Ubuntu Weekly Recipe

第381回 インプットメソッドの便利な機能

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

今回はFcitxやIBusなどインプットメソッドの便利な機能を紹介します。

Ubuntu 15.04リリースパーティ兼オフラインミーティング15.06での出来事

Ubuntu 15.04リリースパーティ兼オフラインミーティング15.06に関しては第380回のレポートがありますので,詳しくはそちらを参照いただきたいのですが,インプットメソッドの機能について知らない,知っていても機能の区別がつかないという声があったので,その場で簡単にデモを行いました。ただ,やっぱり知っていると快適に入力が行えるので,あらためてここで紹介することにしました。再掲も含めて,ほかにもいくつかの機能を紹介することとします。

Ubuntu 15.10の開発状況

と,その前にUbuntu 15.10の開発状況を。第370回でFcitxがmainに入ったことまではお伝えしましたが,15.10の開発開始直後に日本語でもデフォルトになりました。現在は韓国語とベトナム語も続いています。各種フレーバーを含むUbuntu 15.10の開発版をインストールすると,Fcitxとfcitx-anthyがインストールされます注1)⁠そればかりか,fcitx-mozcをデフォルトにする動きもあります。15.10に間に合うといいのですが。

注1)
が,6月下旬現在だとUbuntuではなぜかfcitx-anthyがインストールされません。Ubuntu GNOMEだと問題ありません。仕組み上デスクトップ環境によって差が出るようなことはないはずなので,今後原因を探る予定です。

一時アスキーモード

実のところ筆者はこの機能の正式な名称を知らないのですが,初めて認識したscim-anthyで「一時アスキーモード」と呼ばれているので,ここでもそう称することにします。

例えば「Ubuntuオフラインミーティング」と入力したい場合,通常は,

  1. IMをオフにする。またはオフであることを確認する
  2. Shiftキーを押す
  3. 「U」を入力する
  4. Shiftキーを離す
  5. 「buntu」を入力する
  6. IMをオンにする
  7. 「おふらいんみーぃてんぐ」と入力し,変換キーまたはF7キーを押す

という手順になりますが,一時アスキーモードを使用すると,

  1. IMをオンにする。あるいはオンになっていることを確認する
  2. Shiftキーを押す
  3. 「U」を入力する
  4. Shiftキーを離す
  5. 「buntu」と入力する
  6. Shiftキーを押して離す
  7. 「おふらいんみーぃてんぐ」と入力し,変換キーまたはF7キーを押す

手数としては変わらないですが,Shiftキーでこなせるので,半角/全角キーのように離れたところにあるキーを押さなくてもいいぶん,楽に入力できます図1)⁠また,この方法だと変換エンジンが学習するため,特にMozcだと予測変換に出てきて便利なこともあります。

図1 一時アスキーモードを使用している例

図1 一時アスキーモードを使用している例

ただし,これはibus-mozcやfcitx-mozcといったMozcでの入力方法で,scim-anthyだと一時アスキーモードから抜けるとき(すなわち6番)に押すキーはESCです。ibus-anthyやfcitx-anthyやibus-kkcなどには,この機能はありません注2)⁠また,ATOKやMicrosoft IMEや,もちろんGoogle日本語入力でも使用できます。

注2)
fcitx-anthyはscim-anthyのフォークなので,ソースコード中に機能自体はあるのですが,有効にするための設定がありません。

この機能の欠点は,先頭が大文字,大文字小文字混じり,あるいは全部の文字が大文字の場合にのみ使用できることです。例えば大文字小文字混じりでも⁠IBus⁠注3といった最初の2文字だけが大文字の場合は使用できません。⁠Ubuntu GNOME⁠など,半角スペースが入る場合や大文字が連続している場合には使用できます。

注3)
過去はともかく現在のIBusのキャピタライズはこうなのですが,あまり正しく使われているのを見ません。何かに言及する場合はオフィシャルのWebサイトぐらいは確認したほうがいいんじゃないかと思うのですが……。

なお,Fcitxで一時アスキーモードを使用する場合は,設定の[全体の設定]タブにある[入力メソッド起動のその他のキー][無効]など,Shift以外に割り当ててください図2)⁠変更しない場合,Shiftキーはこの機能に取られるため,一時アスキーモードから抜ける際に支障が出ます。

図2 ⁠入力メソッド起動のその他のキー][無効]などにしないと一時アスキーモードが使用できません

図2 [入力メソッド起動のその他のキー]を[無効]などにしないと一時アスキーモードが使用できません

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

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