小飼弾のアルファギークに逢ってきた
そろそろ『小飼弾の アルファギークに逢ってきた』について一言 言っておくか
本書は,WEB+DB PRESSの連載をまとめた書籍です。連載のバックナンバーはすべて,Webで公開していますので,それらをお読みになった方には,本書の多くはすでに読んだことのある内容です。ではそれが1冊の書籍になったら,はたしてどのくらい意味があるものなのか。正直に言って,それは当初,よくわかりませんでした。
なにしろ,雑誌連載は毎回,(取材先の方を,そのときそのとき弾さんと選りすぐってお願いはしますが)基本は行き当たりばったりでやっています。そんな“パーツ”を寄せ集めただけで,はたして本としてのまとまりが出るのか。だいたい,弾さんは取材のときも,編集部の用意する想定質問をほとんど無視して話を進めていきます。対談相手と弾さんのどちらがインタビュアーかわからなくなるときも(しばしば?)あります。そんな対談をまとめるだけ[注]で,はたして良いのか?
…それは杞憂でした。なぜかというと,ブレることのない軸がこの書籍にはあるからです。「小飼弾」という軸が。対談相手を翻弄するかのような質問や,ときには相手の発言を遮って展開される「弾言」で,対談はしばしばあちらこちらに話題が飛びます。対談を記事にまとめるのはとてもたいへんなのだと弾さんはブログでおっしゃっていますが,正直,編集するほうもちょっとたいへんだったりします(言っちゃったよ)。でもそれが書籍になったとき,そうした発言の数々は,見事に1つにつながっていました。
ブレない軸があるので,国内外のギークたちとの対話は,テーマが,移ろいやすいと世間的には思われる「ウェブ」をはじめとする話題であるにも関わらず,表層を貫いて,変わることのないエッセンス(本質)を描き出しています。
技術誌の連載がベースなので,プログラミングの話も多いです。エンジニアの方でないとわからないこともたくさんあると思います。なのに無理やり縦書きです。
でも,きっと見えてくるものがあるはずですので,ぜひ,エンジニアの方はもちろんのこと,そうでない方も一度,本書をお読みになってみてください。
弾さんも「アルファギークを知らずして,未来を知ることならず」と弾言されていますので!
ブレない軸,「小飼弾」
- 注)
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ホントは,連載で未使用の音声から記事を起こしていただいたり,書籍向きな話題を追加したり,もろに時事ネタな話題を割愛したりと,追加・差替もしてます。こまごまと直しやアップデートもしてます。注記もかなり入れています。
7周年記念イベントでの伊藤直也さんとの対談も収録しました。実際の対談はニコニコ動画で公開していますが,書籍で読むとかなり明確にエッセンスをご理解いただけるかもと思います。
各対談ごとに,弾さんによるコメント「弾感」も入ってます。
さらには書籍限定コンテンツとして,きたみりゅうじさんに,小飼弾さんへの突撃インタビューもしていただきました(もちろんイラストも!)。きたみさんの率直なツッコミで,たいそう読み応えのある対談になっております。
あそうそう,対談では,「受託開発」や「SEはこれからも食べていけるか」といった,「ギーク」な話とはある意味,真逆の話題もあれば,弾さんの今に至るまでの知られざる(?)過去まで触れられていたりします。
そんなふうに,書籍化にあたってはあれこれと手が加えられていますが,まあ,Webでも公開しているのと基本は同じです。
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一漫画読者の意見 - 産みの親より育ての親 - の方がひどい!?
私は「金色のガッシュ」の読者ではないので、「一読者」ではなく「一漫画読者」の意見としたが、これはたしかにひどい。
(株)小学館を提訴。 雷句誠の今日このごろ。/ウェブリブログ
漫画は書かぬが記事は書く私としても、他人事とはとても思えなかった。Tracked : #2 404 Blog Not Found (2008/06/07, 20:09)
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紹介 - そろそろ『小飼弾の アルファギークに逢ってきた』について一言言っておくか
自著の紹介文をさらに紹介するのも気恥ずかしいものですが。
そろそろ『小飼弾の アルファギークに逢ってきた』について一言 言っておくか[小飼弾のアルファギークに逢ってきた(WEB+DB PRESS plusシリーズ)]|gihyo.jp … 技術評論社Tracked : #1 404 Blog Not Found (2008/04/10, 03:47)