Ubuntu Weekly Recipe

第693回 Ubuntuでも2.5GbEを使用する

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今回は普及が始まった2.5GbEをUbuntuで使用するために選択するハードウェアや替えた場合の効果を見ていきます。

GbEと2.5GbE

有線LANの速度といえば長らく1ギガビットイーサネット(以下GbE)でした。しかし最近は理論値で2.5倍高速な2.5GbEが普及してきています。マザーボードに2.5GbEコントローラーを搭載したモデルも増えてきました。その例は第691回で紹介したMSI H510I PRO WIFIです。Ubuntu 20.04.3 LTSのカーネル5.11で認識しています。

ただ2.5GbEの恩恵に預かるためにマザーボードないしPCを買い換えるのは非現実的です。PCI-Express接続の拡張カード(NIC)やUSB接続のアダプターも使用したいところです。しかし,Ubuntuで使用できるか不安です。

もちろんハブも2.5GbEに対応していないといけませんし,せっかくなのでGbEと比較してどのぐらい速くなるかも知りたいところです。

というわけで,2.5GbE環境を見ていきましょう。

今回使用するハードウェア

今回使用するハードウェアは,PCに関しては2台です。うち1台は第691回で使用したものです。スペック表を再掲します。

役割 メーカー 型番
CPU Intel Core i3-10105
マザーボード MSI H510I PRO WIFI
メモリー ADATA AD4U266638G19-B
SSD Western Digital WDS250G2X0C
ケース In Win IW-BP671/300B

lspciコマンドで確認すると,⁠02:00.0 Ethernet controller: Realtek Semiconductor Co., Ltd. RTL8125 2.5GbE Controller (rev 05)」と表示されました。

もう1台のPCは検証用PCです。OSはやはりUbuntu 20.04.3 LTSです。

役割 メーカー 型番
CPU AMD Ryzen 5 3600
マザーボード ASRock B450M Steel Legend
メモリー CFD W4U3600BME-8G
SSD Western Digital CT250MX500SSD1
ケース In Win IW-BL057B/300B

ハブはTP-Link TL-SG108-M2ですが,8ポートも必要なければPlanex FX2G-05EMがいいでしょう。TL-SG108-M2の約半額で買えます。

今回使用するネットワークコントローラーは次のとおりです。

メーカー 型番 接続方式 コントローラー
MSI H510I PRO WIFI オンボード RTL8125B
ASROCK B450M Steel Legend オンボード RTL81111H
Planex GPE-2500T PCI-Express x1 RTL8125B
ASUSTOR AS-U2.5G2 USB 3.1タイプC RTL8156B

速度の基準とするため,B450M Steel LegendオンボードのGbEも使用します。

GPE-2500TはRTL8125Bを採用していることを明言しているNICで,国内サポートも受けられるモデルでオススメです。実のところどこぞのOEMモデルで,筆者はすでに同型モデルを所有していました。選択のポイントはやはり「RTL8125B」であること,また「RTL8125」と比較して発熱が少なくまた安定していることです。多少の価格差があったとしても「RTL8125B」を採用したボードにしておくのがいいでしょう。

USB接続の2.5GbEアダプターはいろいろなモデルが発売されています。AS-U2.5G2は割高でしたが,⁠RTL8156B」を採用していることを明言しているので選択しました。これも「B」のあるなしで発熱や性能が違うらしいので,安価なモデルに飛びつくと頭を抱えることになるかもしれません。またAS-U2.5G2はNAS用であるためかUSB Type-A変換コネクターが付属していますが,今回は使用していません。そもそもUSBの仕様に違反しているので,使用しないほうがいいに越したことはありませんが,専用品なので特に問題が起きないことは期待できます。

筆者も驚いたのですが,⁠RTL8156B」もカーネル5.11で普通に認識しました。

ここでとあることに気づくかもしれません。あれ,Intelどうしたと。

Intelのネットワークコントローラーは絶大な信頼性があり,少なくともGbE時代とその前である100MbE時代はIntelにあらざるはネットワークコントローラーにあらずという感じでした。さらに前時代については筆者は知りません。Realtekは避けろと言われていた時代もありましたが,GbE時代には全く避ける理由はなく,極めて安定して動作していました。多数のマザーボードに採用されていることもその証左でしょう。安価なマザーボードはRealtek,高価なマザーボードにはIntel製のネットワークコントローラーを採用しているという棲み分けでした。

もちろんIntelもI225-Vというコントローラーを販売しているのですが,採用モデルをあまり見かけません。NUCの一部モデルGIGABYTE B560I AORUS PRO AXなど採用モデルもなくはないのですが,今回は予算の都合で入手を見送りました。IntelなのでUbuntuでも認識はするでしょうし,あまり普及していないのはそれなりの理由もあるのでしょう。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamのメンバー。VirtualBoxなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。