Ubuntu Weekly Recipe

第283回 Apache OpenOffice 4.0をインストールする

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開発の現状

これから出てくる数字はAOOの開発の一部分だけを示すものであり,全部を示すものではありません。よって数字だけが独り歩きするのは筆者の本位ではありません,と予めお断りしておきます。

2013年1月から同6月までにtrunkにコミットされた件数を数えてみました。ワーニングの修正といった小さなものから別ブランチのマージといった大きなものまですべて件数は1となるので,コミット件数にどの程度の意味があるのかの判断は難しいところですが,把握しやすさを考えてピックアップすることにしました。

すると合計824件になりました。ただしサイドバーは別ブランチで開発されていたので,この数字には含まれていません。サイドバーブランチは2012年11月29日から2013年4月9日まで行われており,翌10日にtrunkに統合されています。開発期間中のコミット数は103件であり,今回の対象となる期間中は99件でした。よって,trunkとsidebarブランチを合わせると923件です。実際には同時に開発されていたほかのブランチもありますが,今回は考えないものとします。

コミットした人数は17人でした。コミット権がない人が提出したパッチをコミット権を持つ人がコミットするということも普通に行われていますが,今回はあくまで実際にコミットした人数だけをカウントしています。

17人のうち,IBM社員(と思われる)は7人です。しかし,この7人で572件のコミットが行われていました。サイドバーブランチも入れると671件でした。

このことから,trunkだけだと69%,サイドバーブランチも入れると73%がIBMの社員によるコミットであることがわかりました。

これをIBMが開発に携わっているから安定してリリースされると考えるか,もしIBMが手を引いたら開発が立ち行かなくなると考えるかはそれぞれだと思います。

図8 trunkだけのコミット数で,内周は個人ごとのコミット数

図8 trunkだけのコミット数で,内周は個人ごとのコミット数

図9 trunkとサイドバーブランチを足したコミット数で,内周はやはり個人ごとのコミット数

図9 trunkとサイドバーブランチを足したコミット数で,内周はやはり個人ごとのコミット数

AOO 4.0と日本語

AOO 4.0も3.4.1と同じく,メニュー・ヘルプ共に翻訳率は100%です。具体的にどなたが作業されたのか個人名を明示するのは差し控えますが注4⁠,この方は翻訳者であるのと同時に開発者でもあり,たくさんのパッチを送って採用されています注5⁠。その姿勢には素直に頭が下がります。

注4)
とはいえ調べればすぐに分かりますけど。
注5)
コミット権はないようなので,前出のグラフには入っていません。

ダウンロードとインストール

ダウンロードはダウンロードのページから行ってください。

また,どうしてもすぐにインストールしたい場合は,Relase Candidate(Revision 1503704)をダウンロードしてください。AOOはRelease Candidateをリリースし,これをテストしたうえで問題なければ投票し,一定以上の票を集めるとリリースになります。ここにあるのは投票の対象となったバイナリで,すなわちAOO 4.0と同じものです。ただし,本稿公開後しばらく時間が経つとさらに新しいものに差し替わるのでご注意ください。

また,事前にIPAフォントとJava仮想マシンをインストールしておいてください。パッケージ名は⁠fonts-ipafont⁠⁠default-jre-headless⁠です。

インストール方法はとくに変わりません。次のコマンドを実行してください。

$ tar xf Apache_OpenOffice_(バージョン)_Linux_(アーキテクチャ)_install-deb_ja.tar.gz
$ cd ja/DEBS/
$ sudo dpkg -i *.deb

なお,4.0でAMD64だとファイル名はApache_OpenOffice_4.0.0_Linux_x86-64_install-deb_ja.tar.gzに,i386だとApache_OpenOffice_4.0.0_Linux_x86_install-deb_ja.tar.gzになります。

この方法でインストールした場合,次のコマンドで起動してください。

$ /opt/openoffice4/program/soffice

Unityから起動する場合は,続けて次のコマンドを実行してください。

$ cd desktop-integration/
$ ar x openoffice4.0-debian-menus_4.0-9702_all.deb
$ tar xf data.tar.gz
$ cp -r usr/share/icons/* ~/.local/share/icons/
$ cp usr/share/applications/* ~/.local/share/applications/
$ sudo cp usr/bin/openoffice4* /usr/local/bin/

その後,一度ログアウトしてログインすればDashに表示されるようになります注6⁠。

図10 Dashに表示されているApache OpenOffice

図10 Dashに表示されているApache OpenOffice

注6)
要するに,これは第262回のオマケに書いたことをコマンドにしただけです。

注意点

リリースノートをよく読むと,C++で書かれた拡張機能はAOO 4.0のSDKを使用して再コンパイルする必要があると書かれています。C++で書かれた拡張機能は数的にはそれほど多くありませんが,Presenter ConsoleやPDF Importといった極めて重要な拡張機能がこれに該当します。PDF Importに関しては新バージョンがリリースされていますが,Presenter Consoleに関してはまだのようです。この拡張機能を多用している場合は,3.4.1を使用しておくのが無難と言えます。最新バージョンは拡張機能を配布しているWebサイトで確認してください。

オマケ:LibreOfficeのオフィシャルバイナリ

LibreOffice 4.1.0のリリースもほぼ同じ時期になるはずで,いち早く試してみたいという場合にオフィシャルのバイナリをインストールすることもあるかとは思いますが,バグにより面倒なことになるので,4.1.1まで見送るのが無難です。PPAでもそれほど間がなくリリースされると思いますので,それを待つのが良いでしょう。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。