Ubuntu Weekly Recipe

第322回 さくらのVPSでUbuntu 14.04 LTSを動かす

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ゴールデンウィークは,4月にリリースされた最新のUbuntuでがっつり遊ぶ。これはもはや毎年の恒例行事と言っても良いでしょう。せっかくですから,新しいOSは新しい環境にインストールしたいもの。しかし新しいサーバーを購入して自宅で運用するには,奥さん,電気代,騒音など,様々な障害を乗り越えなければなりません。そんな時は……そう,VPSです。こっそり新しいサーバーを追加しても家族にバレないなんて,仮想化最高! そんなわけで今週のレシピでは,過去にも何度か紹介した「さくらのVPS」を使った,Ubuntu Server 14.04 LTSのセットアップを紹介します注1)。

さくらのVPSは,CentOSがインストールされた状態で提供されています。第142回では,カスタムインストール機能を使い,Ubuntuをインストールする方法を紹介しました。また第154回では,ネットブートインストーラーを使うことで,さくらインターネットから提供されていないバージョンのUbuntuをインストールする方法を紹介しています。

現在のさくらのVPSには,任意のISOイメージをアップロードし,そこから仮想マシンを起動する「ISOイメージインストール」機能が実装されています。今回はこの機能を使い,ubuntu.comから入手できる14.04のISOイメージを使ってインストールを行います注2)。

注1)
石狩リージョンの1Gプランを利用することにしました。筆者は既に石狩でDebianのVPSを運用しているのですが,同一リージョン内のVPSはローカルネットワーク接続ができるので,できるだけ同一リージョンに固めたいという思惑と,単に筆者が北海道大好きという理由によるものです。
注2)
というコンセプトで原稿の執筆を開始したのですが,4月22日(火),カスタムインストール用の14.04の提供が開始されました。さくらのVPSで14.04をサーバーとして使う場合は,本記事のようにISOアップロードをする必要はなく,第142回を参考にカスタムインストールを行うのが一番簡単でしょう。しかしISOインストールは自由に好きなOSをインストールすることができるというメリットがあるため,本記事で紹介する方法はUbuntu以外にも応用が効くはずです。

Javaのインストール

インストールは,VNCコンソールを用いて行います注3)。WebブラウザからTightVNC Java Viewerが起動するのですが,実行にはJavaの実行環境が必要になります。筆者はPPAのoracle-java7-installerを使用しました。

PPAの追加とJava 7のインストール

$ sudo apt-add-repository ppa:webupd8team/java
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install oracle-java7-installer
注3)
5月1日。Webブラウザーのみで動作する,VNCコンソールのHTML5モードの提供が開始されました。これによって,起動しているサーバーのコンソールを取るだけであれば,Javaは不要になりました。しかし現時点では,ISOインストールの段階では従来のJavaアプレットモードのコンソールが自動的に起動するようです。

ISOイメージインストールの手順

まずVPSのコントロールパネルにログインして,「OS再インストール」をクリックします。標準のCentOSを自動再インストールするためのページが表示されますので,ここで「ISOイメージインストールへ」をクリックします。

図1 「ISOイメージインストールへ」をクリック

図1 「ISOイメージインストールへ」をクリック

インストールに先立ち,ISOイメージをアップロードする必要があります。そのために,まず「アカウント作成」をクリックして,アップロード用のサーバーに一時的なアカウントを作成します。

図2 一時的なアカウントを作成

図2 一時的なアカウントを作成

24時間有効なアカウントが作成されました。表示されているホスト名,ユーザー名,パスワードを用いて,ISOファイルをアップロードしてください。気を付けることは,最初から存在する「iso」というディレクトリの中にアップロードするということと,scpは使えないので,必ずsftpを使う必要があるということです。

図3 SFTPを使用してアップロードすること

図3 SFTPを使用してアップロードすること

Ubuntu(Linux)からアップロードする場合は,コマンドラインからsftpコマンドを使ってしまうのが一番手っ取り早いでしょう。「sftp ユーザー名@ホスト名」を実行し,パスワードを入力します。ログインに成功したら,「iso」ディレクトリにcdして,putコマンドでISOファイルをアップロードします注4)。

図4 ISOファイルをアップロード

図4 ISOファイルをアップロード

アップロードが完了したら,「ISOイメージ」に,アップロードしたファイル名とサイズが表示されていることを確認してください。問題がなければページ下部の「確認」をクリックします。

図5 ファイル名とサイズを確認

図5 ファイル名とサイズを確認

インストールを開始してよければ「実行」をクリックします。サーバーが再起動され,ISOイメージから起動されます。

図6 「実行」をクリックしてサーバーを再起動

図6 「実行」をクリックしてサーバーを再起動

前述のとおり,コンソールを得るためにTightVNC Java Viewerが起動します。Javaのダイアログが表示されますので,内容を確認の上「実行」をクリックしてください。

図7 内容を確認の上「実行」をクリック

図7 内容を確認の上「実行」をクリック

あとは通常のUbuntuのインストールと同様です。違いと言えば,virtioを利用しているため,ディスクが/dev/sdaではなく/dev/vdaなことくらいでしょう。インストール中にIPアドレスなどのネットワーク設定を行う必要がありますが,これはWebブラウザ上に表示されているものを手動で入力します。カスタムOSインストールガイドも参考にしてください。またVPSにはNICが3つ搭載されているので,グローバルIPアドレスはeth0に設定してください。

図8 Ubuntu Serverのインストール開始

図8 Ubuntu Serverのインストール開始

Ubuntu Serverでは,インストールの途中でtaskselが起動し,どのようなタスクをインストールするか選択することができます。LAMP環境やメールサーバーなどを簡単にインストールすることができますが,とりあえずはリモートから接続するために「OpenSSH server」にチェックを入れておくと良いでしょう。それ以外のタスクは,後からSSHでログインしてゆっくり構築すれば良いですが,SSHだけは最初にインストールしておかないとリモートログインができなくなってしまいます注5)。

図9 「OpenSSH server」にチェックを入れておく

図9 「OpenSSH server」にチェックを入れておく

インストールが完了して,サーバーが再起動したら使用準備は完了です。

注4)
当然ですが,あらかじめUbuntu 14.04のISOイメージをダウンロードしておいてください。この例ではISOファイルが,sftpを実行した際のカレントディレクトリに存在することを前提にしています。
注5)
もちろんVNCコンソールで接続することはできますので,ログイン不能になるというわけではありません。しかし作業の利便性を考えるとSSHは必須でしょう。ただしセキュリティを厳密に考えるのであれば,この段階でSSHサーバーはインストールせず,VNCコンソールで接続した状態でまずファイアウォールを有効にし(後述),適切なアクセス制限などの設定を行ったうえでSSHサーバーを起動すべきです。

VNCコンソールが表示されないときは

Java 7を利用していると,TightVNC Java Viewerのウィンドウが表示されない場合があります。これはJavaのセキュリティ設定の問題です。この問題を解決するためには,まず「Oracle Java 7 Plugin Control Panel」をDashから起動します。その中の「セキュリティ」タブを開き,「例外サイト・リスト」「https://secure.sakura.ad.jp/」を追加してください。これで,このURLからのJavaコンテンツの実行が可能になります。

図10 「Oracle Java 7 Plugin Control Panel」をDashから起動

図10 「Oracle Java 7 Plugin Control Panel」をDashから起動

図11 「例外サイト・リスト」「https://secure.sakura.ad.jp/」を追加

図11 「例外サイト・リスト」に「https://secure.sakura.ad.jp/」を追加

コンソールに文字が入力できないときは

インストーラーでIPアドレスの設定をする際などに,キーボードからの入力が効かない場合があります。筆者は文字の入力にibus-skkを利用しているのですが,ibus-skk(の半角英数モード)だと,VNCコンソールへの文字入力ができないようです。このような場合はキーボードインジケーターの「テキスト入力設定」で,それ以外の入力ソースを追加してください。ここでは英語キーボードを追加しています。なおibus-anthyの半角英数モードでなら,入力が可能なことを確認しています。

図12 キーボードインジケーターの「テキスト入力設定」で,ここでは英語キーボードを追加

図12 キーボードインジケーターの「テキスト入力設定」で,ここでは英語キーボードを追加

著者プロフィール

水野源(みずのはじめ)

Ubuntu Japanese Teamメンバー。理想のフリーデスクトップ環境を求めて東へ西へ……のはずが,気がついたら北の大地で就職していたインフラ寄りのエンジニア。株式会社インフィニットループ所属。

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