Ubuntu Weekly Recipe

第644回 ノート表示にも対応したプレゼンテーションツールPympress

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Beamerでノート付きのプレゼンテーション資料を作る

ここまで説明したように,Pympressを使うならBeamerで資料を生成すると便利です。BeamerはLaTeXのクラスとして作られているため,LaTeXの処理系とお好みのテキストエディターさえあれば生成できます。

UbuntuならLaTeXを次のようにインストールすると良いでしょう。

$ sudo apt install --no-install-recommends texlive-lang-japanese \
  texlive-latex-extra texlive-latex-recommended fonts-noto-cjk-extra

LaTeXのパッケージサイズはかなり大きい(数百MB)ので,十分高速なインターネット回線を用意してください。ちなみに--no-install-recommendsを指定しているのは,なるべくインストールするものを少なくするための措置です。これがないと1GB以上のダウンロードになってしまいます。

あとは普通にTeXのファイルを編集し,PDFを生成するだけです。適当なディレクトリに移動して,実際にビルドしてみましょう。

$ mkdir ~/beamer && cd beamer

以下の内容のデータをslides.texとして作成してください。

\documentclass[aspectratio=169,dvipdfmx,12pt]{beamer}
\usepackage{bxdpx-beamer}
\usepackage{pxjahyper}
\usepackage[noto-otc]{pxchfon}
\renewcommand{\kanjifamilydefault}{\gtdefault}
\usepackage{pgfpages}
\setbeamertemplate{note page}{\pagecolor{yellow!5}\vfill\insertnote\vfill}
\setbeameroption{show notes on second screen=right}
\usetheme{metropolis}
\title{Beamerによるプレゼンテーションサンプル}
\author{柴田充也}
\institute{Ubuntu Japanse Team}
\date{2020年12月2日}
\begin{document}

\begin{frame}
  \titlepage
\end{frame}

\section{はじめに}
\begin{frame}\frametitle{本日お伝えしたいこと}
  \tableofcontents
\end{frame}

\section{重要なこと}
\begin{frame}\frametitle{いっこめ}
  \begin{itemize}[<+->]
    \item 項目1
    \item 項目2
      \note[item]{項目2について熱く語る}
    \item 項目3
  \end{itemize}
\end{frame}

\begin{frame}\frametitle{にこめ}
  \begin{enumerate}
    \item 項目1
    \item 項目2
    \item 項目3
  \end{enumerate}
\end{frame}

\section{そこまで重要でないこと}
\begin{frame}\frametitle{さんこめ}
  \begin{itemize}
    \item 項目1
    \item 項目2
    \item 項目3
  \end{itemize}
\end{frame}

\end{document}

あとは次の方法でPDFを生成します。

$ uplatex slides.tex
$ uplatex slides.tex
$ uplatex slides.tex
$ dvipdfmx slides.dvi

実際に生成したのが前述のノート付きのPDFファイルです。

ちなみに最近改訂第8版がリリースされたLaTeX2ε美文書作成入門「18.2 Beamerによるスライド作成」でもBeamerの基本的な使い方を簡単に紹介しています。初めて触るならそちらも参考になるでしょう。なお美文書作成入門では,upLaTeXではなくLuaTeXでBeamerスライドを作っています。本文で使われているサンプルを試す場合は,Ubuntuの場合texlive-luatexパッケージのインストールも必要なので注意してください。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。