アンケートご協力のお願いgihyo.jpでは,2010年度に向けて豪華プレゼントが当たる読者属性アンケートを実施しております。ご協力ください。

gihyo.jp » LIFESTYLE STAGE » 連載 » Re:PoIC~ライフハッカーのためのPoIC入門 » 第2回 PoIC入門~PoICの始め方

Re:PoIC~ライフハッカーのためのPoIC入門

第2回 PoIC入門~PoICの始め方

PoICの最初の壁

第2回目はPoICの始め方と続けるための工夫,そして若干の失敗についてお話しします。

PoICを始めるにはカードをひたすら書き,ドックに貯めること以外ありません。何故なら,PoICでは,カード情報が一定量以上になって初めて見えてくるものがあるからです。その初期においては,質よりもまず量をとにかく優先することになります。

PoIC考案者であるHawk氏はコレクト社のMDF製のカードボックスを,カードを蓄積するためのドックとして使用しています。このカードボックスひとつで情報カードがおよそ1000枚は収納できるそうです。やはり,このカードボックスひとつが満たされるほどのカードが蓄積されなければ,PoICの本領は発揮されないのだと思います。

しかし,それだけの量が貯まる間,ただひたすらカードを書き続けるのは非常に苦痛です。

1000枚貯まるまでカードを書き続けることが続くのだろうか,あるいは,1000枚に到達したところで本当に役に立つのだろうか,といった心配が尽きない,あやふやなゴール(実はスタートラインなのです)に向けて,ただひたすらカードを書き貯めていくというのは,ある種,精神修養のような状態で,不屈のモチベーションが必要なのではなかろうとか不安になってしまいます。

こうした精神状態がPoICの最初の壁であり,手を出しにくさを感じさせる原因なのではないのでしょうか。

最初の一枚

PoICマニュアルでは,最初の一枚は日記から書くと良いと記されていますが,これは「その日の最初の一枚」であり,PoICの最初の一枚のことではありません。PoICの最初の一枚目に書くことは,「今日からPoICを始める」ですが,問題はその次の実質的な最初の一枚です。

正直に告白すれば,僕はPoICを始めようと思ってから,実際にカードを書き始めるまでに,およそ一か月ほどのブランクがあります。というのも,Hipstar PDA以外の情報カードの使い方になれていなかったので,京大式カードよりも小さい5×3インチサイズとはいえ,一件一枚の原則がとてももったいなく思えたためです。また,本当にPoICが役に立つのかどうか判らず,大量に書き貯めたカードが,無駄になるのではないかという不安が払拭しきれなかったからです。

最初の一か月間は,情報カード100枚の束を鞄に入れたまま,毎日取り出しては何も書かずにしばらくもてあそび,また戻すということを繰り返していました。そのカードの束の四隅が少しへたってきた頃,やっと(実質的な)最初の一枚を書き出すことが出来ました。

最初のカードに書かれたもの,それは今日使った分のお金の記録。つまり家計簿でした。役に立つのか判らないので不安というのなら,最初は役に立つ情報を集めていけばよい,というわけです。

インスタントPoIC

PoICが使い物になるかどうか判らないなら,使えるデータから収集していけば良い,という結論を得た僕は,家計簿から始めることにしました。PoICを始めたばかりで,情報カードの使い方に戸惑っている時には,文章よりも数値データなどを書いていった方が良いと思います。文章よりも書くことに対する心理的障壁がかなり低くなります。

僕は,その日に使った分の金額のうち,レシートを貰えないものを野帳に記録し,それを毎晩カードに転記し,一週間ごとにMac上の家計簿ソフトに入力していくことを始めました。これですでに小タスクフォース(※1)を編成したことになります。ただし,これは小タスクフォースなので,転記したカードはドックの元の位置に戻すことが肝心です。

どうせデータを記録するならば,毎日記録した方が良いデータから始めると効率的です。家計簿のほかに,例えば体重の増減,昼食のメニュー,たばこの本数,飲酒の量,ガソリン給油量,かかった病院と処方された薬などです。これらはすべて定点観測された多変量データと言えます。

家計簿,昼食のメニュー,体重の記録の3枚を毎日記録していけば,一か月で100枚近くのカードが貯まることになります。これだけで,それぞれ関連する立派な時系列データになっています。今日はこれだけお金を使って,これこれの昼食を食べ,体重は何キロだった,というカードを並べたストーリーを見れば「今日は高くてこってりした北京料理を食べ過ぎたな」などといった,それ相応の感想が出てきます。それもカードに記します。そうしていくことで,段々とカードに文章を書くということに対する心理的障壁がなくなっていきます。

また,毎日自分の生活をデータとして見直すことにもなり,無駄遣いや食べ過ぎ,運動不足などに思いが向き,それらの改善にもつながります。何となく思っていることでも,やはりデータの蓄積として見せられてしまうと,何とかしなくてはという思いが起こるものです。こうした振り返りの結果,いままで仕事場の最寄駅まで乗り換えて利用していた地下鉄を,乗り換えずに一駅分歩くことで,毎月の交通費が三千円ほど節約でき,なおかつ体重が(多少)減少するという効果がありました。

やがて,仕事上の文書の書式,支払い明細などと,カードに書き記すデータの範囲が広がっていきました。毎日の日記を記すのは,データに書き慣れてからでも構いません。無論,これは僕に日記を書き記す習慣がなかったと言うだけで,そうした習慣がすでにある方は,やはり日記から始めるほうがいいと思います。

※1)
タスクフォースに関しては「PoIC:情報カードの積み重ね 第4回」も参照してみてください。

著者プロフィール

野ざらし亭(のざらしてい)

「Blog:野ざらし亭」亭主。他人のアイデアに相乗りする自称知的ヒッチハイカー。現在 はPoICの荷台に厄介になっている。

Blog:野ざらし亭
URLhttp://scribbler.cocolog-nifty.com/

コメント

コメントの記入

パスサポ

多数の情報処理技術者試験対策書籍の発行実績を誇る技術評論社がお届けする,資格試験合格サイト「めざせ! 情報処理試験 パスサポ」が開設されました。

ピックアップ

サクセスストーリーに続く,快適サーバー運用管理のヒント!

データの増大,煩雑な管理,システムダウン,セキュリティなど,迫りくる課題からシステム管理者の負担を軽くするポイントを解説します。

gihyo.jp インフラエンジニア情報局

ネットワークやITにかかわるあらゆる業種で必要とされるインフラエンジニアに向けた技術情報や心構え,その魅力について多角的に紹介。

テストエンジニア ステーション

いま,ITに関わるあらゆる開発業務で注目されつつあるテスト系エンジニアをターゲットにしたコンテンツサイトを展開します。

一行クイックアンケート

gihyo.jpで取り上げてほしいネタは?

※検索はページ右上の検索ボックスをご利用ください。

その他の連載

読むウェブ ~本とインタラクション

ディスプレイで読む活字とそのインタラクション(interaction:相互作用)について,最新Webを紹介しながら読み解いていく。

いま,見ておきたいウェブサイト

この連載では,国内外の最新のウェブサイトを隔週更新で取り上げ,これら最新サイトの特徴や素晴らしい部分を,さまざまな角度から解説していきます。

Windows phoneアプリケーション開発入門

Windows Marcketplace for Mobileがサービス開始され,作成したアプリケーションを個人でも世界をターゲットに公開できる環境が整ってきました。これを機にWindows phoneアプリケーションの開発をしてみませんか?

ここは知っておくべき!Windows Server 2008技術TIPS

5年ぶりのサーバOSとなったWindows Server 2008が出荷されて早2年。2009年にはR2が出荷され,再び注目を集めています。発売前から実施したトレーニングによって感じた,インフラエンジニアの方々に知っておいていただきたい機能を中心にご紹介します。

キーパーソンが見るWeb業界

本連載はWeb Site Expert/gihyo.jpとの連動企画です。阿部淳也, 長谷川敦士, 森田雄のお三方による,Web業界をテーマにした座談会です。

きたみりゅうじの聞かせて珍プレー

ソフトウェア開発の現場で体験したトホホな失敗,思わずうなる珍プレーをきたみりゅうじ氏が四コママンガで紹介。みなさんからの投稿もお待ちしてます!

ActionScript 3.0で始めるオブジェクト指向スクリプティング

野中文雄氏が,簡単なスクリプトは書いたことがあるという初級者を対象に,ActionScript 3.0の基本からクラス定義までを解説します。

まだ間に合う「ITパスポート」受験対策 原山先生の短期合格塾

この連載では,4月18日のITパスポート試験の受験に向けて,短い期間で効率良く受験対策を行う方法や,確実に得点するための裏ワザなどを伝授していきます。

連載一覧

gihyo.jp

  • DEVELOPER STAGE
  • ADMINISTRATOR STAGE
  • WEB+DESIGN STAGE
  • LIFESTYLE STAGE
  • SCIENCE STAGE
  • NEWS & REPORT

書籍案内

  • 新刊書籍
  • 書籍ジャンル一覧
  • 書籍シリーズ一覧
  • 新刊ピックアップ
  • ロングセラー
  • 電脳会議

定期刊行物一覧

  • Software Design
  • WEB+DB PRESS
  • Web Site Expert
  • 組込みプレス