Windows AzureクラウドサービスにInfiniBand採用のA8、A9インスタンスを追加(1/31)
Windows AzureクラウドサービスにInfiniBandを備え、RDMAにも対応したA8、A9インスタンスが追加となりました。
Windows Azureのコンピューティングサービス(クラウドサービス、仮想マシン、Web サイト、モバイルサービス)のサーバスペックは、仮想コア(CPU)やメモリ、IOリソースがセットになっています。クラウドサービスの場合は“標準インスタンス”と、標準インスタンスよりメモリが増強されている“メモリ集中型インスタンス(Memory Intensive Instances)”があります。
このたび、さらにサーバスペックを強化した“コンピューティング集中インスタンス(Compute Intensive Instances)”と呼ばれるA8(8コア/56GB)およびA9(16コア/112GB)が正式提供(GA:General Availability)され、利用できるようになりました。これらのインスタンスには40Gbps InfiniBandが備えられており、RDMA(Remote Direct Memory Access)対応により、HPCなどMPI(Message Passing Interface)を利用した並列アプリケーションの効率性が向上します。
このA8、A9インスタンスはまず、米国中北部(US North Central)および西ヨーロッパ(Europe West)のデータセンターでの提供となります。
Windows Azureクラウドサービスは、Windows Azureのサービス開始当初から提供されているWindows ServerベースのWebアプリケーションをホスティングするPaaS型のクラウドサービスです。
Windows Azureの各データセンターには莫大なリソースが備えられており、Windows Azure自体がWindows ServerおよびSystem Center Hyper-Vを用いた仮想技術をベースとして構築されています。ファブリックコントローラと呼ばれるコンポーネントがリソースの自動管理を行っており、ノード管理、ネットワーク設定、健全性モニタリング、サービスインスタンス(仮想マシン)の開始/停止、サービス配置といったサービスの監視、維持を行います。
Windows Azureクラウドサービスでは、セキュリティアップデートを含めたOSなどの管理やアップデート、稼働状況の監視など、ハードウェアおよびOSの管理はWindows Azure側で自動化されています。Windows Azureクラウドサービスで稼働させるアプリケーションの配置(デプロイ)についてもWindows Azureでコントロールを行っており、OSアップデートや障害時など、インスタンスの再起動が必要な際の再配置も行います。
Windows AzureクラウドサービスのインスタンスはWindows Serverベースの専用OSで稼働する仮想マシンであり、Windows Server 2012 R2 / 2012 / 2008 R2 / 2008 の4種類から選択できます。それぞれ月1回程度セキュリティ更新などのアップデートが行われており、自動でアップデートを適用するように設定できます。また、インスタンスは2種類用意されており、Webサーバ(IISが稼働している)として機能する“Webロール”と、バックグラウンド処理などを行う“Workerロール”があります。
Windows Azure対応アプリケーションの開発は、Visual Studioなどの開発ツールと統合されています。Windows Azure SDKに含まれるクラウドサービス用のアプリケーションテンプレートやローカルデバック環境を利用でき、Windows Azureに配置してリモートデバッグも実行できます。