Ubuntu Weekly Recipe

第382回 達人になれない人のためのtmux/screenラッパープログラムByobu入門2015

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Ubuntuサーバーに最初からインストールされているByobuは,⁠テキストウィンドウマネージャー」「シェルマルチプレクサー」と名乗っている,tmuxやscreenを初心者でも簡単に使えるようにしたラッパープログラムです。

達人になれなくて……夏

Software Designの7月号の第2特集は「黒い画面(tmux)の使い方」と題して,tmuxの基本や使いこなしのヒントを紹介していました。Ubuntuでも,tmuxはサーバー版なら最初からインストールされていますし,デスクトップ版でも簡単にインストールできます。Recipeでも第127回で水野さんが「ターミナルマルチプレクサtmuxを使ってみよう」と題してUbuntuでのtmuxの使い方について紹介してくれました注1)⁠

注1)
tmux 1.2がリリースされて間もない頃,tmuxが日本でも広く認知されだした時期の記事とあってか,Recipeの連載で最もはてなブックマークがついた記事でもあります。

tmuxは初期設定でもそこそこ便利に利用できますが,manページの膨大な量を見るとわかるように,ただ使っているだけだと気がつかない便利な機能もたくさん存在します。それゆえ設定を自身のライフスタイルに合わせることでその真価を発揮できるのです注2)⁠

注2)
エンジニアが「⁠特定のプログラム)の設定ファイルを編集することで現実逃避している」みたいな話をすることがありますが,あれは日々のワークフローを見直し,最適化を行うことを目的とした一種の知的遊戯です。睡眠を取り夢を見ることで記憶を整理したり,一部のファイルシステムでデフラグするのと同じで,生きて行くうえで必要な行為でもあり,長期的に見ると生産性は向上しているはずです。ただし逃避行為であることは否定しません。

とはいえ,初心者がいきなり設定を行うのは難しいものでもあります。でもせっかくtmuxを使うのであればステータスラインぐらいはカラフルにしたいもの。そこで出てくるのがByobuです。Byobuを使えばtmuxの設定がよくわからなくても,⁠それっぽい」使い方ができます。

図1 何も設定せずとも,それっぽいステータスラインになるByobu

図1 何も設定せずとも,それっぽいステータスラインになるByobu

Recipeでも第72回第291回第292回においてByobuやバックエンドとして動いているscreenやtmuxの設定方法を吉田さんが紹介してくれています。

今回は2013年の第291回以降に変更点も含め,あらためて基本をおさらいしたいと思います。

ByobuのPPA

まず最初に,比較的最新のByobuを利用するためのPPAを紹介しておきましょう。ByobuはUbuntu DeveloperのDustin Kirklandが開発していることもあって,かなり新しいバージョンが公式リポジトリにも登録されています。ただSRU自体はあまり行われていないため,リリース後は古いバージョンになりがちです。

PPAではサポートされているすべてのリリース向けの最新版が用意されていますので,Byobuの新しい機能をどうしても使いたい場合は,こちらを利用するようにしてください。今回の記事では,Byobu 5.92をベースに説明します。

$ sudo add-apt-repository ppa:byobu/ppa
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install byobu

ちなみにただのシェルスクリプトとtmux/screen設定の集合体なので,他のディストリビューションやOSでも問題なくインストールできるはずです。

プレフィックスキーの変更

第291回でも説明しているようにByobuをインストールした直後はバックエンドとしてtmuxが選択されています。ただしキーバインドのプレフィックスは「Ctrl-b」ではなく「F12」です。つまり新規ウィンドウを生成したい場合は「F12 c」と入力します。

それとは別に「Ctrl-a」には「byobu-ctrl-a」コマンドがbindされています。これは「Ctrl-a」をEmacsのように「カーソルを行頭へ移動」キーとして使うか,screenのようにプレフィックスキーとして使うかという選択をするコマンドです。

Emacsモードを選んだ場合は引き続きF12が,screenモードを選んだ場合はCtrl-aがプレフィックスキーになると同時に,Ctrl-aのbyobu-ctrl-aへのバインドが解除されます。プレフィックスキーそのものを変更したい場合は,F9キーかbyobu-configコマンドで表示される設定画面で「エスケープシーケンスの変更」を選択すればGUIライクに設定できます。

図2 エスケープシーケンスの変更

図2 エスケープシーケンスの変更

このようにByobuはFキーを使用していくつかのコマンドやキーバインドをショートカットできる仕組みになっているのです。Fキーがシステムや他のCUIプログラムとバッティングして困る場合,Shift-F12もしくはbyobu-keybindingsコマンドを実行すれば,一時的にFキーバインディングを無効化できます。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。

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