ASがどのように他のASと接続しているかを推測するには、まず、AS番号を取得する必要があります。AS番号は、whoisを利用すると外部の第三者であっても調べることが可能です。
ただ、whoisを利用する時に注意すべき点が一点あります。ASに関しての情報を管理しているのは1ヵ所ではなく、管理区分によって管理している範囲が異なるので、複数箇所を調べる必要があります。世界的な組織が保持するAS番号を知るには、前回説明したRIR(地域レジストリ)ごとにそれらを調べなければなりません。
以下が、世界に5つあるRIRによるwhoisの一覧です。
では、実際に、ARIN(American Registry for Internet Numbers) whoisで「google」に関して調べてみましょう。
結果は以下のようになります。
この結果を見ると、googleがさまざまなIPアドレス割り当てを受けていると同時に、ASも複数保持しているのがわかります。
この部分を見ると、少なくともARINには15169、36039、36040、36384、36385が登録されているのがわかります。
RADb
他に、任意のIPアドレスからAS番号を知る方法もあります。たとえば、MERIT NETWORK INC.が提供しているオンラインサービスである、www.radb.netを利用すると、IPアドレスからAS番号が取得できます。
この手法は、アクセスログやtracerouteの結果だけが手元にあるときに、そのIPアドレスを運用している組織を知るときに役にたちます。
ドメイン名情報を取得する方法
ここでは、AS番号を調べるためにwhoisを利用しましたが、一般ユーザが最もwhoisを使う用途はAS番号ではなく、ドメイン名に関する情報を得る時だと思われます。たとえば、jpドメインでの情報を調べる時には、JPRSのwhoisを利用できます。
- JPRSのwhois解説
- URL:http://jprs.jp/info/jp-whois/
JPRSのwhoisで、「pasonatech.co.jp」という検索キーワードを入力して検索を行うと、以下のような結果が返ってきます。
この結果を見ると、現時点でのpasonatech.co.jpのホスティングに関しては、IIJが何らかの形で関わっていそうなことが推測できます。また、1999年からpasonatech.co.jpというドメイン名が利用開始されているのもわかります。
このように、whoisを使うといろいろわかります。
次は
今回、whoisを利用して情報を得る手法を紹介しました。次回は、BGPに関する情報を利用しながらGoogleがどのようにネットワークに接続しているかを推測していきたいと思います。