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MySQLの将来はどうなる!?

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MySQLはオープンソースのデータベース

MySQLは,オープンソースのリレーショナルデータベースです。世界中に普及しており,おもにWebサイトの構築用に使われています。

無償で使えるということもあり,Webサイトを作る際に,同じく無償のPHPやApacheなどと組み合わせて使用されるケースが多く,これにLinuxを加えてLAMP(Linux,Apache,MySQL,PHP)という略称で呼ばれることもあります。

企業での導入事例も多く,たとえば,Yahoo!やmixiなどのデータベースもMySQLで作られています。

OracleがSunを買収

このMySQLに,2009年4月,大きな出来事が起きました。MySQLを所有していたSun Microsystemsが,Oracleに買収されることが発表されたのです。Oracleといえば,商用のリレーショナルデータベースであるOracle Databaseの販売元です。つまり,Orcaleから見れば,ライバル製品を買収したことになります。

そのため,今後MySQLはどうなってしまうのか,もしかしたら潰されてなくなってしまうのではないか,といったような心配が利用者やコミュニティから起きました。しかし,買収発表以降,Oracleからは,明確な方針は明言されていませんでした。

MySQLに関する10の約束

そのような中,2009年12月,買収によるデータベース市場の独占を懸念している欧州委員会に対し,MySQLに関する10の約束が発表されました

誌面の都合もあり詳細は省きますが,MySQLに関して今後もリリースを続けていくことや,研究開発費用をSun Microsystems以上に投資すること,これらを5年間守ることなどを発表しています。

これに対して欧州委員会から判断が下るのは,2010年1月末となっています。Orcaleの方針がわかり,ひとまずはこれまでどおり使用できるということで,MySQLの利用者にとっては,安心してよい状況だと言えるでしょう。しかし,この約束にはとくに法的拘束力があるわけでもないので,これらがきちんと守られるのか,また,守った後の5年後はどうなるのかという心配もあるかもしれません。

世界中の普及度から言って,MySQLが急になくなるということはないかと思いますが,今後MySQLがどうなっていくのかについては,目が離せない話題になるのは確かでしょう。