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第297回 Ubuntu 13.10でインプットメソッドFcitxを活用する

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状態パネル

状態パネルの色は白で,これはこれで悪くないのですが,⁠スキン][dark]で黒い状態パネルに変更できます。UbuntuやUbuntu GNOMEでは,こちらのほうが親和性が高いです。

状態パネルの右から2番目にある三日月のようなアイコンは,クリックすると満月のようなアイコンになります。ぱっと見たところ何をするものなのかわかりにくいですが,満月のようなアイコンになるとすべてのいわゆる半角文字が全角文字になります。通常このような機能は使用しないので,オフにするのがいいかも知れません。この機能はアドオンとして実装されているので,次でオフにする方法を紹介します。

アドオン

[入力ソッドの設定][アドオン]タブに戻ります。Fcitx独自のアドオン機能がいろいろあり,これを活用すればもうIBusには戻れなくなるかもしれません注3)⁠そのうちのいくつかを紹介します。

このタブ以外もそうですが,初期状態で表示されるのは絞りこまれたものだけで,⁠拡張]にチェックを入れることによってすべて表示されます。すると各プラグインごとにもチェックが付いており,このチェックを外すとプラグインを無効にできます。とは言え,パッと見ても何が重要で何が重要でないのかわかりにくいので,むやみに無効にするのは避けてください。

クイックフレーズ(Quickphrase)

クイックフレーズとは何かと言うと,辞書注4を作成してそこにある登録語注5を簡単に呼び出す仕組みのことです。正直なところ日本語では辞書に登録してしまうのがいいのですが,とりあえず使い方を紹介しましょう。

[Quickphrase]を選択して[設定]をクリックしてください。⁠クイックフレーズのトリガーとなるキー][セミコロン]になっていますが,日本語では使えないので[なし]にしてください。その代わりに[クイックフレーズのトリガーとなる別のキー][Ctrl+:]にするのをここではオススメします。⁠Ctrl+;]はすでに割り当てがあり,使用できません。

[OK]を押して設定を終了してください。Mozcで使用するようになっているはずですので,左シフトキーを押してください。すると日本語キーボードになります。この状態でCtrl+:キーを押すと,⁠クイックフレーズ]というプレエディット(確定前文字列)が表示されるので,試しに⁠orz⁠(引用符は不要)と入力してみてください。これで顔文字が表示されます。⁠1⁠(引用符は不要)と数字を入力すると確定します。

クイックフレーズは簡単に作成することができます。fcitx-module-quickphrase-editorパッケージをインストールし注6)⁠⁠クイックフレーズリスト]の右にあるフォルダーアイコンをクリックしてください。すると専用のエディターが起動します。デフォルトで登録されているクイックフレーズリストの確認にもいいでしょう。

図3 クイックフレーズを使用中

図3 クイックフレーズを使用中

クリップボード(Clipboard)

クリップボードは,その名のとおりクリップボードの履歴を保持して,リストから貼り付けるようにできるプラグインです。これはMozcからでも呼び出せます。呼び出し方は簡単で,Ctrl+;キーを押すとクリップボードの履歴が表示されるので,貼り付けたい内容を番号を入力して確定させてください。設定はあまり変更する必要はないかもしれませんが,気になるものがあったら変更してみてください。

全角文字(Fullwidth Character)

これがMozcの状態パネルにある三日月と満月アイコンの正体です。このチェックを外すと状態パネルからも消えます。

ユニコード入力サポート(Fcitx Unicode Input Support)

Ctrl+Shift+Alt+Uキーを押すと,Unicodeの名称で文字や記号の検索ができます。⁠fullwidth tilde⁠⁠wave dash⁠(引用符は不要)が有名どころでしょうか。Tabキーで選択して,Enterキーで確定します。

XIMフロントエンド(Fcitx XIM Frontend)

XIMが必要な場面でプレエディット(確定前文字列)が表示できない場合は,⁠XIMで On The Spot スタイルを使う(起動中は変更できません)]にチェックを入れ,Fcitxを再起動するといいかもしれません。

注3)
とは言え微妙にかゆいところに手が届きませんが……。
注4)
クイックフレーズリストと呼んでいます。
注5)
語に限らず記号や顔文字や。なんにでも対応できます。
注6)
インストールしなくてもエディターで編集できます。

Mozcの用例表示

fcitx-mozcの用例表示は,ibus-mozcとは異なります。用例のある候補には[Ctrl+Alt+Hキーを押して用例を表示]と表示され,Ctrl+Alt+Hキーを押すと表示されます。戻る場合はEscキーを押してください。IBusだととくに操作しなくても表示されるため,この違いに気をつけてください。Ubuntuで使用する場合はUnityがAltキーを取ってしまうため,このとおりの順番に押していかないと確定してしまい,ストレスを感じることになるかも知れません。

図4 プレエディット(確定前文字列)の段階

図4 プレエディット(確定前文字列)の段階

図5 Ctrl+Alt+Hを押すとこの表示になる。戻るときはESC

図5 Ctrl+Alt+Hを押すとこの表示になる。戻るときはESC

fcitx-remote

Fcitxにはfcitx-remoteというユニークな機能があります。これはその名のとおりFcitxをリモート注7から制御するというものです。詳しくは⁠fcitx-remote -h⁠コマンドを実行してみていただきたいのですが,Fcitxの終了や設定の再読み込み,半角/全角の切り替え注8ができます。たとえばESCキーを押したら半角に切り替えるVimスクリプトとか書いてみるといいかもしれません。

注7)
たぶん別プロセスぐらいの意味なのでしょうが。
注8)
正確には直接入力と全角の切り替えですが,わかりやすさ優先でこう表現します。

Kubuntuで使用する場合

Kubuntuユーザはかなり少ないと思いますが注9)⁠IBusの設定画面が出ない問題があり注10)⁠IBusをそのまま使うよりもよりKDEとの親和性が高いFcitxにするのがお勧めです。fcitx-setup-helperや手動でインストールと設定を行ったあと,下のパネルを右クリックし,⁠パネルのオプション][ウィジェットを追加][入力方式パネル]で入力方式パネルを追加します注11)⁠これで状態パネルを表示しなくてもFcitxの状態が表示されるようになります。ここを右クリックして[Configure Input Method]をクリックすると,Fcitxの設定画面が表示されます。

図6 入力方式パネルを使用しているところ。右下にある

図6 入力方式パネルを使用しているところ。右下にある

図7 設定画面を開いたところ

図7 設定画面を開いたところ

注9)
翻訳などがあまり行われないので……。
注10)
これ自体の修正は簡単に行えますが。
注11)
インプットメソッドも入力メソッドも入力方式もすべて⁠Input Method⁠の翻訳です。慣例で「入力方式」とは訳さないことが多いのですが,間違いではありません。

Xmodmap

Xmodmapという単語にピンとこない方は読み飛ばしてください。

Ubuntu 13.10から.Xmodmapを読まなくなるということがあるようです。しかし,Fcitxでは問題なく使用できることから,IBusあるいはGNOME関連の何かに問題ないし仕様変更があるものと思われます。よって,これまでどおり.Xmodmapを読み込みたい場合はFcitxを使用するのがいいでしょう。しかし,.XmodmapはX Window Systemに依存しており,今後UbuntuはMirに,それ以外はWaylandに移行していくと見られています。そうなると.Xmodmapは使えなくなりますので,この先ずっと使い続けられるものではないという認識は必要そうです。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

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