Ubuntu Weekly Recipe

第663回 Ubuntu 21.04の主な変更点

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

今回は4月22日にリリースされるUbuntu 21.04の主な変更点を紹介します。

追記:編注
予定どおり4月22日(現地時間)にUbuntu 21.04がリリースされました(参照:Ubuntu Weekly Topics 2021年4月23日号⁠。

Ubuntu 21.04

4月22日にUbuntu 21.04(Hisute Hippo)とそのフレーバー(公式派生版)がリリースされます。今回はUbuntu 21.04の新機能についていくつかピックアップしてお知らせします。

とはいえ,図1を見てもわかるとおりあまり大きな変更点はありません。一番大きな変更点はWaylandセッションがデフォルトになったことでしょう。

図1 Ubuntu 21.04のデスクトップ。もちろんカバであるが某有名マンガの馬に見えなくもない

図1

では具体的に見ていきます。

Ubuntu 21.04 ≒ GNOME 3.38

まずは図2をご覧ください。Ubuntu 21.04のGNOMEのバージョンは,20.10と同じくGNOME 3.38で据え置きです。もちろんこの3月にはGNOME 3.38の次のバージョンであるGNOME 40がリリースされていますが,21.04では採用が見送りになりました。というのも図3のようにGNOME 3.38のGNOME Shellとはずいぶん違うデザインになり,Ubuntu独自の変更点を加えるには時間がなさすぎる,という理由で見送りになったということです。

図2 Ubuntu 21.04の「このシステムについて⁠⁠。締切の段階ではまだ「development branch」のままだった

図2

図3 Fedora 34開発版のGNOME 40。アプリケーショングリッドにワークスペースも表示されているなどGNOME 3.38以前とは大幅な変更がある

図3

では完全にUbuntu 20.10と同じなのかというとそういうわけでもなく,一部のアプリケーションはGNOME 40のバージョンに上がっています。というわけで,久しぶりにGNOMEのバージョンが混ざったキメラなリリースになっています。

GNOME関連コンポーネントのバージョン表を掲載します。

バージョン コンポーネント(パッケージ名)
3.32.x gnome-power-manager, zenity
3.34.x gnome-bluetooth
3.36.x gnome-getting-started-docs, gnome-keyring, gnome-logs, gnome-menus, gnome-mines
3.38.x adwaita-icon-theme, cheese, file-roller, gcr, gdm3, gedit, gnome-calendar, gnome-control-center, gnome-initial-setup, gnome-mahjongg, gnome-online-accounts, gnome-screenshot, gnome-session-bin, gnome-settings-daemon, gnome-shell, gnome-terminal, gnome-user-docs, mutter-common, nautilus, orca, simple-scan, totem, ubuntu-session
40.x baobab, eog, evince, gnome-calculator, gnome-characters, gnome-disk-utility, gnome-font-viewer, gnome-system-monitor, yelp

Ubuntu 20.10の時は本連載で変更点を取り上げなかったので,比較することが難しく,少し後悔しています。Ubuntu 20.10の時には3.34.xに分類されていたgnome-charactersとgnome-font-viewerが40になっていたりします。そのほかバージョンを上げやすいものだけ40にしたというところでしょう。

画面共有サーバーの交代

UbuntuにはVNCで画面共有を行う機能があり図4⁠,バックエンドのサーバーはVinoが採用されていました。調べてみたところUbuntuの最初のバージョンである4.10ではすでに採用されていたので,なかなかの歴史を感じます。

図4 ⁠共有」「画面共有」が該当する

図4

このように古い設計であったためWaylandには対応していませんでした。そこでGNOME Remote Desktopが新たに開発され,この度置き換えられました。

実は第661回でRemminaを紹介した際にUbuntu 21.04の開発版に接続しています(第661回の図6⁠⁠。つまりVNCクライアントは従来のままでいいことがこれでわかります。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamのメンバー。VirtualBoxなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。