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Google App Engine for Java[実践]クラウドシステム構築

本書に寄せて

Google App Engine API Expert
松尾 貴史

2008年4月にGoogle App Engine(以下,GAE)がリリースされ,そのコンセプトに衝撃を受けて以来,私はずっと,GAEの追っかけみたいなことをしています。普段はPython版GAEを主に使っていて,これまで書いた中で一番の力作と思っているのは,2009年7月7日(七夕)にリリースした,Python版GAE用Webアプリケーションフレームワーク「Kay」です。自分がGAEにどれくらい入れ込んでいるかは,このフレームワークの名前が私の息子と同じ(しかも誕生日とリリース日が一緒!)ということからわかっていただけるかもしれません。…と,自分の作品(親バカぶり?)を披露するのはここまでにして,本書の紹介に移りましょう。

GAEがアピールする大きなポイントは「簡単に/無料で始められる」「簡単にスケールする」の2点です。GAEのインフラは,簡単にスケールするように設計されていますので,プログラマはただプログラムを書くだけで,スケーラブルなWebアプリケーションが提供できるようになります。

ただし,プログラムの実行環境に,通常のWebアプリケーションにはない制約が設けられていたり,とくにデータベースのレイヤは,従来のRDBMSとは大きく異なるしくみで実装されているなどの違いもあります。GAEに初めて触れる方の中には,こうした点にとまどい,GAEの導入に至っていないという方もいらっしゃるようです。

本書には,そういった制約も含め,GAE/Jの開発に必要な情報がすべて詰まっています。もしあなたがGAE/Jによる開発に興味をお持ちなら,本書を読んで損はありません。お読みいただくことで,制約を踏まえても使ってみるべきGAEの魅力がご理解いただけるのではないかと思います。

本書によって,世の中に素敵なWebアプリケーションが増えることを信じています。

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