Ubuntu Weekly Recipe

第648回 デスクトップ環境の2020-2021年

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KDE

何度となく述べていますが,現在KDEというデスクトップ環境はリリースされていません。KDE Frameworks,KDE Plasma,KDE Applicationsに分かれてリリースされています。

Kubuntu 20.04 LTSはKDE Frameworks 5.68.0,Plasma 5.18.5,Applications 19.12.3で構成されています。また,Kubuntu 20.10はKDE Frameworks 5.74.0,Plasma 5.19.5.0,Applications 20.08.1で構成されています。

少し解説すると,KDE Frameworksは毎月リリース,KDE PlasmaとKDE Applicationsは4ヶ月毎のリリースです。しかし,KDE Plasmaは18ヶ月サポートのLTSがあるため,古いバージョンが混ざってリリースされています。ちなみにPlasma 5.18はLTSです。

正直なところKDEに関しては昨年の大きな変更点今年のロードマップが公開されているため,ここで触れることはあまりありません。

……と,ここまでURLを除いてほぼ昨年の原稿どおりですが,今年のロードマップを見るとQt 6に関する記述がないことに気づきます。前出のQt 6のリリースブログを読むと,本格的に開発を開始できそうなのは9月に予定されている6.2以降となりそうなので,今年は移行作業をあまり進めないということなのか,あるいはQt 5から6へのポーティングは比較的容易(という主張)なため,それほどの大仕事とは思っていないのかのいずれかであることは予想できます。

予定されている変更点としては,Plasma Waylandセッションを通常利用できるレベルに引き上げる予定であるというのは朗報でしょう。UbuntuのGNOMEでは,いまだにXセッションがデフォルトになっていますが,FedoraなどほかのLinuxディストリビューションでは数年前からWaylandセッションがデフォルトになっており,KDE Plasmaもこれに並ぶことになります。

Xfce

Xfceは,昨年12月22日に4.16がリリースされました。主な変更点はアートワークであとは小規模な変更とのことですが,Xubuntu 21.04で使用できるようになるのが楽しみです。

ちなみにXubuntu 20.04 LTSと20.10ではほとんど違いがないため,今からインストールする場合はサポート期間の長い前者がおすすめです。

次のバージョン(4.18?)に関する情報は見つけられませんでしたが,なんとか毎年リリースできるくらいの開発リソースを維持してほしいと思います。ただ,こればかりは体制の問題で大変に難しいです。

LXQt

LXQtは昨年2月24日に0.15.011月5日に0.16.0がリリースされています。

こちらも次のバージョン(0.17.0?)に関する情報は見つけられませんでした。そろそろ1.0がリリースされるのかどうなのかとか,Qt 6対応がどうなるのかとか,気になるところです。

MATE

MATEは昨年2月10日に1.24がリリースされました。ということはUbuntu MATE 20.04 LTS/20.10で使用できます。

やはり次のバージョン(1.26?)に関する情報は見つけられませんでしたが,かなり活発に開発は行われているので,近日中のリリースが期待できます。

Cinnamon

Cinnamonは昨年5月13日に4.6が,11月27日に4.8がリリースされました。いずれもパフォーマンスの向上が図られています。また4.6ではディスプレイの分散スケーリング(Ubuntuでは任意倍率のスケーリング)をサポートしました図1⁠。

図1 Cinnamon 4.6ではディスプレイの設定に「分散スケーリング」「ユーザーインターフェーススケール」がある。なお4.4では後者は「設定」タブに存在した

図1

第618回で紹介したUbuntu Cinnamon Remix20.10もリリースされており,Cinnamon 4.6.7が採用されています。このリリースノートをよく読むと,21.04では公式フレーバーにした後にさまざまな改修作業を行いたい旨が記述されているので,期待したいところです。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamのメンバー。VirtualBoxなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。