthyもfcitx-mozcも,ここ1~2年くらいで開発されています。しかし,メニューの翻訳は充分とはいえない状態が長く続きました。筆者も1年くらい前に翻訳のアカウントを取得しましたが,実際に翻訳を開始したのは2013年4月に入ってからです。翻訳と並行して動作確認を行い,問題点はおおむね修正されました。それがだいたい同年5月だったので,第274回の原稿を書いたと記憶しています。改良はその後も進み,現在ではIBusと遜色のない使い方ができるようになったという感想を抱いています注1)。

注1)
主観や使い方に関わるので断言はできませんが,おそらく多くの方にとっても同じだと信じています。

Fcitxの翻訳

Fcitxの翻訳はtransifexで行われています。アクテイブな翻訳者は筆者を含めて2名,意見をくださった方が1名と現状かなり寂しいので,翻訳してくれる方や意見をくださる方を募集しています。いずれにせよ筆者がコーディネーターなので,何らかの方法でお知らせください。transifexにはメッセージを送る機能もありますし,メールアドレスをご存じの方はそちらからでも結構です。

図1 (Xubuntu)13.04ではこんな感じ。設定ツールそのもののバージョンも低い

図1 (Xubuntu)13.04ではこんな感じ。設定ツールそのもののバージョンも低い

図2 Ubuntu 13.10ではこんな感じ。まったく別物に見える

図2 Ubuntu 13.10ではこんな感じ。まったく別物に見える

Fcitxのインストール

Fcitxを使用する場合,必ずUbuntu Japanese TeamのリポジトリにあるFcitxを使用してください。重要なバグを修正しています注2)。リポジトリの追加方法はUbuntuの日本語環境にありますが,こちらにも転載しておきます。

$ wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja-archive-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
$ wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-jp-ppa-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
$ sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/saucy.list -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.list
$ sudo apt-get update

その後,次のパッケージをインストールしてください。

  • fcitx
  • fcitx-mozc
  • fcitx-libs-qt5
  • fcitx-frontend-qt5

コマンドラインでインストールする場合は次のとおりです。

$ apt-get install fcitx fcitx-mozc fcitx-libs-qt5 fcitx-frontend-qt5

ついでにim-setup-helperもインストールしておくと便利です。Kubuntuで使用する場合はkde-config-fcitxもインストールしてください。

注2)
筆者には重要ではなかったのでPPAでの対応になったのですが……。

Fcitxの使用に必要な設定

インストール後,システム設定の[言語サポート]を開き,[キーボード入力に使うIMシステム][fcitx]にしてください。さらに[テキスト入力]を開いて[メニューバーに現在の入力ソースを表示]のチェックを外してください。最後に端末を開き,次のコマンドを実行してください。

$ gsettings set org.gnome.settings-daemon.plugins.keyboard active false

あとはログアウトして再ログインすれば,Fcitxが使用できるようになります。

Ubuntu GNOMEでは[テキスト入力][メニューバーに現在の入力ソースを表示]もないので,これに関しては何もしなくてもいいです。UbuntuやUbuntu GNOMEではない場合はgsettingsコマンドを実行する必要はありません。[キーボード入力に使うIMシステム][fcitx]にするのをコマンドラインでやるときは,

$ im-config -n fcitx

を実行してください。どうしたらいいのかよくわからない場合は,次のfcitx-setup-helperがオススメです。

fcitx-setup-helper

第296回で紹介したim-setup-helperにはfcitx-setup-helperという設定ツールも含まれています。これを使用すれば,必要なパッケージがインストールされていない場合は警告を表示し,また前述の設定もやってくれます。IBusに戻したくなった場合にも対応していますので,ご活用ください。mozc-setup-helperとは違って自動的に起動することはないので,Unity Dashやその他のメニューから起動してください。コマンドラインから起動する場合は,

$ fcitx-setup-helper

です。

Ubuntu GNOME/GNOME Shellで使用する場合の注意

第293回を参考に,GNOME Shellの拡張機能をインストールしてください。

Fcitxの設定

Fcitxが使用できる状態になったら,geditなどを起動して半角/全角キーを押してみてください。Mozcでの入力が可能になったでしょうか。以前の挙動が戻ってきて,ちょっぴり嬉しくなったりしませんでしょうか。

それはさておき,FcitxのキーボードアイコンがMozcに変化したはずです。その変化したアイコンをクリックするとメニューが表示されますので,[設定]をクリックしてください。

最初に表示されるのは[入力メソッド]タブで,これが[入力ソース]に相当します。そこの説明のとおり,一番上は普段使用するキーボードにしてください。

[全体の設定]タブはとくに設定する必要はないと思いますが,IBusの[すべてのアプリケーション間で同じインプットメソッドを共有する][ウィンドウ間で状態を共有]に相当します。

[外観]タブは,必要であれば[状態パネルを隠すモード][自動]にしてください。これがIBusの言語パネルに相当します。[候補ウィンドウを縦にする]は,日本語の入力メソッドを使用する限りではすべて縦になるので,とくにチェックを入れる必要はありません。日本語以外の入力メソッドの候補ウィンドウを縦にしたい場合に使用してください。

[アドオン]タブは後ほど解説します。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

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