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第418回 Ubuntu GNOME 16.04 LTSの変更点

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今回はUbuntu GNOME 16.04 LTSの変更点をお知らせします。

Ubuntu GNOME 16.04≒GNOME 3.18

現在のGNOMEの最新バージョンは3.20ですが,Ubuntu GNOMEでは3.18を採用しています。

とはいえ,いつものとおりコンポーネントのバージョンを揃えているわけではないので,個別に見てみましょう。コンポーネントはすべてパッケージ名で表記しています。

表1 Ubuntu GNOME 16.04のコンポーネント(抜粋)

バージョン コンポーネント(パッケージ名)
3.8.x vino
3.12.x brasero, emphathy, gnome-icon-theme
3.14.x nautilus, gnome-user-share,
3.16.x file-roller, gnome-font-viewer
3.18.x adwaita-icon-theme, aisleriot, baobab, cheese, dconf-editor, eog, evince, evolution, gcr, gdm3, gedit, gnome-accessibility-themes, gnome-backgrounds, gnome-bluetooth, gnome-calculator, gnome-color-manager gnome-contacts, gnome-control-center, gnome-disk-utility, gnome-documents, gnome-getting-started-docs, gnome-getting-started-docs-ja, gnome-keyring, gnome-logs, gnome-mahjongg, gnome-maps, gnome-mines, gnome-music, gnome-online-accounts, gnome-orca, gnome-photos, gnome-screenshot, gnome-session, gnome-settings-daemon, gnome-shell, gnome-shell-extensions, gnome-sudoku, gnome-sushi, gnome-system-monitor, gnome-terminal, gnome-themes-standard, gnome-tweak-tool, gnome-user-guide, gnome-weather, gucharmap, mutter, seahorse, totem, yelp, zenity
3.20.x gnome-calendar, gnome-software, simple-scan

"vino"がアップデートされない理由は第411回に述べたとおりです。"brasero"と"emphathy"は最近アップデートされておらず,Ubuntu GNOMEでは変わりありませんがUbuntuのデフォルトインストールからは外されました。"gnome-icon-theme"は"adwaita-icon-theme"に置き換えられていますが,おそらく後方互換性のために残されているのでしょう。

"nautilus"は3.18へのバージョンアップが試みられましたが,3.14に差し戻されました。4月上旬現在"1:3.18.4.is.3.14.3-0ubuntu4"というバージョンになっていることからもわかります。

"file-roller"と"gnome-font-viewer"はどちらも3.16でのリリースは見送られています。

"simple-scan"は常連ですし,"gnome-software"と"gnome-calendar"はUbuntu向けの追加機能もあるのでどうしても最新版でなくてはならない理由があります。

というわけで,個別に見てもやはりUbuntu GNOME 16.04≒GNOME 3.18であるといって差し支えないでしょう。

外観が大幅に変わったアプリケーション

今回,外観が大幅に変わったアプリケーションがgeditです。ボタンがなくなって右横のメニュー※1にまとめられ,階層をたどる必要があるので実行したいアクションにたどり着くまでの手数が増えてしまいました。しかし,これはGNOME Shellを使用している場合のみで,UnityやXfceだとまた違います図1図2図3※2)⁠

※1
三の字に見えるこのアイコンは,ハンバーガーメニューというのだそうです。
※2
この変更はgedit 3.18.3としてはUbuntu独自のものですが,3.20には取り込まれています。

図1 GNOME Shellでgeditを起動したところ。メニューは右端にまとめられている。

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図2 Unityでgeditを起動したところ。

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図3 Xfceでgeditを起動したところ

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新規アプリケーション

[ソフトウェア(gnome-software)]はUbuntuソフトウェアセンターの代わりにインストールされるようになりました図4)⁠ 。これはUbuntuはもちろんLubuntuを除くフレーバーで同様の変更点です。ただしUbuntuでのみ[Ubuntu Software]という名称になる見込みです。

[カレンダー(gnome-calendar)]もまた追加された新規アプリケーションです図5)⁠同じくUbuntuにも追加されています。

さまざまなログを表示する[ログ(gnome-logs)]も追加されました図6)⁠本当にログを表示する だけのシンプルなアプリケーションです。

PPAからインストールしたパッケージを削除する"ppa-purge"も追加されました。

図4 ソフトウェアの起動直後の画面

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図5 ログには重要なログを抜粋して表示する機能もある

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図6 カレンダーは,今回は試していないがGoogleカレンダーと同期する機能もある

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オンラインアカウント

GNOMEのオンラインアカウント機能を使用すると,さまざまなWebサービスなどを手軽に使用できるようになります図7)⁠特に便利なのは,MicrosoftとGoogleアカウントでしょう※3)⁠GNOMEのオンラインアカウント機能はGNOMEを使用する絶大なメリットの一つなので,積極的に活用したいところです。

図7 オンラインアカウントで追加できるアカウントの一部。Ubuntu(Unity)のものより多い

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拡張機能

Dash to Dockはこれまでと変わらず,もちろんGNOME Shell 3.18をサポートしています。TopIconsは最近TopIcons Plusというフォークができました。GNOME ShellでFcitxを使用したい場合は必須といえる拡張機能なので,このフォークは歓迎すべきでしょう。

日本語入力(インプットメソッド)関連

日本語入力(インプットメソッド)については第417回に執筆したので,こちらをご覧ください。

より完全なGNOME 3.18とGNOME 3.20

より完全にGNOME 3.18にするパッケージはPPAで配布されていますが,本記事の公開段階では事実上[Nautilus]しかありません。

GNOME 3.20にアップデートするPPAも同様に公開されていますが,正常に動作するかどうかはよくわかりません。

いずれにせよ,これらのリポジトリを有効にした場合は,次のアップグレード(16.10あるいは18.04)の前に"ppa-purge"で削除するようにしましょう。おそらくそのために追加されたものと思われます。

ミラーサーバー

最後まで読んでくださった方に耳寄りな情報です。これまでUbuntu GNOMEを始めとしたフレーバーはcdimage.ubuntu.comからダウンロードする必要がありましたが,この度JAISTにcdimage.ubuntu.comのミラーができました。もちろんUbuntu GNOMEもありますので,ダウンロードの遅さに辟易とされている方はこちらからダウンロードしてみてください。あわせてJAISTの関係者の皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。

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