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第321回 Ubuntu 14.04 LTSのリリースノートの紹介

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2.5 分

つい先日注1)⁠Ubuntu 14.04 LTSがリリースされました。今回はリリースノートを参照しつつ,どんな改善が行われたのか,どんな既知の問題があるかを簡単に見ていきます。また,日本語環境に関する事柄も簡単に見ていきます。

注1)
日本時間で4月17日の真夜中から18日にかけてでした。

リリースノートに書いてあること

リリースノートの構成は毎回違いますが,大まかに3つに分類できます。1つ目は入手先やインストール方法,アップグレード方法など,新リリースの導入に関することです。2つ目は新しく利用可能になった機能やアップデートされたパッケージなど,新機能に関することです。3つ目は「既知の問題」です。リリース時点で判明している問題をユーザーが評価し,アップグレードのタイミングを決定できるようにしています。

またこの他に,各フレーバー注2独自の記述があります。これもリリースノートこどに分量や内容が異なりますが,リリースノートのサブセットというよりは,リリースノートの小型版となっていることが多いです。

注2)
フレーバーは,Ubuntuと同じリポジトリを利用しつつ,デフォルトのパッケージ構成が異なるディストリビューションを指します。ほとんどは特定のデスクトップ環境をコンセプトとしていますが(Ubuntu GNOMEなど)⁠特定の用途向けというコンセプトを持つもの(Ubuntu Studio)もあります。

有志によるリリースノートの翻訳活動

Ubuntu Japanese Teamでは更に翻訳作業を通じてリリースノートを日本語で読めるように活動しています。今回もすでにだいたいの作業を終えてあります注3)⁠ Ubuntu Japanese Teamでは更に,⁠日本語版独自の記述」を追加して日本語環境を使うユーザーに役立つ情報も提供しています。

注3)
翻訳作業は4月17日の20時頃から始まり,翌朝にはいくつかの章を除いて翻訳終了。リリースの3日後には全章の翻訳を終えるというペースでした。作業にあたった皆さん,お疲れさまでした。

14.04 LTSのリリースノート

それではリリースノートの内容を読んでいきましょう。オリジナルのリリースノートは,https://wiki.ubuntu.com/TrustyTahr/ReleaseNotesで参照することができます。日本語訳はhttps://wiki.ubuntu.com/TrustyTahr/ReleaseNotes/Jaで参照することができます。

サポート期間と入手先

今回のリリースはLTS(Long Term Support)のため,Ubuntu Server/Ubuntu Desktop/Ubuntu Coreは5年のサポートとなります。

対する各フレーバーのサポート期間ですが,5年のものと3年のものにわけられます。

サポート期間,5年
  • Ubuntu Kylin
  • Edubuntu
  • Kubuntu
サポート期間,3年
  • Xubuntu
  • Ubuntu Studio
  • Ubuntu GNOME
  • Mythbuntu
  • Lubuntu

リリースノートには,インストーラーの入手先のリンクが掲載されています。

13.10からのアップグレード

GUIとCUIの2つの方法が紹介されています。GUIを使った方法は,⁠update-manager」というソフトウェアを起動します。CUIを使った方法は,⁠update-manager-core」パッケージをインストールした後で「do-release-upgrade」コマンドを管理者権限で実行します。

デスクトップ環境の新機能

多くの新機能が追加されています。が,そのすべてをお伝えするには紙幅が足りませんので,Ubuntuデスクトップの特徴であるUnityデスクトップ環境を見て行きます。わかりやすさのために,筆者のほうで情報を補完して説明して行きます。

High-DPIスクリーンのサポート

UnityのLauncher,Menu,Dash,HUD,ウィンドウのタイトルバー(後述するLIMを含む)などUnityの要素は,表示されるディスプレイに依存したスケールを持ちます。これに対しウィンドウの中身の各要素は,ディスプレイに依存しないスケールを持ちます。

この2つが大きく異なる場合にデスクトップ上において,表示される部分によってテキストのサイズが大きく異なるという現象が生じます。また2つのディスプレイにデスクトップを割り当てて使っている場合に,スケールが異なることにより内容の統一感が損なわれるという現象も生じます。これらは,画面のサイズはそうでもないが,解像度が大きなディスプレイにおいて見られる現象でした。

14.04のUnityは,この2つのスケールをマッチするよう動作します。またマッチングの際に,どのようなルールを適用するかを選択することができます。設定は,⁠システムの設定」から「ディスプレイ」とたどり,⁠すべてのウィンドウ内容をマッチするように拡大縮小」から選択します注4)⁠

図1 ⁠ディスプレイ」「すべてのウィンドウ内容をマッチするように拡大縮小」オプション

図1 「ディスプレイ」の「すべてのウィンドウ内容をマッチするように拡大縮小」オプション

注4)
この箇所ですが,アプリケーション翻訳を行った有志の誰も適当な日本語訳を思いつかなかったため,元々の英文のままとなっています。筆者も何度か翻訳しようと試みましたが,うまい日本語が思いつきませんでした。アプリケーション翻訳の難しさを感じます。

デスクトップスケーリングのサポート

先述のスケールに関するマッチングが奏功し,デスクトップ全体のスケールを無理なく変更することができるようになりました。設定は,⁠システムの設定」から「ディスプレイ」とたどり,⁠メニューとタイトルバーの拡大縮小」から行います。

図2 ⁠ディスプレイ」「メニューとタイトルバーの拡大縮小」でスケールを変更

図2 「ディスプレイ」の「メニューとタイトルバーの拡大縮小」でスケールを変更

ロックスクリーンの変更

ログイン画面と同じような画面になりました。

図3 ロックスクリーン

図3 ロックスクリーン

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。

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