Ubuntu Weekly Recipe

第533回 多くのプラットフォームに対応するメディアサーバー「Emby」

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EmbyはPCやスマートフォンなど多くのプラットフォームに対応したメディアサーバーです。ウェブブラウザーからストリーミング再生可能なので,実質アプリ不要のシステムでもあります。今回はこのEmbyをUbuntuにインストールする方法を紹介しましょう。

.NET Coreベースのメディアサーバー

Embyは.NET Coreで開発されているメディアサーバーであり,次の機能を有しています。

  • ウェブブラウザー経由でのコンテンツ再生やサーバ管理
  • iOSやAndroid,Windows向けのモバイルアプリ
  • Android TV/Amazon Fire TV/Chromecast/Roku/Xboxなどのメディアデバイス向けアプリ
  • 各種コンテンツメタデータデータベースへの対応
  • マルチユーザーやペアレンタルコントロール機能
  • プラグインによる機能拡張
  • REST API

ウェブブラウザー用のクライントはJavaScriptで開発されています。そのため,モダンでなおかつJavaScriptエンジンが載っているウェブブラウザーがあれば,クライアントアプリは不要です。

図1 ウェブブラウザーベースのクライアント

画像

また有料サービスであるEmby Premiereに登録すると,オフライン再生や各アプリのフル機能の有効化,クラウド同期・バックアップなど各種便利な機能もついてきます。

今回はUbuntuにEmbyをインストールし,ウェブブラウザーやモバイルデバイスからアクセスする方法を紹介しましょう。

Emby Serverのインストール

Emby ServerはLinuxだけでなくWindows,Mac,FreeBSD,各種NASなど,各種プラットフォームをサポートしています。インストール方法もパッケージをダウンロードしてきてインストールするだけとかなりシンプルです。

Ubuntuの場合もdebファイルをダウンロードしてきてそれをインストールするだけで完結します。しかしながらUbuntuリポジトリ外のバイナリパッケージをサーバーに直接インストールすることには心理的抵抗があるかもしれません。そこで第521回で紹介したLXDコンテナの中に閉じ込めてしまいましょう※1)⁠

※1
もちろんDockerイメージを使う方法も存在します。

LXDの初期設定は完了しているものとします。次の手順でEmby用のコンテナを作成しましょう。

$ lxc launch ubuntu:18.04 emby
emby を作成中
emby を起動中
$ lxc config device add emby port8096 proxy listen=tcp:0.0.0.0:8096 connect=tcp:localhost:8096

Embyでは8096番ポートを使用しているため,LXDホストの外からEmbyコンテナにアクセスできるよう,8096番ポートをホストの8096番に紐づけています。

次にEmbyサーバーをダウンロードしてインストールします。

$ lxc exec emby -- wget -P /root \
  https://github.com/MediaBrowser/Emby.Releases/releases/download/3.5.2.0/emby-server-deb_3.5.2.0_amd64.deb
$ lxc exec emby -- apt install /root/emby-server-deb_3.5.2.0_amd64.deb

インストールされるのは主に/opt/emby-server以下であり,それ以外に設定ファイルとして/etc/emby-server.conf/usr/lib/systemd/system/emby-server.serviceなどがインストールされます。前者はEmby Server起動時の環境変数を設定しているだけです。どの値がどのように使われているかは/opt/emby-server/bin/emby-serverの内容やこちらのコメントを参照してください。

Emby Serverを起動するユーザーとしてembyユーザーとembyグループが自動的に作成されます。また,/var/lib/emby以下にさまざまなメタデータが保存されます。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。

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