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2020年6月16日 Linux 5.8-rc1が公開,カーネルサイズは"Really Big"

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Linus Torvaldsは6月14日(米国時間⁠⁠,次期LinuxカーネルLinux 5.8の最初のリリース候補版となる「Linux 5.8-rc1」を公開した。Linusは公開を通知するメーリングリストのメッセージの冒頭で「本当にこんなふうになるとは思ってもいなかったんだけど,5.8はこれまででもっとも大きいカーネルのひとつになりそう」とコメントしており,久々にカーネルサイズが大幅に増えることになりそうだ。

Linux 5.8-rc1 -Linus Torvalds

Linuxカーネル開発において過去最大のサイズとなったのが2016年12月にリリースされたLinux 4.9で,最初のリリース候補版(RC1)のサイズも大きく,Linux 5.8-rc1はコミット数などではこれに及んでいない。しかしLinux 4.8の場合はGreybusプロトコルをサブシステムとしてマージしたことがカーネル肥大化のおもな原因で,それ以外は目立った変更は少なかった。また,コードの追加が多かったLinux 4.12(2017年7月)ではAMD GPUドライバの新規追加が増えたことが理由とされている。

だが今回のLinux 5.8-rc1の場合,Greybusのように目立って大きなマージがあったわけではなく,カーネル全体として「包括的に大きなリリース」⁠Linus)となっており,ドライバの変更,基本的なコアワーク/クリーンアップ,ドキュメントの追加など,通常の開発作業量が総じて多くなっているという。Linusが明らかにした数字によれば,Linux 5.8-rc1において変更が行われたファイルの数は1万4,000以上,さらにマージされていないコミットは1万4,000以上,追加されたコード数は80万行以上となっている。⁠Linux 5.8のマージウィンドウにおいて,カーネルソースリポジトリに含まれる全ファイルの20%に修正を加えた」⁠Linux)ということから,作業量の増加がそのままカーネルサイズに反映されているようだ。

「いうなれば5.8は大きい。マジで大きい(IOW, 5.8 looks big. Really big.⁠⁠」とRC1の段階でLinusがこれほど"big"を強調するケースはあまりないが,一方でLinusは「サイズは大きくなっているけど,それによってとくに大きなトラブルが発生する気配でもない」ともコメントしており,通常通りの開発がスタートした。順調に進めばLinux 5.8は2020年8月初旬ごろに正式リリースとなる予定だ。

著者プロフィール

階戸アキラ(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。