Ubuntu PhoneのDesktop Apps機能
Ubuntu Phoneでは,
まずUbuntu Touchは次の点で,
- X Window System/
Unity7ではなく, Mir/ Unity8を採用している - アップデート時はルートファイルシステムをごっそり入れ替える
- ルートファイルシステムは原則として書き込み不可
- アプリのパッケージフォーマットはClickフォーマット
ディスプレイサーバーがMirであるため,
- ※3
- Mirと同じく次世代ディスプレイサーバーであるWaylandと同様に,
ツールキット等が将来的にMirをサポートするようになればこの限りではありません。
デバイスのアップデートの簡素化・apt
コマンドによるパッケージのインストールは行えません。ただし禁止しているだけであって,apt
コマンドで必要なパッケージをインストールすることは日々行われています。また,
- ※4
- もともとは
「通算3度目のOver The Air Update」 を 「OTA-3」 などと呼称していたのですが, いつのまにかUbuntu Phoneまわりでは 「OTA」 がアップデートそのものを指す単語として使われるようになってしまいました。アップデートそのものは有線経由でも行えます。
Ubuntu Phone上のアプリは
これらの
Libertineでは,
- ※5
- 仕組みの名前は
「Libertine」 ですが, デスクトップアプリを動かす機能という意味では 「Desktop Apps」 と呼ばれています。また以前は 「Xapps」 という名前でした。このあたりは名前がころころ変わる上に, 厳密な定義や使い分けがされているわけではないので, 他のドキュメントを読む時は注意してください。
Desktop Appsの準備
具体的な導入手順を見ていきましょう。まずLibertineの管理ツールであるlibertine-container-manager
」libertine-container-manager
」
まずはターミナルアプリを起動し,sudo
コマンドのパスワードになります。
(SSHサーバーを起動する) phablet@ubuntu-phablet:~$ sudo start ssh [sudo] password for phablet: ssh start/running, process 4753 (Ubuntu PhoneのIPアドレスを確認する) phablet@ubuntu-phablet:~$ ip addr show wlan0 | grep inet inet 192.168.0.3/24 brd 192.168.0.255 scope global wlan0 (公開鍵を追加する) phablet@ubuntu-phablet:~$ cat id_rsa.pub >> ~/.ssh/authroized_keys
Ubuntu PhoneのSSHサーバーはパスワードログインを許可しない設定になっています。よって何らかの方法で,~/.ssh/
に登録する必要があります。公開鍵をLaunchpadに登録済みであれば
SSHサーバーが起動し公開鍵を登録したら,
phablet@ubuntu-phablet:~$ libertine-container-manager create -i vivid -t chroot -n 'Vivid'
「-t
」debootstrap
コマンドを用いてミニマルなルートファイルシステムを~/.cache/
」
- ※6
- Ubuntu Phoneにおけるvividは,
正確には 「vivid + Overlay PPA」 と呼ばれるリリースになります。すでにサポートの切れた15. 04ベースではあるものの, Overlay PPAを用いてUbuntu Phone用にセキュリティパッチを当てたパッケージや最新のUbuntuからバックポートされたパッケージが提供されています。これは隔離システム側も同じです。
「-i
」-n
」libertine-container-manager
コマンドを実行する必要があります。
その他のコマンドオプションについてはlibertine-container-manager --help
」
アプリケーションのインストール
隔離システムができたら,
phablet@ubuntu-phablet:~$ libertine-container-manager install-package -p libreoffice
隔離システムはミニマルな状態なので,
さらに隔離システムに日本語フォントのパッケージをインストールしておきます。
phablet@ubuntu-phablet:~$ libertine-container-manager exec -c "apt install -y fonts-takao"
残念ながらvividだとNotoフォントパッケージには日本語関連のグリフが含まれていません。ちなみにexec
サブコマンドにbash
を渡すと,
phablet@ubuntu-phablet:~$ libertine-container-manager exec -c "bash"
ここまででアプリケーションのインストールは完了です。もちろんLibreOfficeの代わりに,