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2016年12月13日メジャーリリースは年イチにしないか? Fedoraリーダーがリリースサイクル変更を提案

Fedoraのリリースサイクルは年に1回でもいいんじゃないか ―FedoraプロジェクトのリーダーMatthew Millerが12月5日(米国時間)に投稿したメールがFedoraコミュニティでちょっとした話題になっている。

Some preliminary Fedora 25 stats — and future release scheduling :devel-Fedora Mailing-Lists

Millerはメールの冒頭、11月22日にリリースしたFedora 25について、公開1週間でミラーネットワークのアクセス数が4万に迫っているというグラフと数字を挙げ、⁠Fedora 21(2014年11月リリース)は1週間で3万そこそこだった。以前のバージョンに比べて急激に数字が伸びているのはすばらしいニュース」と評している。

Milerは続けて「その一方でFedora 20以来、見逃せないもうひとつのトレンドがある」と指摘、Fedora 20からFedora 23まではそれぞれのピーク(最大アクセス数)が前のバージョンを超えていたが、Fedora 24(2016年6月リリース)ではそれを超えることができなかったとしている。また、どのバージョンもリリース後、次のバージョンのベータ版が出るまではほぼ一定数のアクセスをキープしており、次バージョンがリリースされると数字は急降下するが、この傾向は「リリース後、1年間バージョンアップのなかったFedora 20と同じ」だとMillerは強調する。⁠これはつまり、Fedora 25のリリーススケジュールを早めたことにより、Fedora 24の寿命を短くしたとは言えないだろうか⁠⁠。1年に2回のリリースは多すぎる、Fedora 20のように1年に1回でいいのではないか、というのがMillerの提案だ。

Millerはその提案の理由として以下の3つを挙げている。

  • (Fedora 24のように)前のバージョンを無下にするということは、それこそ無駄な作業ではないだろうか
  • プレスやPRの動向を見ると、年に2回のリリースではニュースなどであまり取り上げられない。むしろ年に1回、ビッグリリースを出すほうが取り上げられるのではないか
  • モジュラリティと"ジェネレーションなコア"という2つのトレンドがFedoraにも及んできている以上、リリースのあり方を全体的に見直す機会なのではないか

UbuntuやopenSUSEなど、春と秋にバージョンアップをするディストリビューションは多いが、スケジュールをほぼ遅らせることなくきっちりと予定日に公開までもっていくUbuntuとは異なり、Fedoraの場合は当初の予定より2、3度の遅延が生じるケースが多い。Fedora 25も2回の遅延が生じている。そうやって苦労しながらなんとか年2回を実現しても、前のバージョンを実質的に"殺す"ことになったり、あるいはOS開発にもローリングリリースのブームがきている昨今の現状にマッチしなくなっているという点は、Millerの指摘するとおりだろう。現在も議論が続いているが、2017年6月にリリースが予定されているFedora 26以降、Fedoraの開発体制が大きく変更される可能性は十分にありそうだ。

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