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プログラマのための文字コード技術入門

はじめに

「はじめに」『プログラマのための文字コード技術入門』より転載
2010年1月 矢野 啓介

文字コードは,ソフトウェア技術者にとって必須の知識です。プログラミングをするうえでも,データフォーマットなどを設計するうえでも必要です。しかし,文字コードの知識を体系的に学ぶ機会というのは滅多にありません。断片的な手がかりを元にWebで検索するなどして調べるといった対応をすることが多いと思います。

本書は,ソフトウェア技術者をおもな対象として,文字コードの基礎知識をなるべく筋道立てて説明しようと試みたものです。前半の第1章から第4章までは,文字コードの基本的な概念から始めて,現在日本で使われているものを中心として各種の文字コードを紹介します。後半の第5章から第8章までは,いわば応用編として,コード変換や判別,インターネットでの扱い,プログラミング言語での扱い,そして典型的なトラブルについて説明します。

さまざまな文字コードを本書では取り上げますが,一概にどれを使うべきといった判断は本書は下しません。どの文字コードもそれなりの理由があって作られたものですから,自分のプロジェクトの置かれた状況に応じて有用なものを選んで使えば良いというのが本書のスタンスです。本書ではそれぞれの文字コードがどのような特徴を持っているか,どのような用途に向くかを説明します。また,本書では説明の根拠となる規格等への参照をできるだけ本文中に記すよう努めました。より詳しく知りたい方は,そうした規格等に直接あたって調べることができます。

本書の内容について,内田明氏,高橋征義氏,武者晶紀氏より有益なご助言をいただきました。深く感謝いたします。もちろん,本書の内容に誤りがあれば著者の責任であることはいうまでもありません。

本書の記述のうち意見にかかわるものは,筆者個人の見解であり,いかなる組織を代表するものでもないことをお断りしておきます。

本書が読者の文字コード理解の一助になれば幸いです。

著者プロフィール

矢野啓介(やのけいすけ)

北海道札幌市出身,工学修士(北海道大学,システム情報工学専攻)。(株)富士通研究所に勤務し企業向けソフトウェア技術の研究開発に従事するかたわら,ライフワークとして文字の符号化を探求。オープンソースの仮名漢字変換ソフトウェアSKKのJIS第3第4水準漢字辞書の開発に携わる。ソフトウェア工学分野の研究により,情報処理学会から2017年度山下記念研究賞を受賞。

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