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第702回 Mattermostの基本的な設定とバックアップ・リストア

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第700回でも紹介したように,Mattermostと言えば,Slackと双璧をなすFLOSSでセルフホスト可能なチャットサービスであり,定型ワークフローを管理する「Playbook」と,かんばんライクなタスク管理ツールである「Boards」が統合され,⁠オンラインコラボレーションツール」でもあります。今回はMattermostの基本的なカスタマイズ方法を紹介しましょう。

Mattermost Omnibusのカスタマイズ

第700回ではDebianパッケージ版のMattermostであるMattermost Omnibusをインストールしました。今回はまず,このMattermost Omnibusをカスタマイズしてみましょう。改めてリストアップすると,基本的な設定方法は次の4パターンになります。

  • Mattermost Omnibusの設定ファイルは/etc/mattermost/mmomni.yamlで,変更後の反映コマンドはsudo mmomni reconfigure
  • 環境変数/etc/mattermost/mmomni.mattermost.envで一部のMattermostの設定を行っている
  • Mattermost本体の設定は,sudo mmctl --local config editで編集すると反映される
  • Mattermost本体の設定は,Web UIのシステムコンソールからも変更できる

最初のMattermost Omnibusで設定できる項目は次のとおりです。

  • db_user/db_password:PostgreSQLのデータベースのユーザーとパスワードです。インストール時に自動生成されるため,それをそのまま使えば良いでしょう。
  • fqdn:Mattermost本体のドメインネームです。インストール時に設定した値が使われます。
  • email:Let’s Encryptによるサーバー証明書の取得の際に使われるメールアドレスです。HTTPSを別途設定する場合は空のままでかまいません。
  • https:HTTPSを利用するかどうかをtrue/falseで設定します。リバースプロキシー側でHTTPSを担うなら,falseでもかまいません。
  • data_directory:Mattermostがデータを保存するディレクトリです。バックアップ対象となるディレクトリだと考えれば良いでしょう。
  • enable_plugin_uploads:Mattermost側のPluginSettings.EnableUploadsの値を設定します。これは自前のプラグインをアップロードできるかどうかの設定項目です。プラグインを自作しない限りfalseで問題ありません。
  • enable_local_mode:Mattermost側のServiceSettings.EnableLocalModeを設定します。mmcliコマンドの認証に関する設定コマンドです。trueの場合,Mattermostが動いているサーバー上で,Unixドメインソケットを経由してmmcliコマンドを実行した時,ユーザー認証を行わないことになります。⁠Mattermostサーバーにログインできる=管理者である」が成り立つのであれば,trueのままで良いでしょう。

このようにMattermost Omnibusはインストール時に設定しておいたほうが良い項目だけ,YAMLファイルでも設定できるようになっています。基本的にインストールが完了し,Mattermostにログインしたあとは特に変更しないと思っておいて問題ありません。

Mattermostのカスタマイズ

Mattermost本体はWeb UIもしくはmmcliによる設定ファイルによって内容を変更します。重要な項目の多くはWeb UIから変更可能ですが,一部の設定はファイルを直接編集しなくてはなりません。また一部の設定は/etc/mattermost/mmomni.mattermost.envで設定しており,これはmattermost.serviceを起動する時に読み込まれています。

一部の設定はsudo mmctl --local config editで編集する必要があるものの,こちらも変更することはほとんどないでしょう。よってだいたいのことはWeb UIのシステムコンソールで完結できます。

そこで代表的なものをいくつか見ていきましょう。

サイト本体の設定

まずはサイト全体の設定を行いましょう。具体的には画面左上のグリッドメニューから,⁠システムコンソール」を選択し「サイト設定」「カスタマイズ」に移動します。次の画像のように,メールアドレス等が設定されていないと,この設定を促されるようです。

図1 メールアドレスを設定していないと,mattermost-advisorが通知してくれる

図1

設定自体は各項目に丁寧な説明がついているため,そこまで難しいことはないでしょう。ここで重要なのは「サポート電子メールアドレス」です。これはメール通知等が送られたときの,連絡アドレスとして表示されます。サーバーの管理者が確認できるアドレスを設定しておきましょう。その他プライバシーポリシーや,アイコン・サイト名などなどサイト固有の設定を変更できます。

図2 設定項目には詳細なガイドが記述されている

図2

「サイト設定」では他にも「言語」でアカウント作成時の初期設定等,⁠ユーザーとチーム」でユーザー情報の表示範囲,⁠通知」で通知メールの内容の調整,⁠投稿」でメッセージに投稿したURL等の扱いを,⁠お知らせ」でMattermostアップグレード時の通知に関する情報をコントロールできます。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。