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第445回 LibreOffice Writerで構造化したドキュメントを執筆する

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

今回はLibreOffice Writerで構造化したドキュメントを執筆する方法について解説します。

なぜ構造化するのか

そもそも,なぜドキュメントを構造化するのでしょうか。すべてのドキュメントは構造化されるべきだから構造化するのです,ではまったく説明になっていません。

この理由としては,構造化することにより長くなればなるほど,または複雑になればなるほど手間が減り,最終的にはドキュメントの執筆に集中できることが挙げられます。ということは,短いドキュメントや単純なドキュメントではさしたるメリットがないことになります。もちろん短くても単純でも構造化したほうがいい場合もあるため,事前に知識があれば構造化するかしないかを選択できます。

今時はWriterで文章を書かなくても,Markdown形式やreStructuredText形式などで執筆し,PandocでODT形式に変換する方法も取れます。この手法の場合は嫌でも構造化を意識せざるを得ないので,その延長でWriterでも構造化するといいでしょう。

「構造化」を難しく考えすぎると敬遠してしまうかもしれません。しかし,適切に見出しをつける,という簡単なことだけでも「構造化」と言っていいと筆者は思うので,あまり難しく考えることはありません。積極的に構造化しましょう。

日本語レイアウトについて

日本語レイアウトの設定については第440回を参考に設定してください。

構成を考える

Writerで最初から執筆する場合は,どのような構成にするかを考えておくといいです。表紙は入れるのか入れないのか,目次入れるのか入れないのか,ページ数(ノンブル)はどうか,索引,奥付はどうするかなどでしょうか。完成形を頭に入れておくことができるのが理想ではあるものの,実際には後から変更したくなることもあるでしょう。特に何を書くか考える簡易アウトラインプロセッサとして使用するのであれば構成は後からになるでしょう。またPandocからの変換の場合は,どうしても後から考えることになります。そこで今回は構成を後から考えることにします。

今回のサンプル解説

今回のサンプルドキュメントはSoftware Design 2016年3月号に掲載された「Ubuntu Monthly Report 【71】Ubuntuのエディタといえばgedit」を一部改変して使用しています。理由は筆者が気に入っているからです。

使用したLibreOfficeは,PPAにある5.2.3です。筆者が知る限りでは,今回紹介する範囲では5.1系列と違いはないはずですが,多少メニューの位置は変わっているかもしれません。

簡易アウトラインプロセッサ

Writerのサイドバーにはナビゲーターという機能があり,ナビゲーターの「見出し」は簡易アウトラインプロセッサとして使用できます図1)。タイトルと見出しを入力し,それぞれスタイルを適用すると表示されます。右側の∧∨では章の移動が,〈〉ではレベルの変更(見出し2を3にしたりなど)ができます。今は見出ししかありませんが,本文を執筆した場合は段落ごとの移動もできて便利です。

まずはこれで内容を詰めましょう。

図1 右側のサイドバーで表示しているナビゲーターは,簡易アウトラインプロセッサとしても使用できる

図1 右側のサイドバーで表示しているナビゲーターは,簡易アウトラインプロセッサとしても使用できる

見出しのスタイル

見出しのスタイルはデフォルトだと文字が大きすぎ,また太字になっているので修正します。日本語のような複雑な文字では太字にすると潰れて読みづらくなることがあるため,使うべきではありません。もし使いたい場合はNotoフォントのように太さ(ウエイト)を各種揃えたフォントを使用するべきです。

見出しのスタイルの変更方法は440回でも紹介しましたが,変更したいスタイルを表示して右クリックし,「変更」をクリックします。あとは「フォント」タブなどで修正し,「OK」をクリックします。「インデントと間隔」タブを開くと,間隔が指定されています。見出しと段落の空白が不要な場合は,この値を変更してみてください。

本文の執筆

いよいよ本文を執筆します。なお,本文のスタイルは「標準スタイル」ではなく「本文」にすると読みやすいです。

図表とキャプション

図(画像)の挿入は,[挿入][画像]から,表の挿入は[表][表の挿入]から行います。ポイントはキャプションを必ずつけることです。図表を選択した状態で[挿入][キャプション]で設定できます図2)。挿入してみると斜体になっているので,[段落スタイル][キャプション]を修正します。

図2 キャプションの挿入ではプレビューで確認ができる

図2 キャプションの挿入ではプレビューで確認ができる

なお,挿入したキャプションそのものやキャプションの位置を修正する機能はありません。

また,すべての図表にキャプションを付ける場合は[キャプションの挿入][自動]でテンプレートを設定できます図3)。

図3 キャプションはテンプレートを設定できる

図3 キャプションはテンプレートを設定できる

表は[表][表の挿入]で最初に表を挿入してから項目を追加することができます。表にしたいテキストを選択した状態で[表][変換][文字列を表にする]をクリックして表示されるウィンドウで設定を行えば,表への変換を行うこともできます図4)。

図4 テキストを表に変換する場合,オプションを選択できる

図4 テキストを表に変換する場合,オプションを選択できる

ブックマーク

キャプションは画像や表,図形描画オブジェクトなど,つけられるものが限られます。それ以外に目印をつけたい場合は[挿入][ブックマーク]でブックマークをつけます。今回は特に使用しません。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。

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